シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001))

  • 2498人登録
  • 4.00評価
    • (442)
    • (328)
    • (414)
    • (12)
    • (1)
  • 348レビュー
著者 : 宮崎駿
  • 徳間書店 (1983年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784196695103

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
梨木 香歩
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印

シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001))の感想・レビュー・書評

  • コミック類はこの本棚には入れないことにしているが、前述した【犬になった王子】が元になった話ということで特別扱いにする。
    カテゴリーは(少々無理だが)児童書。読まれた方はどうぞご容赦を。

    宮崎駿さんによる後書きを読むと『十数年前、はじめて読んで以来、この民話のアニメーション化がひとつの夢だったのですが、現在の日本の状況では、こんな地味な企画は通るはずもありません・・』
    とあって、軽い衝撃を受けた。
    私自身は、なんとドラマティックなお話だろうと感動しつつ読んだからだ。
    それとも、もしかしたら私たちは、殺戮の場面や暴力的なシーンがないともう物足りないまでに鈍化しているのだろうか。
    素朴で、土のにおいのする力強い話にはもう魅力を感じないのだろうか。
    この【シュナの旅】の後半は、元になったと言うチベット民話とは大きく異なる。
    「神人」という存在が登場し、人買いから集めた人間たちを麦に変えてしまうのだ。
    かなりぞっとする設定で、旅の途中で人買いから救った少女・テアとの関わりがわずかな希望である。
    それも、互いにギリギリの命の選択であり、チベット民話に描かれたような、純愛を貫くというものでもない。
    読みすすめていると、身体が痛くなってくるような感覚がある。
    何もここまで登場人物を痛めつけなくてもとさえ思う。

    【シュナの旅】を先に読んだ場合は、こんな感想ではなかったかもしれない。
    絵は相変わらず美しく、ナレーションのように文字が入り、文を絵が補い、絵を文章が補うという、とても良い配分。
    吾郎監督の【ゲド戦記】の原案になったと言うのも頷ける。
    色々な場面が「ナウシカ」のようでもあり、「ラピュタ」のようでもあり、「もののけ姫」の「シシ神様」を彷彿とさせるような【ヤックル】という家畜も登場する。
    もっとも、こちらはもっとずっと身近にいて、人間を助けてくれる存在だが。

    背景色とのミスマッチで、ところどころ文字が見にくいのが惜しい。
    宮崎アニメファンの方は、ぜひ元になったと言う民話もおすすめです。

  • 行き倒れの旅人から
    「人々の飢えを除く黄金の穀物が実る
    豊饒の地が西の果てにある。」
    と、耳寄りな話を聞いた
    貧しい国の王子『シュナ』は
    相棒『ヤックル』と共に
    旅へ出る決意をする。

    生きる為の糧を求め
    住み慣れた地を去る…
    と、言うのが
    もしかすると
    本来の正しい旅の目的なのかもしれない。

    過酷な『シュナ』の旅には
    観光も娯楽もなかったが(当然…)
    干からびた地にしがみつき
    死を待つだけの日々を無為に過ごす事を快しとしなかった若者に
    天は一体何を与えたか。

    「この民話のアニメーション化が僕の夢だった。」
    と、語るアニメーション作家宮崎駿。
    元になっているチベットの民話は優しい童話だが、
    彼は、物語の根っこに絡んでいた「大人にこそ向き合って欲しい金ピカの種子」をみつけていたんだな、と感じた。

  • 『シュナの旅』(『シュナの旅』は、スタジオジブリのアニメ映画「ゲド戦記」の原案になった事でも有名です。)は15歳の時に読んで以来、私の最も大切な作品になっています。今までに私の作品制作にも大きな影響を与えて来ました。宮崎 駿氏のスケールの大きな空想力が遺憾なく発揮されています。
    『シュナの旅』の原話は、「犬になった王子」(君島久子 文、岩波書店 民話集「白いりゅう黒いりゅう」所収)ですが、2013年11月15日に絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)が出版されました。文は君島久子先生で、絵は私が日本画で丹念に描きました。『シュナの旅』と『犬になった王子 チベットの民話』を見比べると、その共通点と相違点が面白いでしょう。 
     日本画家・絵本画家 後藤 仁

    ●それぞれの関係を図解するとこうなります。

    「犬になった王子」(民話集『白いりゅう 黒いりゅう』〔訳:君島久子〕所収 岩波書店 1964年) →(影響)→ 「シュナの旅」(作:宮崎 駿 徳間書店 1983年) →(影響)→ 「アニメ映画 ゲド戦記」(スタジオジブリ 2006年)

    「犬になった王子」(民話集『白いりゅう 黒いりゅう』〔訳:君島久子〕所収 岩波書店 1964年) →(絵本化)→ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』(文:君島久子、絵:後藤 仁 岩波書店 2013年11月15日)

  • 十数年ぶりに再読。

    チベット民話をモチーフに描かれたもので、アニメーション化したかったものの内容が地味という理由から断念したものが書籍となったそう。

    でも淡々としたなかに、ナウシカの要素あり、もののけ姫の要素あり、ゲド戦記の要素あり、ジブリ好きとしては何度見ても楽しいです。

    民話…文章からこれだけの空想を広げてそれを表現できるなんて…羨ましいなんて簡単に言ってしまうのはおこがましいことこの上ないけど、でもやっぱり羨ましい!

