白鳥異伝 上 (トクマ・ノベルズ Edge)

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198506834

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ一作目『空色勾玉』同様、日本神話をモチーフとして、大変良く練られた作品で読みごたえがあります。

    ただ、この作者の女主人公の描き方がどうしてもしっくり来ないため☆4つ。私は少女向け小説の女主人公に、現実世界におけるステレオタイプの「女」を越えた像を期待していたため、「女」を強く意識し次第に枠組みに嵌っていく構図を取る主人公への違和感から作品に没入できなかった。あくまで筆者の好みの問題ですが(少女小説に求めるものが間違っている気は薄々…)

    ↑かっこいい女主人公が好き、という方なら『十二国記』『守り人シリーズ』を強くお勧めします。恋愛模様が見たいなら、『勾玉シリーズ』は十分に応えてくれる良質な作品だと思います。

  • 再読。
    一番長かったのに、一番記憶の印象薄かったのはなぜだろう。。

    菅流という強烈キャラクターを全く覚えていなかった。。
    不思議。

    1作目よりも更に登場人物達が生き生きと描かれている。
    (結構長い旅しているのだが、湯あみ関係がかかれないのはそちらもファンタジー??女の子たちはいつでもいい匂いなんだろうか。。)

    1作同様、スイスイ読めるのは年の功だろうか。。

    こちらも、明姫サイドとか、帝とか、周りの人が気になる。。

  • 勾玉3部作で一番長く、一番好きな作品。
    一途で真っ直ぐな遠子と運命に翻弄される小倶那、軽妙だが優しい菅流。魅力溢れるキャラクターと神話を下敷きにしたストーリー。最近古事記に関する本を読んだばかりで、設定のベースとなっている神話がわかるので、さらに楽しめる。

  • 勾玉三部作、二作目。小学生のころに出会ってから、何十回と読み返してきたお気に入りの小説です。上下巻で完結しているので、シリーズの前後の繋がりを気にせず楽しめます。古事記に登場するヤマトタケルがモチーフの和風ファンタジーなのですが、もちろん、元のお話を知らなくっても大丈夫。

    本作の主人公は二人います。
    一人は幼子の時に川を流れてきた血縁知らず、弱虫で泣き虫な小倶那。
    もう一人は里長の娘で、男勝りでじゃじゃ馬なヒロインの遠子。
    二人は同じ家で双子のように育ちますが、ある日、大きな転機と初めての別れを迎えます。「また会おう」と約束を交わし、それを果たそうと奮闘する物語……なのですが、果たすまでの紆余曲折たるや。波乱万丈です。

    小倶那には己の生まれにまつわる苦難が降り注ぎ、遠子は秘宝を探し求める大冒険へ出ることになります。
    彼らだけでなく、出会う人々にもそれぞれのドラマがあり、中でも切ない恋愛模様には何度も涙しました。
    そして、譲れない思いを胸に、様々な戦いに挑む姿が本当にかっこいいのです。

    小倶那と遠子は再び会えるのか。会えたとして、月日とともに変わりすぎてしまった二人は昔のような関係に戻れるのか。結末を知っていても、多彩なストーリーにいつも心を動かされます。読み返すたび、下巻まで一気に駆け抜けてしまう作品です。

    図書館スタッフ(学園前):けんじ

    ----------
    帝塚山大学図書館OPAC
    http://lib.tezukayama-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&category-book=1&category-mgz=1&materialid=2110005968

  • 再読。
    そうそう、菅流が大好きだったのを思い出しました。昔から好みのタイプ変わってないね。
    1ページ目を読んで、ああ遠子を好きになれない、と悟ってしまいました。なんでかね。荻原さんの話は好きなのに、ヒロインがどーにも…全員こんな感じですよね?なんで嫌なんだろう。

    大碓皇子、もうちょい小倶那の話聞いてやれば良かったのになあ。

  • 運命に翻弄されつつも、立ち向かう主人公達。先が先が気になる上巻。

  • 勾玉3部作のなかで、白鳥異伝が一番好きです。

  • 双子のように育った遠子と小倶那。だが小倶那は<大蛇の剣>の主となり、勾玉を守る遠子の郷を焼き滅ぼしてしまう。「小倶那はタケルじゃ。忌むべきものじゃ。剣が発動するかぎり、豊葦原のさだめはゆがみ続ける…」大巫女の託宣に、遠子がかためた決意とは…?ヤマトタケル伝説を下敷きに織りあげられた、壮大なファンタジーが幕を開ける!(表紙裏より)

