シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001))

  • 2518人登録
  • 4.00評価
    • (443)
    • (331)
    • (415)
    • (12)
    • (1)
  • 352レビュー
著者 : 宮崎駿
  • 徳間書店 (1983年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784196695103

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
あさの あつこ
梨木 香歩
有効な右矢印 無効な右矢印

シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001))の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • コミック類はこの本棚には入れないことにしているが、前述した【犬になった王子】が元になった話ということで特別扱いにする。
    カテゴリーは(少々無理だが)児童書。読まれた方はどうぞご容赦を。

    宮崎駿さんによる後書きを読むと『十数年前、はじめて読んで以来、この民話のアニメーション化がひとつの夢だったのですが、現在の日本の状況では、こんな地味な企画は通るはずもありません・・』
    とあって、軽い衝撃を受けた。
    私自身は、なんとドラマティックなお話だろうと感動しつつ読んだからだ。
    それとも、もしかしたら私たちは、殺戮の場面や暴力的なシーンがないともう物足りないまでに鈍化しているのだろうか。
    素朴で、土のにおいのする力強い話にはもう魅力を感じないのだろうか。
    この【シュナの旅】の後半は、元になったと言うチベット民話とは大きく異なる。
    「神人」という存在が登場し、人買いから集めた人間たちを麦に変えてしまうのだ。
    かなりぞっとする設定で、旅の途中で人買いから救った少女・テアとの関わりがわずかな希望である。
    それも、互いにギリギリの命の選択であり、チベット民話に描かれたような、純愛を貫くというものでもない。
    読みすすめていると、身体が痛くなってくるような感覚がある。
    何もここまで登場人物を痛めつけなくてもとさえ思う。

    【シュナの旅】を先に読んだ場合は、こんな感想ではなかったかもしれない。
    絵は相変わらず美しく、ナレーションのように文字が入り、文を絵が補い、絵を文章が補うという、とても良い配分。
    吾郎監督の【ゲド戦記】の原案になったと言うのも頷ける。
    色々な場面が「ナウシカ」のようでもあり、「ラピュタ」のようでもあり、「もののけ姫」の「シシ神様」を彷彿とさせるような【ヤックル】という家畜も登場する。
    もっとも、こちらはもっとずっと身近にいて、人間を助けてくれる存在だが。

    背景色とのミスマッチで、ところどころ文字が見にくいのが惜しい。
    宮崎アニメファンの方は、ぜひ元になったと言う民話もおすすめです。

  • 行き倒れの旅人から
    「人々の飢えを除く黄金の穀物が実る
    豊饒の地が西の果てにある。」
    と、耳寄りな話を聞いた
    貧しい国の王子『シュナ』は
    相棒『ヤックル』と共に
    旅へ出る決意をする。

    生きる為の糧を求め
    住み慣れた地を去る…
    と、言うのが
    もしかすると
    本来の正しい旅の目的なのかもしれない。

    過酷な『シュナ』の旅には
    観光も娯楽もなかったが(当然…)
    干からびた地にしがみつき
    死を待つだけの日々を無為に過ごす事を快しとしなかった若者に
    天は一体何を与えたか。

    「この民話のアニメーション化が僕の夢だった。」
    と、語るアニメーション作家宮崎駿。
    元になっているチベットの民話は優しい童話だが、
    彼は、物語の根っこに絡んでいた「大人にこそ向き合って欲しい金ピカの種子」をみつけていたんだな、と感じた。

  • 『シュナの旅』(『シュナの旅』は、スタジオジブリのアニメ映画「ゲド戦記」の原案になった事でも有名です。)は15歳の時に読んで以来、私の最も大切な作品になっています。今までに私の作品制作にも大きな影響を与えて来ました。宮崎 駿氏のスケールの大きな空想力が遺憾なく発揮されています。
    『シュナの旅』の原話は、「犬になった王子」(君島久子 文、岩波書店 民話集「白いりゅう黒いりゅう」所収)ですが、2013年11月15日に絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)が出版されました。文は君島久子先生で、絵は私が日本画で丹念に描きました。『シュナの旅』と『犬になった王子 チベットの民話』を見比べると、その共通点と相違点が面白いでしょう。 
     日本画家・絵本画家 後藤 仁

    ●それぞれの関係を図解するとこうなります。

    「犬になった王子」(民話集『白いりゅう 黒いりゅう』〔訳:君島久子〕所収 岩波書店 1964年) →(影響)→ 「シュナの旅」(作:宮崎 駿 徳間書店 1983年) →(影響)→ 「アニメ映画 ゲド戦記」(スタジオジブリ 2006年)

    「犬になった王子」(民話集『白いりゅう 黒いりゅう』〔訳:君島久子〕所収 岩波書店 1964年) →(絵本化)→ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』(文:君島久子、絵:後藤 仁 岩波書店 2013年11月15日)

  • 十数年ぶりに再読。

    チベット民話をモチーフに描かれたもので、アニメーション化したかったものの内容が地味という理由から断念したものが書籍となったそう。

    でも淡々としたなかに、ナウシカの要素あり、もののけ姫の要素あり、ゲド戦記の要素あり、ジブリ好きとしては何度見ても楽しいです。

    民話…文章からこれだけの空想を広げてそれを表現できるなんて…羨ましいなんて簡単に言ってしまうのはおこがましいことこの上ないけど、でもやっぱり羨ましい!

