- Amazon.co.jp ・マンガ (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784197701629
作品紹介・あらすじ
初日興行収入で「崖の上のポニョ」を越え、大反響となっている、宮崎駿監督最新作「風立ちぬ」。
その全カット、全セリフを収録(!)したフィルム・コミック全2巻の上巻が登場。
幼少の頃から飛行機に憧れる二郎は運命の少女・菜穂子と出会い、やがて設計技師になるが、時代の波に飲み込まれていく――。
実在の人物をモデルにした主人公・堀越二郎の半生を長編で描く、映画「風立ちぬ」の感動をいつでも味わえます。
感想・レビュー・書評
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(2014.03.12読了)(2013.11.20購入)
映画を見たのですが、期待外れでした。堀越二郎による零戦の開発物語が見れると思っていたのですが、それらしい雰囲気はあるものの、物足りないものでした。
堀越二郎の物語ではなく、宮崎駿が生きたかった生涯を描いたもののようです。零戦らしきものは、実際の零戦とは、まったく違うデザインです。宮崎さんの作りたかった戦闘機なのでしょう。カプローニさんもきっと宮崎さんのあこがれの人であって、堀越さんには、まったく関係ない人ではないでしょうか。
フィクションなんだから、作品自体を虚心で見なさいと言われそうですが、実在の人物の名前を出して宣伝されていては、なかなかそうもできません。
フィルムコミックで、落ち着いて見直そうと思って、購入し、読み直してみました。
セリフが少ないですね。カプローニさんはずいぶん出てきますね。堀越さんの見る夢は、飛行機を作りたいけど、作られた飛行機は武器にもなってしまうという苦悩を表現しているのでしょうか。
上巻では、堀越さんがまだ、戦闘機を自分で設計する前の段階ですね。ドイツに日本で制作する予定の飛行機を見に行っているところで終わりです。
☆関連図書(既読)
「零戦 その誕生と栄光の記録」堀越二郎著、講談社文庫、1984.12.15
「零式戦闘機」吉村昭著、新潮文庫、1978.03.30
「零式戦闘機」柳田邦男著、文春文庫、1980.04.25
(2014年3月12日・記)
内容紹介(amazon)
初日興行収入で「崖の上のポニョ」を越え、大反響となっている、宮崎駿監督最新作「風立ちぬ」。
その全カット、全セリフを収録(!)したフィルム・コミック全2巻の上巻が登場。
幼少の頃から飛行機に憧れる二郎は運命の少女・菜穂子と出会い、やがて設計技師になるが、時代の波に飲み込まれていく――。
実在の人物をモデルにした主人公・堀越二郎の半生を長編で描く、映画「風立ちぬ」の感動をいつでも味わえます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画『風立ちぬ』。色々と考える時期に観たこともあり、未だに自分の中で色々な思いが渦巻いたままです。
色々な思いが渦巻いていますが、一番強い思いは「夢を叶える」ということ。
好奇心と探究心、そして、仲間への感謝、更には、仲間との共創(Co-Creation)があれば、「夢は叶う」ということ。だけど、「夢を叶える」と「夢は叶う」は違う。「夢を叶える」は未来に向けた現在進行形、「夢は叶う」は過去形。「夢を叶える」ために、何をすべきか。今、僕は何を考え、何を行動すべきか。 -
あたたかい。
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2013/8月
駿引退さく? -
原作漫画版は持ってるんだけど読んでません。
『風立ちぬ』と堀越さんの実話の合体。
で、漫画だけならこれは良いアイデアだなと思います。
原作漫画の掲載誌を読んでる層で、堀越さんと「風」っつったら
思いつくのはひとつしかない。
そう、烈風ですよ。
だけど、これを映画にしてさ。
普通の宮崎作品、ジブリファンで烈風っつってピンと来る人がいますかね?
チントウビョウって言われて漢字で頭に浮かびますか?
鈴木敏夫に対して元からものすごく懐疑的だったんだけど、
この映画のせいでさらに憎しみが強くなりました。
これで遺言?遺作?打ち止め?
こんなもんで終わっていいのかな?
この映画の特徴。
何から何まで、説明的なものや思想的なセオリーを一切抜いてある。
まず、これが何年かというのを全く説明しない。
唯一スクリーン上に出てくるのは、七試艦戦の「昭和七年」のみ。
具体的にわかるのは関東大震災の大正12年(1923年)。
途中の不景気は世界恐慌→昭和恐慌だと思うんだけど、
これが1930年(昭和5年)。
さらに、軍用機の話となると皇紀が絡む。
零戦は皇紀2600年(1940年)採用。
だから観ている間中、西暦と元号と皇紀を延々と換算し続けて
今が何年か考えていた・・・。
めんどくさいんじゃあ!!!!!!
