シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001))

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著者 : 宮崎駿
  • 徳間書店 (1983年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784196695103

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シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001))の感想・レビュー・書評

  • 行き倒れの旅人から
    「人々の飢えを除く黄金の穀物が実る
    豊饒の地が西の果てにある。」
    と、耳寄りな話を聞いた
    貧しい国の王子『シュナ』は
    相棒『ヤックル』と共に
    旅へ出る決意をする。

    生きる為の糧を求め
    住み慣れた地を去る…
    と、言うのが
    もしかすると
    本来の正しい旅の目的なのかもしれない。

    過酷な『シュナ』の旅には
    観光も娯楽もなかったが(当然…)
    干からびた地にしがみつき
    死を待つだけの日々を無為に過ごす事を快しとしなかった若者に
    天は一体何を与えたか。

    「この民話のアニメーション化が僕の夢だった。」
    と、語るアニメーション作家宮崎駿。
    元になっているチベットの民話は優しい童話だが、
    彼は、物語の根っこに絡んでいた「大人にこそ向き合って欲しい金ピカの種子」をみつけていたんだな、と感じた。

  • 『シュナの旅』(『シュナの旅』は、スタジオジブリのアニメ映画「ゲド戦記」の原案になった事でも有名です。)は15歳の時に読んで以来、私の最も大切な作品になっています。今までに私の作品制作にも大きな影響を与えて来ました。宮崎 駿氏のスケールの大きな空想力が遺憾なく発揮されています。
    『シュナの旅』の原話は、「犬になった王子」(君島久子 文、岩波書店 民話集「白いりゅう黒いりゅう」所収)ですが、2013年11月15日に絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)が出版されました。文は君島久子先生で、絵は私が日本画で丹念に描きました。『シュナの旅』と『犬になった王子 チベットの民話』を見比べると、その共通点と相違点が面白いでしょう。 
     日本画家・絵本画家 後藤 仁

    ●それぞれの関係を図解するとこうなります。

    「犬になった王子」(民話集『白いりゅう 黒いりゅう』〔訳:君島久子〕所収 岩波書店 1964年) →(影響)→ 「シュナの旅」(作:宮崎 駿 徳間書店 1983年) →(影響)→ 「アニメ映画 ゲド戦記」(スタジオジブリ 2006年)

    「犬になった王子」(民話集『白いりゅう 黒いりゅう』〔訳:君島久子〕所収 岩波書店 1964年) →(絵本化)→ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』(文:君島久子、絵:後藤 仁 岩波書店 2013年11月15日)

  • アニメ映画『ゲド戦記』の原型。

    チベット民話「犬になった王子」が元になっているというけれど、ビジュアルイメージは宮崎駿独自のファンタジーになっている。チベット民話だと王子は大麦を竜王から奪った罪で犬に姿を変えられてしまうらしい。でも、今作では後半の展開はかなり現代的なアレンジ(クトゥルフ神話的なあれ)だと思う。

    穀物を手に入れるまでは、本当に「観たことがない世界」での出来事が展開されていて、これを当時読んだときは相当衝撃を受けたものだった。でも一転して、物語が少女のほうに視点が移ってしまうと、ストーリーが散漫になってしまったと思う。後半は起伏という起伏がないのは、そういう話ではないと分かっていても、やっぱり不満として残る。

    文明批判とか、食べ物がどこから来るのか分からない日本人に向けた警句とか、色々と読み取れるものはあるだろうけれど、もうちょっと視野を広げて「文化的なるもの」に対する宮崎駿の強い興味が読み取れるような気がする。宮崎駿=エコ、という図式は一面的なもので、彼は作品の中で常に文化を描いていたと思うのだ。

    宮崎駿の文化に対する視線を語る上では、『風の谷のナウシカ』と並んで最重要の作品であることに違いはない。

  • 宮崎駿がチベット民話「犬になった王子」をもとにオールカラーで描いた絵物語。
    ジブリの映画を見ている感覚。良い話でした。
    色んな宮崎作品が詰まってて、見応えあります。絵もきれい。
    ジブリファンには是非とも読んでほしい。ヤックルはいつもカッコいいね!