    『空色勾玉』に続く、“勾玉三部作”の二作目です。とはいえ、前作を読んでいなくても普通に読めます(上巻を読んだ限りなので、最後までそれでOKかはわかりませんが)。

    主人公は水の乙女の末裔である橘の娘、遠子。自由奔放で良くも悪くも一本気な彼女を中心に物語が動き出していきます。上巻はまだまだプロローグという感じです。遠い異国の地で、キーマンとなりそうな男・菅流と出会い、物語はどのような方向に向かっていくのか、下巻が楽しみです。

  • 萩原規子さんの勾玉三部作、第二弾。
    第一弾からさらに時代を下り、幼馴染の遠子と小倶那が織り成す壮大なファンタジー。
    この作品は、遠子が西の善き魔女のフィリエルを思わせる逞しくて眩しい少女で、恋愛要素もしっかり織り込まれ、「これこれ、萩原さんの作品は!」と思えるものだった。空色勾玉はまだ処女作だったから、女の子のキャラがたってなかったのかなあ、とそんなことを思いつつ、第三弾を楽しみに待っております(笑)

  • 勾玉三部作の第二話。
    第一話に比べて、展開が厳しい。

    神話を元に創作したお話らしいが、
    神話の時代を描写するには、
    これくらいでないと駄目なんだろうなと感じました。

    分かり易い絵と、語りの多いわかりやすい文章で、難しい神話を平易に理解することができるかもしれません。

  • ヤマトタケル伝説を下敷きにした古代ファンタジー小説

    「空色勾玉」に続く第2弾ですが、上巻はまだまだプロローグに過ぎない感じです。
    後半から一気に急展開して、面白くなってきましたので、下巻を早く読み終わりたいと思います。

  • 勾玉三部作二つ目。ヤマトタケル伝説が下敷き。
    幼馴染設定で一番萌えた作品。個人的には菅流が一番好きです。
    児童書だけど侮れない。
    上下巻。

  • 2011/12

  • 勾玉三部作の2作目の前半。
    他の人たち、レビューに後半の感想も書いちゃイヤ~(涙)

    前作の空色勾玉の時代から数百年後くらい?
    主人公が育った地、三野は、岐阜の美濃のことかなぁ。

    さ、さ、あれこれ見たりせずに、後半へGO!

  • これは面白い!!  少々、少女マンガチックなところが気にならないではないけれど(この本の挿絵が・・・・ということではなく、筋運びが・・・・です)、ファンタジーと言えば英国物という先入観にも近いものを持っている KiKi にとっては「よくぞ日本神話をベースにこんな作品を書いていただきました!!」という想いを抱かせるに十分な面白さです。  そして何よりも嬉しいのがさすが国文学を学んだ方が書いた日本神話ベースの物語であるだけに、美しい古代の日本語を彷彿とさせる名詞の数々に出会えることです。

    上記の引用文に含まれる国名しかり、巫女やヒロインの名前しかり・・・・。  現代の私たちにも決して馴染みがないわけではない「音」に当てられる文字が物珍しくもあり、想像力をかきたてられもし、石とコンクリートの文化がすっかり定着したこの国のもともとの姿に想いを馳せることができるように感じます。  それが「ストーリーの追いかけにくさ」と表裏一体になっているのが日本神話の残念なところなんですけどね~(笑)

    (全文はブログにて)

  • 2011年8月27日読了

    空色勾玉より数百年の後の話…になるのかな?
    結局は大蛇の剣は厄介な物なんだなーという印象。小倶那ってつまりは稚羽矢と同じ存在と見ていいんだろうか…?気になる。

    空色勾玉とは違い、遠子と小倶那の関係が細かく序盤に描かれているのが良かった。この2人の描写が、運命に翻弄される2人の基盤になっていくのだと思う。
    2人の再会はかなり先の模様なので、それまでの間に2人がさらに同成長していくのかが見もの。