  • アニメ映画『ゲド戦記』の原型。

    チベット民話「犬になった王子」が元になっているというけれど、ビジュアルイメージは宮崎駿独自のファンタジーになっている。チベット民話だと王子は大麦を竜王から奪った罪で犬に姿を変えられてしまうらしい。でも、今作では後半の展開はかなり現代的なアレンジ(クトゥルフ神話的なあれ)だと思う。

    穀物を手に入れるまでは、本当に「観たことがない世界」での出来事が展開されていて、これを当時読んだときは相当衝撃を受けたものだった。でも一転して、物語が少女のほうに視点が移ってしまうと、ストーリーが散漫になってしまったと思う。後半は起伏という起伏がないのは、そういう話ではないと分かっていても、やっぱり不満として残る。

    文明批判とか、食べ物がどこから来るのか分からない日本人に向けた警句とか、色々と読み取れるものはあるだろうけれど、もうちょっと視野を広げて「文化的なるもの」に対する宮崎駿の強い興味が読み取れるような気がする。宮崎駿=エコ、という図式は一面的なもので、彼は作品の中で常に文化を描いていたと思うのだ。

    宮崎駿の文化に対する視線を語る上では、『風の谷のナウシカ』と並んで最重要の作品であることに違いはない。

  • 貧しい国の皇子が、黄金の穂を求めて神人の地に向かう話。
    シュナ視点の前半と、テア視点の後半が良いコントラストになっている。

    宮崎駿物語で最も好きなお話。
    最初は友人に漫画版ナウシカやアニメブックのラピュタのついでに借りただけだったのだけど、どっぷりとハマってしまった。
    『ゲド戦記』みたいに中途半端に取り入れて汚すんじゃなく、最初からコレを映画化すれば良かったんだよ!

    なぜかこの本は4冊くらい持っていたりする。
    だって背表紙の色とか違うバージョンがあるんだもん!

  • TSUTAYAで見かけたので購入。
    チベットの民話を元に書かれた(描かれた)ようです。
    その不思議な世界観は、大きな起伏があるわけではありませんが面白い作品でした。
    「もののけ姫」にも登場したヤックルも出てきます。
    しかし、世界観的には「風の谷のナウシカ」に近いです。
    この世界にかつて何があったのか!?と物語として描かれていないところが気になってしまいます。
    是非アニメーション化したものをみたいなと思いました。

  • 宮崎駿がチベット民話「犬になった王子」をもとにオールカラーで描いた絵物語。
    ジブリの映画を見ている感覚。良い話でした。
    色んな宮崎作品が詰まってて、見応えあります。絵もきれい。
    ジブリファンには是非とも読んでほしい。ヤックルはいつもカッコいいね!

    印象的なのは、神人の地の所。人がパラパラと落っこちてくるところなんて、ゾッとする。美しく輝いて見えた土地が一変にして、ゾロゾロと暗く低く唸ってるようで恐ろしくなる。
    シュナとテアらが一生懸命畑を耕してるのを見てると、生きるってこういうことだなと思う。
    欲に埋もれ、何かと貧しい今でこそ、こういうものを読むといい。
    気付いた後、どうするかは人夫々だけど。
    私は静かにしまっときます…。
    主張しませんが、失いもしません。

  • 3.13読了。宮崎ワールド全開。チベット民話が、換骨奪胎されて、ナウシカの世界になってる。
    人間を飲み込み緑の神人を生産する巨大な消化器官はゾッとした。その緑のひとの口から、大麦が吐き出される。
    いのちの循環をこんなにえぐく描けるなんてすごい。

  • ナウシカやラピュタ等、宮崎アニメの数々の名作の萌芽になるような要素がつまっていて、それでいて独立した別の物語になっている。短いけれど、密度の濃い、豊かな内容だった。イラストもとてもきれいだし、動物や衣装、遺跡もとても想像力を刺激するものだった。
    読んで良かった。

  • 読んでいる間も読み終わってからも暫く、ドキドキしていました…

    色んな思いや意味を込めて描かれたであろう作品なので、今の自分にはその全てを理解することは出来ませんでした;

    台詞やナレーションは簡素なのですが、それでも描き込まれた絵が多くのことを語りかけてくれるように感じました。

    また時間を置いて何度も読みたくなる1冊です☆

    そしてヤックルが可愛い…^^
    (中央図書館)

  • もののけ姫や、ナウシカの原点と言えるような作品です。
    厚さ1cm程の本ですが、1本の映画のようなスケールの大きさ。
    さすがです。

    ヤックルが出てきます。かわいい!

