- Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
- / ISBN・EAN: 9784195773925
感想・レビュー・書評
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表題作は新人作家では活字化さえされなかっただろう。とても印象に残るジャズのリズムから、当時の流行語を交え、創世記として産み落とされた現代のカオスを表現してしまっていること。他の短編も、悪意に満ちたやりたい放題で、21世紀の今となっては差別用語がばんばん出てきて、作品化さえ怪しい。本書は、著者の様々なテクニックが駆使された作品が集成されているのも良い。好きな作品は「ヒノマル酒場」。最後の「三人娘」は、虐げられる神奈山課長に感情移入してしまい、カタストロフとしての結末をもっと読みたかった。
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訳が分からないのに何故か面白かった本
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表題作については、自分の力量では評価できません…。
「死にかた」が好きです。筒井さんっぽいと思います。筒井康隆ってなんぞや?と言う方は「死にかた」から読んでみては。これが好きなら、はまりますよ。 -
はっきり覚えてないけれど、実験的なやつが多かった本かな。面白かった、と記憶されているのだけれど。
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鬼才は聖書もパロディとする。
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2011.6.1(水)。¥100。
2011.6.3(金)。
1982年短編集。
バブリング創世記、死にかた、発明後のパターン、案内人、裏小倉、鍵、廃塾令、ヒノマル酒場、三人娘、解説.井上ひさし。 -
懐かしさのあまり読みふけってしまった。
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すごくくだらないのとすごく好きなのに分かれていた。
「鍵」がとてもよかった。寂しくて怖くてうすら寒くて。 -
これも短編集。
正直表題作は意味がわからない。笑
『裏小倉』も意味不明だったけど、百人一首を覚えた私としては、これは意味不明なりに面白かったw
今回一番好きな話はこれ↓↓
『廃塾令』
笑えて、的確で、そして色々考えさせられる。
高学歴社会のせいで、小学生のうちから塾通いなんて当たり前。むしろ6つくらい掛け持ちしていて、小学生が終電に!出世できなくてムシャクシャしたサラリーマンが、通りすがりの塾通いの子どもを殺害してしまう事件もちらほら起こる。子どもに塾通いをさせる親の言い分は『だってうちの子は塾が好きって言うから』
みんな言うよね(笑)
さてそんなおり、政府は廃塾令を出したのだが、猛反発をくらい…??!
と思いきや、金持ちは家庭教師を雇えるからどうでもいいとか。憲法学者の営業の自由に反するとか、能力に応じて等しい教育がなされないんじゃないかとか、廃塾令が違憲じゃないかと指摘していて面白かった(笑)そしてヤクザによる闇の塾まで出て…?
今よりずっと学歴社会が激しかった時代みたい。(今だって学歴社会はあるけどさ。笑)
ゆとり教育にしても、詰め込み教育にしても、塾の需要は減らないんだよね。私は高校まで公立で、大学受験(と、今もか。笑)のときに予備校に行っただけだし、小学生から終電の時間まで塾とか、塾掛け持ちとか考えられない世界だ!
塾通いに苦しんだことがないからこそだけど(笑)、負けず嫌いな私には、塾の勉強は数字が出るから、学校の勉強なんぞより遥かに魅力的なんだよね。笑
勿論終電・掛け持ちの塾通いなんて子どものためにはよくないけど、こういう私みたいな人間もいるわけだし笑、『塾通い=悪』って決めつける大人が一番嫌いだな。