荊冠の耀き (徳間文庫)

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著者 : 赤江瀑
  • 徳間書店 (1991年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784195992586

荊冠の耀き (徳間文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  凄絶に甘く切なく悲しく、胸の痛む作品揃いの赤江作品でも、この文庫巻末所収の「四月に眠れ」は毒薬レベルの過激さだ。語り口は静かだが、読むうちに同調して自分の死に場所を今日中に決めよう...と通勤電車の中で思いはじめてつらかった。全文章が一塊なので抜き書きもできない。

     「その老いぼれた全身は、百本近い花におおわれ、頭はさながらカーネーションだのアネモネだのヒヤシンスだのチューリップだの春の生花を撒き散らした花弁の群れに飾られて、燦爛たる冠のように多彩な色にあふれていた。」(鏡の中空 P197)

     ※死因それか系。

    「金木犀は、実に多様に、多彩に、複雑に、彼の痴戯にとり込まれ、活用され、篤典の裸体のいたるところで、その花の姿を変え、押しつぶされ、花汁を流し、撒き散らされ、挿し込まれ、活け花のように思いもかけないところで咲いて、芳香を放っていた。…」(午睡の庭 P78)

     ※そんなことに使うなんて赤江作品に出てくる美青年しかしない系。

    ※表題作のBGMは個人の好みでココナッツボーイズのアルバム「Boy’s Life」です。もうそれしか考えられない!青年たちが若さに任せて海辺で戯れて...話。

    2015/10/07

  • 【四月に眠れ】のための再読。
    うららかな春の日、満開の桜並木の下を歩いていると、両の耳を見えない手で塞がれているような黙の瞬間に出会うことがある。次いで、薄い紙片を千切るみたいなはりはりという幽かな空音が花弁とともに風に運ばれてくる。現実が剥がれているのかもしれない。自分のいる場所が此岸と彼岸の境目であるような錯覚に陥る。それと同じ恐怖心を私はこの物語に抱く。

    『四月
     ここが出口
     ここが入口
     消えるなよ
     おれが通り抜けるまで』

    ここには、誰もいない。
    ただ花が咲くばかり。ただ花が咲くばかり。
    妖美の呪縛。刹那の魔性。

  • 所収の短編「四月に眠れ」

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