  • 「風の谷のナウシカ」公開の前年に出版された本。
    あとがきで、この話のアニメーション化が夢だったと、宮崎さんは語っています。

    後に、「もののけ姫」や「ゲド戦記」の原案として、その要素が使われているのですが、
    ひとつの作品としての「シュナの旅」も映像で観てみたかったなぁ。

    “宮崎駿”が詰まった作品ですよね。
    これを読むと、「ナウシカ」や「ラピュタ」などの後の作品たちは、
    この1冊のヴァリエーションなのだと感じます。

    彼の伝えたかったことが、きっとここに凝縮されています。
    まぁ、そうでもなければ14年も後に「もののけ姫」として発表しませんよね。

    名作です。

  • 十数年ぶりに再読。ページ数はそれほど多くないのだが、内容の深さを再発見。前回読んだときはナウシカに近いなと思っていたが、他の宮崎アニメにも出てくる要素があちこちに盛り込められていて、テーマの一貫性を感じられた。それにしても、ヤックルが可愛いぞ。

  • ナウシカも もののけ姫も 原型はここにあった?!
    初版は1983年に出ている カラーの漫画。
    原作のチベット民話「犬になった王子」の話は、
    火を人間界にもたらしたギリシャ神話に通じるものがある氣がする。
    一粒万倍、産めよ増やせよ地に満ちよ、
    貧富の差を生みだすもとになった穀物栽培、農耕の歴史について
    豊かさについて、旅と出会いについて、・・・
    考える種はたくさんある。

  • とっても好きなお話。これを読んで、犬になった王子も読んでみたが、漫画とはえらく変わっていたので、やはり宮崎駿のワールド感と、なんともいえないあの絵が好きなんだと思う。
    ただ麦の種を取りに行くだけなら、地味な物語なんだろうけど、月が人間を食べ、巨人が麦の種を吐き出し育成していたり、地味な物語に「え?」って驚くようなファンタジーを取り入れるところが、奇想天外。それが奇抜なのではなく、自然や摂理に寄り添った、なんだか納得できるね、という部分を体現しているところが好感。いや、嫌いになりにくいと言ったほうがいいのかどうか。

  • チベットの民話「犬になった王子」がベースのお話。ナウシカのヴァリアント(趣向)かなっていうくらい、世界が似てる。

    ストーリーは、喪失、出発、助ける者、奪取、追手、帰還(省略)で古典的だけど、時空歪んでたり、◯◯出て来たり、世界の奥行きがやっぱ半端ないからおもしろい。

  • 映画「ゲド戦記」の元になった本です。
    宮崎さんの原点が、この本にあると思います。
    オールカラーできれいです。
    「風の谷のナウシカ」にもストーリーが似てるような気がします。

  • 宮崎駿のイラストに魅かれて購入。前ページカラーの漫画。シンプルな物語で、チベットの民話をもとにしているそう。宮崎駿のこういう世界観好きだなあ……

  • 古い作品ですが、民話を元にイメージを膨らませた物語と宮崎さんの絵柄がピッタリと一致する本書。その高い完成度に、今読んでも飽きません。そろそろ絵本を卒業する娘に買い与えましたが、読むのは自分ばかりです。

  • チベット民話『犬になった王子』を下敷きにし、宮﨑駿が絵と文を書いた作品。話自体は自身でも地味と書いているが、チベットにある貧しい谷間の小国の王子が、大麦の籾を探し求め放浪する淡々とした話。同時期に描かれたナウシカと共通するモチーフが見られ、また、ゲド戦記、もののけ姫の原案の一つでもある。宮﨑駿の原点を知りたい人にはお薦め。

  • チベット民話「犬になった王子」をもとに創作

  • ナウシカの前身みたいな話。
    めちゃ感動!

  • 穀物。何よりも重要。生の象徴というよりは、生そのもの。私たちの中核であり、構成するすべて。そして現代人はそれを知らない。宮崎さんはまだその少し前の人類の心を知る人なのか、知ろうと努めたのか、それとも戦争と貧困の体験に、穀物の伝説との親和性があるのか。いや、自分の親世代には実感をもって伝わるレベルの伝説なのか。
    石原慎太郎が言っていたが、今の若者は不幸だ。貧困を知らない。
    こう一概に暴力的に定義づけられると腹が立つが、この作品を読むとこの作品の美しさをきっと心から理解できないのは寂しい。
    穀物の伝播の伝説は良いですよね。日本や沖縄では米の伝説がマレビトから。やっぱり島国では海の向こうからやってきたり。このチベット系でも断絶した崖の先の海の先に神の国があるんですね。農民の純粋な感謝と憧憬がどうにも愛おしい。

全348件中 1 - 25件を表示

シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001))に関連する談話室の質問

シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001))に関連するまとめ

シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001))を本棚に「読みたい」で登録しているひと

シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001))を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001))を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

ツイートする