    印象的なのは、神人の地の所。人がパラパラと落っこちてくるところなんて、ゾッとする。美しく輝いて見えた土地が一変にして、ゾロゾロと暗く低く唸ってるようで恐ろしくなる。
    シュナとテアらが一生懸命畑を耕してるのを見てると、生きるってこういうことだなと思う。
    欲に埋もれ、何かと貧しい今でこそ、こういうものを読むといい。
    気付いた後、どうするかは人夫々だけど。
    私は静かにしまっときます…。
    主張しませんが、失いもしません。

  • 3.13読了。宮崎ワールド全開。チベット民話が、換骨奪胎されて、ナウシカの世界になってる。
    人間を飲み込み緑の神人を生産する巨大な消化器官はゾッとした。その緑のひとの口から、大麦が吐き出される。
    いのちの循環をこんなにえぐく描けるなんてすごい。

  • ナウシカやラピュタ等、宮崎アニメの数々の名作の萌芽になるような要素がつまっていて、それでいて独立した別の物語になっている。短いけれど、密度の濃い、豊かな内容だった。イラストもとてもきれいだし、動物や衣装、遺跡もとても想像力を刺激するものだった。
    読んで良かった。

  • 十数年ぶりに再読。ページ数はそれほど多くないのだが、内容の深さを再発見。前回読んだときはナウシカに近いなと思っていたが、他の宮崎アニメにも出てくる要素があちこちに盛り込められていて、テーマの一貫性を感じられた。それにしても、ヤックルが可愛いぞ。

  • ナウシカも もののけ姫も 原型はここにあった?!
    初版は1983年に出ている カラーの漫画。
    原作のチベット民話「犬になった王子」の話は、
    火を人間界にもたらしたギリシャ神話に通じるものがある氣がする。
    一粒万倍、産めよ増やせよ地に満ちよ、
    貧富の差を生みだすもとになった穀物栽培、農耕の歴史について
    豊かさについて、旅と出会いについて、・・・
    考える種はたくさんある。

  • とっても好きなお話。これを読んで、犬になった王子も読んでみたが、漫画とはえらく変わっていたので、やはり宮崎駿のワールド感と、なんともいえないあの絵が好きなんだと思う。
    ただ麦の種を取りに行くだけなら、地味な物語なんだろうけど、月が人間を食べ、巨人が麦の種を吐き出し育成していたり、地味な物語に「え?」って驚くようなファンタジーを取り入れるところが、奇想天外。それが奇抜なのではなく、自然や摂理に寄り添った、なんだか納得できるね、という部分を体現しているところが好感。いや、嫌いになりにくいと言ったほうがいいのかどうか。

  • ナウシカの前身みたいな話。
    めちゃ感動!

  • ナウシカよりも気軽に読める、宮崎駿の短編漫画

  • 宮崎駿がチベット民話を元に描いた絵物語。

    宮崎吾朗監督のアニメ映画『ゲド戦記』の原案……ってどういう事?
    ってか『ゲド戦記』、原作があって更に原案って何なの?

    と常々思っていたので読んでみました。さほど疑問は解けませんでした。

    そんな事より『シュナの旅』。
    勇敢な男の子。誇り高い女の子。貧しさの中で粛々と生きる人々。そして変な生き物。自分が大好きなジブリ要素が全部詰まってました。ああ、ずっと見ていたい。

    これこそ動いている所を見たい作品ですが、それが望めないならせめてフルカラー大判(&見やすい文字色)で出してもらえないでしょうか。
    とにかく絵の細部をじっくり見たいんですが、本を広げすぎると全ページバラバラになりそうで。それとも2冊目買うか……?

  • 通常、マンガと絵本は読書メーターには登録していないのだが、この本くらいはいいだろう。生徒に貸すためにその前に一読。1983年の初版が家にある。ナウシカは連載していたが、まだ映画化されていないころのアニメージュ文庫。ヤックルとシュナのコンビは、のちの「もののけ姫」のアシタカを思わせる。この三人の物語は、宮崎さんの描いた話のうちでわたしのベスト3に入る。

  • 各ジブリ作品(もののけ姫・ゲド戦記・特にナウシカ)の原点とも言えるべき漫画絵本。この本の元となった物語がチベット民話なので寓話的・おとぎ話の世界が強い。残念だなぁ…映像アニメにならないなんて…劇場公開なしでもいいから、OVA等,何かしら映像としてアニメを残して欲しい、大変勿体ない。原作ナウシカと共通点が多過ぎて(笑)。。確かにエンターテイメント性には欠けて、地味なんですが…。私はこのお話もとても興味深くて好きです(^^)♪♪(※ナレーション文字の色→水色・濃ピンクは背景に隠れ,読めない汗。)

  • チベット民話「犬になった王子」を原作とした、宮崎駿監督によるオールカラーコミック。登場する人物や動物、世界観などがその後の様々なジブリ映画に点在しているため、ジブリ映画の原点とも称されています。
    谷の底の小さな王国の王子・シュナが、伝説の”金の麦”を求めて長い長い旅に出る。ゴールの見えない旅、自然の猛威、命の尊さ、人を救うことの難しさと自身の無力さ。決して長くはないこの1冊に、命のテーマがぎゅっと詰まっています。
    丁寧に何度も読み返したくなる、大切な本。

  • チベット民謡の「犬になった王子」をモチーフにつくられた作品。

    宮崎駿さんの想い出ずるところの物語。
    ナウシカに特に色濃く反映されている部分を感じるが、
    宮崎さんが手がけたジブリ作品すべてのルーツ、オリジンだと思った。

