風の谷のナウシカ 5 (アニメージュコミックスワイド判)

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  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784197710614

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  •  破滅の始まり。土鬼が造った粘菌は巨大な4つの変異体となり、大地を呑み込みながら1ヶ所に集まろうとしていた。蟲たちが押し寄せ、いよいよ”大海嘯”が起こる。トルメキア軍も撤退を始め、地上は猛毒の瘴気と胞子に覆われる。ナウシカもチヤルカもユパ一行も、この世の終わりを肌身で感じ取っていた。
     そんな中、蟲に襲われた基地で船の残骸に潜み人が来るのを待ち続けていたクシャナとクロトワは、ナウシカがクシャナ軍と共にいると考えて南下してきたユパたちに救われる。土鬼の神聖皇帝は実兄のナムリスに殺され、皇兄として実権を握った彼はヒドラ(人造人間)を使ってクシャナを拉致し、政略結婚による土鬼⁼トルメキア二重帝国の支配を持ちかける。
     粘菌と蟲の大群の合流地に赴いたナウシカはこの世界を汚した人間が滅ぶのは必定と考えて、王蟲と共に自然に還り、新しい腐海の植物の苗床になろうと身を委ねるが…。
     極限状態を乗り越え、すっかり丸くなったクシャナに注目。彼女はペジテをトルメキアに滅ぼされたアスベルや、土鬼の少女ケチャに憎しみをぶつけられても当然のことと受け止める。その姿にユパは、彼女は今後王の器として必要な人間だと見定める。人間が汚した世界を一旦呑み込んで腐海が浄化するという作者の思想に、環境問題への大きな虚無感を感じる。

  • 欲望のままに生きる愚かな人間。
    ナウシカを守ろうとするテトや、人間が造り出した菌類ともひとつになろうとする蟲たちが美しい。

  • 土鬼の皇帝陛下の兄弟喧嘩は凄まじいのだが、兄貴がサイキック弟君をDISる際の「管にまみれた」姿がなんか説得力を持つ。
     で、クシャナ殿下がご成婚なわけであるが、別に凶悪な婚姻はヒロインでもいいと思ふんだけど、かたき役がやるんだよなぁ。

  • 展開もかなり終盤と思いきやまだ残り2巻ある
    この後の展開が気になる

  • この巻の一番のツボはクシャナがナムリスの船で暴れるところなのだ。わたしも幼稚園から空手でも習って、絡んでくるあほんだらどもをなんだったら再起不能にできる戦闘力が欲しかった。使わなくても、使える状態ならいろいろと気が楽な人生だったろうと思う。

  • 『生命をもてあそんだ報いだ』
    まさに、それを感じる。
    そして、自然たち(オームなど)は、それを止める手段を知っている。

  • こんなに世界は美しいのに
    こんなに世界は輝いているのに…

    蟲や腐海にとっては突然変異の粘菌すら仲間。大きな自然の摂理の中で死んでいく王蟲の姿に胸が張り裂けそうになるナウシカの心があまりにも尊い。王蟲は愚かな人間に怒り狂っているわけではない。大地の傷口をいやそうとしているだけ。そのことに気づき、王蟲と道を共にしようとするナウシカ。でもたぶん、また、王蟲に守られる。

  • 罪を犯した人間を糾弾するとき、「なら、お前は1度も罪を犯したことがないのか」と指摘されるというジレンマを指摘している。
    前巻から考えて、果たしてクシャナはボーダーフリーになれるのか、それとも固執するのかが気になる。
    この戦争はどちらかの国が勝ってどちらかが敗れるというゼロサムゲームを飛び越えて、もはや違う次元に移ったことを誰しもが気づく。セオリーからすれば、「気づいたときにはもう手遅れなのだ」という神話に収束するのだと思うのだけれど。

  • やっとわかってきた。
    不死やらシャボン玉バリヤーやら、人造人間やら、理解不能な世界観が一番でてきたように思う。
    あとは収斂にむかって、それぞれどうするのかってかんじ。
    茨の道のクシャナと風の谷のナウシカのコントラスト。

  • オリジナル版で大きく広がってしまった混乱と、との解決の糸口が見え始める一冊。

    映画では、いまいちメインメッセージをキャッチできなかった人も、
    ここまで細かく描写して伝えられると、
    この作品に込められた思いを感じ取れると思う。

    せめてここまでは、
    映画版しか知らない、ナウシカファンに読んでもらいたいなぁ。

著者プロフィール

アニメーション映画監督。1941年東京都生まれ。学習院大学政治経済学部卒業後、東映動画(現・東映アニメーション)入社。「ルパン三世 カリオストロの城」(1979)で劇場作品を初監督。1984年には「風の谷のナウシカ」を発表。1985年にスタジオジブリの設立に参加。「天空の城ラピュタ」(1986)、「となりのトトロ」(1988)、「魔女の宅急便」(1989)、「紅の豚」(1992)、「もののけ姫」(1997)、「千と千尋の神隠し」(2001)、「ハウルの動く城」(2004)、「崖の上のポニョ」(2008)、「風立ちぬ」(2013)を監督。現在は新作長編「君たちはどう生きるか」を制作中。著書に『シュナの旅』『出発点』『虫眼とアニ眼』(養老孟司氏との対談集)(以上、徳間書店)、『折り返し点』『トトロの住む家増補改訂版』『本へのとびら』(以上、岩波書店)『半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義』(文春ジブリ文庫)などがある。

「2021年 『小説 となりのトトロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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