    大碓皇子と明姫の関係はすごくよくわかるんだけど、なんかちょっとわがままっぽくて嫌。2人の情熱って言うのが妙に平行線な気がして、イマイチ応援しようという気にならないのはなぜだろう。
    結局は大碓皇子も小倶那にとって大王と同じ存在だったのかと思うと残念でならない。彼なら少しくらいは小倶那のことを分かってくれると思ってたのに。怒りは最もだけど、話を聞くぐらいしてくれると思ってた。
    で、大碓皇子の死を悟った明姫の行動を見る限り、この2人が気に入らなかった理由がなんとなくわかった。明姫は悟りすぎてるんだな…結局は巫女としての自分も捨て切れてないっぽい。

    とにかく小倶那の話が周りに一切受け入れられないのが辛かった。
    小倶那を尊重するくせに、大碓皇子・百襲姫・大王…誰も小倶那の意見を聞かず、ただひたすら小倶那に自分の意見を押し付けているだけで。嫌と言ってもきいてもらえない、もしくは論破されちゃうのもな……すごく可哀想だ。
    それに比べて遠子は、諭されても自力で切り開いていく子なので何も心配いらな過ぎて…(笑)

    上巻は主に小倶那の成長の物語だったので、下巻は遠子の旅路の物語になるのかな。

  • 「空色勾玉」から何百年か経った後かな?
    前半部分が特に好き。
    遠子と小倶那が子供らしくはしゃぐ様子がいきいきと伝わってきて、なごむ。
    特にほっぺを膨らませた遠子を持て余す小倶那という光景が凄く可愛い。
    明姉さまは強いとは思うけど共感はできないなぁ……。
    妹である象子のが好き。今でいうツンデレだ

  • イケメンの行く末が気になる。

  • 勾玉三部作の二作目
    ヤマトタケル神話ベースの和ファンタジー


    一作目での輝と闇の設定も生きていて繋げて読むととても面白いです。
    こちらも主人公の女の子とその幼なじみの男の子との関係が軸になっているので女の子向けだと思います。


    主人公の女の子と幼なじみの男の子
    と割とよく見かける設定ではありますが、そこからの話の進め方が素敵です。

    上・下巻と長いのですが、魅力的な仲間やいろいろな出来事が起こり全然長くは感じなかったです。
    上記の他の軸としては、各地にちらばった勾玉を集める、という事があるのですが、このことで日本各地をまわるため、古代日本の様々な地域が描写されていて面白かったです。

  • 三部作の中で一番好き。遠子の一途な思いにやられました。

  • 【上下巻】ひとりの手には「輝」の剣、ひとりの手には「闇」の勾玉、神代の力を手にしたときに 世界の果てに離れてしまった――+++「きみだと思った。確かめたくて―。会いたかった。それがきみのためにはならないとは考えたけれど、どうしても会いたかったんだ。」
    どこまでも不幸な宿業を負う小倶那。見てられませんでした。唯一前半の七掬との修業時代は見てて澄んだ気持ちになれます。小倶那の笑顔の描写が奇麗で透明で、大好きです。そして一途に小倶那を想う遠子が…っ。そしてあの、船の上のシーン。個人的にも古事記を読んでて好きだったシーンなので、ハラハラドキドキトキメキは最高潮でした。小倶那への想いを自覚した遠子が、一気にそれまでの勢いを失ってしまうんです。すごく胸が痛くなりました。そして菅流がほんとうにいい味だしてるんですよねっ!!(ぐっ)小倶那さんおされぎみ…だけど夜の皇子っぷりはすごい(笑)

  • ヤマタトケル伝説をベースにした古代和物ファンタジーシリーズの第二部。
    このシリーズ全体に言えることですが、
    戦乱を描くにしてはさらっと厭味無く読める血臭さの薄さは
    本作も生きているので重くならず、
    少年少女向けのファンタジー作品としては優秀。

    かと言って、児童向けで深みが無いのかといえばそうでもなく、
    良い意味での「幼さ」残る登場人物の葛藤等はワクワクします。
    重くなり過ぎない雰囲気にまたピッタリなのが登場人物たちの人間模様。

    人間模様、というよりも"淡い初恋"級の
    恋愛未満な描写がむずむず良い感じです。
    荻原さんの描く恋を恋とすらなかなか気付けないレベルの男女関係は
    いつもほっこりした気持ちになります。

    "一番に愛している人と一番に憎い人が同一人物"…
    作中にも近い表現が出てきますが、シチュエーション勝ち。
    されど、勝利は勝利、ずるいベタさだなぁとしみじみ思います。
    乙女読みスキルを向上させてくれる
    特に女性におすすめする本です。

