蒼き蝦夷の血 4 藤原四代秀衡の巻 下 (徳間文庫 こ 9-18)

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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784195675007

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  • (上巻から続く)上巻の書評にも記したように、秀衡編は源義経が物語の中心である。本作品における義経像は義に厚く、下に優しいといった従来の平家作品と一風異なり、傲慢な側面や戦における冷酷な手法も描き、世情一般で語られる好青年としてのみ捉えていない。かなり人間くさい義経であるが、戦では無類の強さを発揮し、一ノ谷、屋島と平家を打ち破っていく。前二編にも言えることだが、小説でありながら、史伝的要素も加えているので、船中での義経と建礼門院との"秘事"にも触れたりしている。

    「秀衡編」は源氏が壇ノ浦で勝利し、平家を滅ぼすところで終わっている。威風堂々の晴れの凱旋になるはずが、義経の苦難の道程がここから始まるのはご存知のとおり。それは次の奥州藤原氏最後の頭領・泰衡編で描かれるはずであった。しかし残念なことに我々は泰衡編を読むことができない。泰衡編を書き出す前の昭和52年9月19日"昭和の怪僧"今東光は大往生を遂げる。「藤原四代」の物語は三代で終わりとなり、作者も無念ではあったろう。だが、三代の蝦夷の物語の輝きは失われることはない。

  • 最終巻も義経物語だった。合戦合戦…途中で読むのためた(笑)

  • (1995.08.04読了)(1994.12.04購入)
    藤原四代 秀衡の巻
    (「BOOK」データベースより)amazon
    磐石の平泉政権にも、時代の激浪は及んだ。栄華を謳う平氏に反旗を翻す策動が各地に胚胎、頼朝決起の報を受けるや、秀衡の諌を振り切って義経は鎌倉へ馳せ上った。源平いずれか、蝦夷政権の存亡を賭けた選択は目睫に迫っていた。一ノ谷、屋島と、義経の迅雷の機略の前に、平氏は西海へ遁走した。だがこの時すでに、義経は平泉に在った義経ではなく、また兄頼朝の疑念も深まりつつあった。巨匠の未完の絶筆。

    ☆関連図書(既読)
    「蒼き蝦夷の血(一)」今東光著、徳間文庫、1993.02.15
    「蒼き蝦夷の血(二)」今東光著、徳間文庫、1993.02.15
    「蒼き蝦夷の血(三)」今東光著、徳間文庫、1993.03.15

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