  • 面白かった。いままで知らなかったのが悔やまれる。こういう本やアニメがもっと増えるといな

  • 映像化しないんでしょうか。宮崎さんが思いのまま描いたもので、本当はこういう作品作りたいのかなと・・映像化しないんでしょうか。

  • 素晴らしかったです。宮崎駿のイメージがぎゅっとつまった一冊でした。
    30分程度で読めるので手元に置いてたまに読み直したいと思います。
    地味な話だからアニメ化は無理とあとがきにありましたがそれは当時の話で、今ならヒットすると思います。

  • ジブリの原点のようで、出発地点のようで。
    強くて優しい気持ちになりたいのにナウシカが読めないときには、この本を読むよ。

  • 『シュナの旅』は、ある旧い谷の王国の王子シュナが貧しい祖国の民のために黄金の穀物の種を求めて西の彼方へ苦難の旅をする物語だ。
    この物語は、チベットの民話「犬になった王子」が元になっている。穀物を持たない貧しい国民の生活を愁えたある国の王子が、苦難の旅の末、竜王から麦の粒を盗み出し、そのために魔法で犬の姿に変えられてしまうが、ひとりの娘の愛によって救われ、祖国に麦をもたらすという民話である。
    当時、この作品は企画が地味だからという理由でアニメ化されなかったらしいのだが、宮崎駿の、ジブリアニメの原点とも言える深い思想と世界観を併せ持つ素晴らしい作品だった。
    シュナが辿り着いた時間や既成概念を超越した神人の土地はまるで『風の谷のナウシカ』の腐海みたいだし、神人の土地に生息するみどり色の巨人はあたかも『天空の城ラピュタ』の巨神兵か『もののけ姫』のデイダラボッチのようだし、シュナの相棒である家畜のヤックルは『もののけ姫』に登場しているアシタカの相棒のヤックルそのものだし、人買いの車を襲撃して輸送途中の奴隷たちの中からテアという少女とその妹を救い出す場面は『ゲド戦記』で人買いに捕まったアレンをゲドが救い出す場面を彷彿とさせるし、神人の土地から黄金の種を盗んだためにシュナが記憶や感情や言葉を全て失うという「呪い」は、お婆さんになってしまう「呪い」にかけられた『ハウルの動く城』のソフィーのようでもあった。また、『天空の城ラピュタ』のパズーとシータ、『魔女の宅急便』のとんぼとキキ、『もののけ姫』のアシタカとサン、『ハウルの動く城』のハウルとソフィー、『千と千尋の神隠し』のハクと千尋などのように、『シュナの旅』ではシュナとテアとのロマンスの要素までもちゃんと存在するのだ。

    神人の土地と人間世界の対比が明確に描かれていて、人間の傲慢さや悪辣さに対する批判や、神や自然に対する畏敬の念、深い感謝と愛情のようなものも感じられ、宮崎駿の思想や世界観はこの作品からすでに出来上がっていたのだと、驚きとともに受け止めた。
    神人の土地の描写はなんとも言えずすごい。前半は「なんて豊かで平和な世界なのだろう」とシュナが感じているくらい生命の気配に満ち満ちていて、人の足で荒らされたことのない深い森でおおわれ、穏やかでやすらかで、まるで天国のような感じなのだが、後半に進むにつれて建造物のような生き物が出てきたり、宇宙船みたいな青白い月が口のあたりから人間を吐き出してその生き物に注ぎこんだり、そこから出てきた水の中からみどり色の巨人が生まれたり、巨人が口から金色の種をまきはじめたり、たった半日で銃が赤錆になったり、不気味なおどろおどろしさすら感じられる異様な世界が描かれていくのだ。私は宮崎駿の想像力の逞しさに、兎に角、圧倒されてしまった。

    個人的には、シュナが神人の土地を探索し自然の豊かさに感服する辺りと、嵐から麦の畑をまもり通したシュナが言葉を取り戻し、黄金の麦が無事収穫された辺りが特に良かったと思う。
    『ほたるの墓』以外のジブリアニメで泣くことは滅多にないけれども、この話は珍しく泣ける作品だった、と付け加えておく。

  • チベットの民話がもとになっているようですが、宮崎駿ワールドそのものです。ファンタジーの素晴らしさが凝縮されたような作品です。登場人物が、想像上の世界の中でちゃんと生きていることが伝わってきます。ひとつひとつの絵に力があります。
    宮崎駿さんには、地味で商業的成功が難しくてもこういった作品をつくってほしいです。本には、やっぱりアニメ映画にはない味わいがあると思います。

  • ヤックルヤックル(*´Д`)

  • わぁ…素敵なお話でした。シュナに表情が戻った瞬間が好きです。大事にしていきたい童話に会いました。

  • 続きは出てないのかな

    『犬になった王子』チベット民話 君島久子訳 岩波書店

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