  • 象子がかわいい。

  • 勾玉三部作の2作目の上巻。

    表紙カバーのあらすじは以下。
    <双子のように育った遠子と小倶那。だが小倶那は〈大蛇の剣〉の主となり、勾玉を守る遠子の郷を焼き滅ぼしてしまう。「小倶那はタケルじゃ。忌むべきものじゃ。剣が発動する限り、豊葦原のさだめはゆがみ続ける…」大巫女の託宣に、遠子がかためた決意とは…?
    ヤマトタケル伝説を下敷きに織りあげられた、壮大なファンタジーが幕を開ける!>

    三部作1作目の『空色勾玉』の、はるか後の物語になってますね。たまにその経緯が書かれます。本書だけ単独で読んでも楽しめるとは思いますが、1作目を読んでいればちょっとうれしくなりますヨ。

    うーん、いいですね。1行目からもう、遠子のお茶目さに微笑ましくなり、そのまますーーーっとストーリーに引き込まれます。わたしはとくに、これの前に島本理生の『あられもない祈り』を読んで気が滅入っていたので、この遠子の純粋さ、まっすぐさがすっごく気持ちよくて、「そうそう、小説読むならこういうんじゃないと!」って思った。

    1作目同様、勾玉だの伝説だの、ちょっととっつきにくそうに思えるかもしれませんが、全然そんなことはありません。普通の人として、遠子や小倶那たちに共感しながら読めます。あれよあれよという間に血なまぐさい戦いに巻き込まれていったりもして、もうびっくりな展開に目が離せません。

    上巻は、玉造り村の菅流と出会い、遠子が勾玉探しの旅に出ようとするところまで。この菅流がまた、いいキャラしてますね~。先が気になって、読了後すぐ下巻を手に取らずにいられませんでした。

  • 荻原さんの書く女の子はとてもよい…。
    しかしカテゴリが児童文学だし(・ε・)といって油断してると、命がいくつあっても足りませんね!まさに息つかせぬ展開で、いっきに読み終えました。

  • おもしろかったー!
    勝ち気な女の子とほどよく(?)頼りない男の子、という組み合わせは巷にあふれんばかりにすっかり定番となった設定ですが、小倶那と遠子はそこから考えていたありきたりな幼なじみとは全く違いました。
    小倶那もいいですが遠子が素晴らしいです。もうめちゃくちゃですよー(笑)。
    思いこみ激しくて気が強くて野放図で単純でがさつなことこの上ないお姫様。遠子はオチとしても役立つ(^_^; 本当にいい子です。
    子供の論拠を振り翳してひたすら突き進むのみ。「押してダメならもっかい押してやれ」と言わんばかりの遠子姫。あまりこういうタイプって好きになれなかったりするのですが、やることなすこと子供ですけどなんだか憎めません。
    話自体もとてもよいです。稚羽矢と狭也の子孫がこうなるのか、と感慨深かったり。

  • 「勾玉三部作」の第二弾。
    大好きな人のためにどこまでも駆けていく遠子が好きです。
    <上・下巻>

  • 上下巻とも持ってる。

  • 勾玉三部作第二作。ヤマトタケル伝説を下敷きにしてます。

  • 勾玉三部作の第二作目。ヤマトタケル神話がベース。
    『空色勾玉』から続いた、後世の古代が舞台。厚めの上下巻だが、長さを感じさせない面白さでした。
    強気な少女・遠子とおとなしく穏やかな少年・小倶那の二人が主人公。厳しい運命に翻弄されそうになりながらも互いを強く想う姿がいいです。準主人公や脇役たちも魅力的。このシリーズは、和製ファンタジーとして素晴らしいと思います。

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著者プロフィール

荻原規子・東京生まれ。早稲田大学卒。『空色勾玉』でデビュー。以来、ファンタジー作家として活躍。2006年『風神秘抄』(徳間書店)で小学館児童出版文化賞、産経児童出版文化賞(JR賞)、日本児童文学者協会賞を受賞。著作に「西の良き魔女」シリーズ、「RDGレッドデータガール」シリーズ(KADOKAWA)『あまねく神竜住まう国』(徳間書店)「荻原規子の源氏物語」完訳シリーズ(理論社)、他多数。

「2021年 『エチュード春一番 第三曲 幻想組曲 [狼]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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