- Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198507343
感想・レビュー・書評
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指名手配犯の写真を記憶し、街頭などで当人を見つけ出すという特殊な捜査方『見当たり捜査』。フリーライターの『夏目潤子』はその取材の為、専従捜査官の中でも天才的な記憶力と識別能力をもつことで有名な『稲垣』に密着取材をしていた。だがある日、彼は今まで一度も外したことがない『アタリ』を外した。何があったのか?潤子は非番の稲垣を尾行する。
常に五百人もの顔写真を記憶し、街頭でいるかどうかも分からない人物を求め人の顔を確認する。非常に特殊技能と忍耐力の必要な見当たり捜査。人の顔を覚えるのが苦手な私には、ただただ感心するほかはない。
齢をとっても、たとえ整形していようとも、人の顔の本質は変わらないと言う捜査官の言葉が印象的だった。
謎を追う経過と、犯人を捕まえる緊張感が少し物足りなかったのが残念。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
見当たり捜査──指名手配犯の写真を記憶し、街頭などで当該人物を
見つけ出すという特殊な捜査法。非科学的だが検挙率は非常に高い。
来年創設されるノンフィクション大賞に応募するため、フリーライター・夏
目潤子はその取材にあたっていた・・・。
久々の海月作品。デビューする前から知ってる人だから、どうしても
「あの人が書いてる」という意識が先立って素直に作品に入りこめない
ので、数冊読んでからはずっと海月さんの本からは遠ざかっていた。
今回、ネットで書評を読んで「もしかしたら面白いと思えるかも?」と
再チャレンジ。
で、感想だが、面白くないことはないし、ものすごく取材もしたんだろうな
って思うんだけど、申し訳ないけど「三流」だった。
ネタは良いし、ストーリーの展開も良いと思うのだけど・・。
読んで「一流」だと思える作家と「三流」と感じてしまう作家は、どこが
違うのだろう。同じ食材を使っても出来上がる料理の味が違うように、
調理の仕方がやっぱり違うのだろうか。
人間の愚かさとか悲しさと・・そういうものを描ききれる人が「一流」なん
だと思うんだけど。せっかく作家になったのだから、もう少し深みのある
作品を書く人になってほしい。