いや、普通に観るならこんな計算は必要ないんです。
なんとな~く理解しとけばいい。
でも、歴史ものとして観るならば指標として必要なんです。
九六艦戦で零戦まであと大体4~5年なんだな、とかね。
と思って、ずーっと待っていたらあのラストですよ。
なんじゃそら!!
中盤まで超面白いんです。
このペースで零戦やら烈風やらYS11の話までやるの?
そんなの3~4時間はかかるだろ・・・と思っていたら・・・
な~んもなし!!
これってどういうことかというと、
「歴史ものとして観るな!」「零戦の話にはせんぞ!!」
ってことなんでしょう。
実名出しといて歴史ものとして観れないって・・・。
「わかってるやつだけわかればいい」ってことでしょ?
知りたい奴はネットで検索したり調べたらわかるだろ、って。
沈頭鋲の件もそうでさ。
零戦やYS11を描かないのも、
「今まで散々語られてきたから、そんな常識的なことやる必要ない」
「俺は俺の出したい飛行機を出す」という風に取れました。
逆にめちゃくちゃ評価できる点もここだけど
そういう不親切さ、要るかね?
原作だけだったらモデグラだから良いんです。
皆知ってることだから、マニアックなことやった方が面白いから。
でもこれをジブリの映画でやってしまったら、
わかんない人は「よくわからなかった」「つまんなかった」で終わるんじゃないかい?
零戦の出し方がああなのも、右傾化とゼロ戦ブームの
鈴木敏夫の便乗商法に対して
思想的に抜きたかったんだろうけど
宮さんの中での矛盾に対する決着が、この映画でついたか?というと
僕には全然そうは思えなかったです。
逃げにしか見えなかったよ。
「生きねば。」がキャッチコピーなんですよね、この映画。
作中で生きようともがいてたのは菜穂子だけじゃなかった?
二郎が生きようともがく様は全然感じられなかった。
試作機がバンバンぶっこわれるけど、苦悩も悲壮感もナシ。
ずっと自分の人生=夢を俯瞰してるようなキャラなんです。
ぼーっと、夢うつつでね。
これが宮さんや庵野さんの投影ってことなら、
本人達がそうなってるってことなんでしょうね。
で、生き残ったのは二郎だけなんですよ。
パイロットも菜穂子もカプローニもいなくなってさ。
「生きねば。」をコピーにするなら、
「二郎のたたかいはまだまだこれからだ!宮崎先生の次回作にご期待ください!<第1部・完>」なわけですよ。
二郎がもがくとすればこれからなんです。
思想的にどうこうって僕に全く無いですけど、
靖国問題でいっつも思うところはここ。
死んだら神様かよ!?
死んで、悲劇で、それで感動して泣いたら良い映画か?
生き残った人間が今の日本を作ったんだろうが!!!!
「生きねば。」ならばちょっとは語ってくださいよ、戦後のことを。
以上が堀越二郎物語の部分だけど、もう一本の柱。
追加された『風立ちぬ』の部分はどうかというと・・・
これがまあお粗末で・・・
こんなんで泣けるかー!!!!!!!
「ジブリにしてはリアル」「大人のジブリ」とか、
そんな括弧つきでリアルとか評価の対象になるかー!!!!
「これでやっと普通レベル」じゃあ!!!!!
こんなんなら恋愛話とか入れずに、
普通に堀越二郎物語としてアニメ化した方が断然泣けるわ。
前半で超泣きそうになったし。
だからいつも、戦争ものに安易に恋愛話を入れるな!って言ってるのに・・・。
良いところももちろんいっぱいありましたよ。
大正~昭和初期の日本が描かれてるのとか最高だったし、
戦間期の機体もいっぱい出るしさ。
でも、上に書いた「年号を入れない」点で、わかりにくくなって
相殺されている。
あと庵野さんを堀越さんと近しいものというキャスティングで
そこに意味が込められてる点は良いんだけど、
声優としてはド素人以下なんで
ただの話題作りに取られてもおかしくないですよ。
だいたいこのふたりはさんざん師弟ゲンカ・親子ゲンカしてきたのにさ、
ふたりしてこんな映画で満足っておかしいでしょ絶対・・・
ダメになった自分を客観視できないふたりがツルんでるだけじゃないか?
作画も全盛期のジブリに比べたら全然ダメでした。
良いシーンも数ヶ所あったんだけど、他は紛い物にしか見えなかった。