  • アニメ映画『ゲド戦記』の原型。

    チベット民話「犬になった王子」が元になっているというけれど、ビジュアルイメージは宮崎駿独自のファンタジーになっている。チベット民話だと王子は大麦を竜王から奪った罪で犬に姿を変えられてしまうらしい。でも、今作では後半の展開はかなり現代的なアレンジ(クトゥルフ神話的なあれ)だと思う。

    穀物を手に入れるまでは、本当に「観たことがない世界」での出来事が展開されていて、これを当時読んだときは相当衝撃を受けたものだった。でも一転して、物語が少女のほうに視点が移ってしまうと、ストーリーが散漫になってしまったと思う。後半は起伏という起伏がないのは、そういう話ではないと分かっていても、やっぱり不満として残る。

    文明批判とか、食べ物がどこから来るのか分からない日本人に向けた警句とか、色々と読み取れるものはあるだろうけれど、もうちょっと視野を広げて「文化的なるもの」に対する宮崎駿の強い興味が読み取れるような気がする。宮崎駿=エコ、という図式は一面的なもので、彼は作品の中で常に文化を描いていたと思うのだ。

    宮崎駿の文化に対する視線を語る上では、『風の谷のナウシカ』と並んで最重要の作品であることに違いはない。

  • 貧しい国の皇子が、黄金の穂を求めて神人の地に向かう話。
    シュナ視点の前半と、テア視点の後半が良いコントラストになっている。

    宮崎駿物語で最も好きなお話。
    最初は友人に漫画版ナウシカやアニメブックのラピュタのついでに借りただけだったのだけど、どっぷりとハマってしまった。
    『ゲド戦記』みたいに中途半端に取り入れて汚すんじゃなく、最初からコレを映画化すれば良かったんだよ!

    なぜかこの本は4冊くらい持っていたりする。
    だって背表紙の色とか違うバージョンがあるんだもん!

  • TSUTAYAで見かけたので購入。
    チベットの民話を元に書かれた(描かれた)ようです。
    その不思議な世界観は、大きな起伏があるわけではありませんが面白い作品でした。
    「もののけ姫」にも登場したヤックルも出てきます。
    しかし、世界観的には「風の谷のナウシカ」に近いです。
    この世界にかつて何があったのか!?と物語として描かれていないところが気になってしまいます。
    是非アニメーション化したものをみたいなと思いました。

  • 宮崎駿がチベット民話「犬になった王子」をもとにオールカラーで描いた絵物語。
    ジブリの映画を見ている感覚。良い話でした。
    色んな宮崎作品が詰まってて、見応えあります。絵もきれい。
    ジブリファンには是非とも読んでほしい。ヤックルはいつもカッコいいね!

    印象的なのは、神人の地の所。人がパラパラと落っこちてくるところなんて、ゾッとする。美しく輝いて見えた土地が一変にして、ゾロゾロと暗く低く唸ってるようで恐ろしくなる。
    シュナとテアらが一生懸命畑を耕してるのを見てると、生きるってこういうことだなと思う。
    欲に埋もれ、何かと貧しい今でこそ、こういうものを読むといい。
    気付いた後、どうするかは人夫々だけど。
    私は静かにしまっときます…。
    主張しませんが、失いもしません。

  • 3.13読了。宮崎ワールド全開。チベット民話が、換骨奪胎されて、ナウシカの世界になってる。
    人間を飲み込み緑の神人を生産する巨大な消化器官はゾッとした。その緑のひとの口から、大麦が吐き出される。
    いのちの循環をこんなにえぐく描けるなんてすごい。

  • ナウシカやラピュタ等、宮崎アニメの数々の名作の萌芽になるような要素がつまっていて、それでいて独立した別の物語になっている。短いけれど、密度の濃い、豊かな内容だった。イラストもとてもきれいだし、動物や衣装、遺跡もとても想像力を刺激するものだった。
    読んで良かった。

全352件中 1 - 10件を表示

シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001))に関連するまとめ

シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001))を本棚に「読みたい」で登録しているひと

シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001))を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001))を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

ツイートする