ハイスクール・オーラバスター・リファインド 天の聖痕 the rebellion (トクマノベルズ)

著者 :
  • 徳間書店
3.65
  • (17)
  • (23)
  • (31)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 212
感想 : 32
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198508890

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 久し振りのオーラバの新刊で、非常に嬉しい。
    とても待ち望んでいた。
    オーラバは私が初めて出会った若木先生の作品で、とても大事にしているもののひとつだ。

    子供だった私には、敵役に魅力があることが新鮮だった。
    ただの善悪ではなくて、どちらも悪くなくて
    一生懸命生きているだけで、それなのにうまくいかない。
    そういったことがあるのだ、ということを知ったのもこの頃だ。

    四劫という言葉は初めて知った。
    月みたいだな、とふと思った。この世の理は、やはり根はひとつなのかもしれない。
    無は終わりでなく始まり。
    そう悟れるまでには、時間やいろいろなものが必要なのだろうけれど。

    今までのシリーズの中で、私的十九郎の名台詞の中のひとつが
    「大丈夫だよ」
    である。
    大丈夫だと言わない十九郎に違和感。
    知らず知らずの内にその言葉を望み、そう言わせることを読者の自分までも押しつけてきたのか、と思った。

    力なんてなくなってせいせいする、と言うには忍様に近過ぎるし
    道の者として生きるには本家からは異端児過ぎる。
    そんな彼に比して、
    「忍の判断ミスだ」
    と言える希沙良は、やはり特異で貴重なのだと思う。
    「なぜ?」と問い、「神ではない、押しつけちゃいけない」
    と思う亮介ともまた違う優しさだ。
    ”外”にいるからこそ出来ることや、わかることがある。
    十九郎や諒に出来ないことが、希沙良や亮介には出来る。

    「すぐに自己責任って言葉を使うのは危ない」と亮介の言葉ははっとした。
    「幻滅しても見直させろ。どうせ一生のつきあいなんだから一度きりの合否判定じゃない」
    というのも、さらりと言っているがすごい台詞だ。強いし、信じている。
    それに対して、一生を信じられるようになった諒に心温まった。
    どんどんそうやって、変わって行ければ良いのだと思う。

    一番強いのは、やはり亜衣ちゃんだと思う。
    共に戦う力が無く、事情は知っているのに出だし出来ず、待つことしか出来ない。
    とても自分には耐えられそうにない。

    久し振りの新刊は嬉しいけれど、この一冊で皓との決着がつくわけもなく
    早く終わらせて欲しい様な、終わらせて欲しくないような、複雑な気持ち。
    十九郎には、最後には心から笑って欲しいと思う。
    希沙良のためにも、十九郎自身の為にも。

  • 2012年3月1日読了。
    あああ痛みが古くならないよ、そのままだよ・・・。

  • 購入してすぐ読んで一端放置(笑)
    そうしたら1年以上も経っていました。
    前作「オメガの空葬」以来何年ぶりですか?
    いやもう本当に続きはあきらめていたので続きを読める不思議をひしと感じています。
    里見十九郎が自身の大切なものを全て切り捨て、その命をも賭して願い求めるものは何なのか・・・。
    若木さんの「あとがき」では次巻であきらかになるようです。
    後には斎伽忍の物語もあるようですが、十九郎の物語の決着を、この空白の何年かを、このために心の隅に「ハイスクールオーラバスター」をとっておいたようなものなので楽しみです。

  • まず、中学の頃から読んでたオーラバシリーズ。
    再開してくれて本当に嬉しい。

    ・総評としては、オーラバ最終章のスタート前編としてはじまってくれたのが嬉しいやら、寂しいやら。
    能力を失った十九朗がどう成長を遂げるのか、希沙良とちゃんと幸せになれるのか。相変わらず読んでて胸が痛くなるけども、きちんと終わりに向かってくれたのは嬉しい。

    細かいところでは・・・
    ・十九朗が意固地になってる様でイライラします。あげくの果ての210ページ。お前、いい加減にしろよ、と。(笑)(愛をこめて)
    ・神さま、人間臭い面がすこしずつ描写されてきたのは、インテグラルのいい影響かな?と。
    ・諒と亮介の「どうせ、一生」。この二人はいい方向に行ってるなー。
    ・諒と十九朗の直接対決?!ってとこで続きがハラハラ。
    ・十九朗が危なっかしいかんじ万歳ですが、ジョーアツがいてくれてなんか安心。後編でどう関わるのか期待。
    ・修学旅行、行ってほしかったなー。

    その他
    ・オビに特別冊子の申し込みがついてて、即応募。
    こちらも楽しみです。
    ・挿絵・・・変わっちゃったかー泣と、表紙のカラーを見たときはちょっとがっかりしたけれど、白黒の挿絵ではそんなに雰囲気が壊れてないので良かった。


    以上、個人的な感想です。
    はやく続きが読みたい。

    ちなみに、

  • 久しぶりの新刊。
    なんだか危惧していた方向に話が進んでいる気が…特に十九郎の選択が。
    もっとも、彼は平気で嘘をつける人だから、内心はどうだかわかりませんね。持っていた力を失うことは、視力を失うとか、片手を失うようなものなのかもしれないけど、なんのためにその力が必要なのかと考えれば、寝返りはありえない。そんなことすらわからなくなる人ではないと思うんですよね。
    希沙良との関係も、こんな緊張状態になってましたっけ…何しろ前の話を忘れているので、なんとも言えませんが、もう少し落ち着いていたような印象がありました。
    それも含めて、十九郎にとっての転機なのかな、と思います。

    亮介は、この人どこまで行っちゃうんだろう、というぐらい、能力に磨きがかかってきましたね。彼の場合、能力だけでなく、自身もどこかに行ってしまいそうな紙一重の危うさが漂うんですけど、亜衣ちゃんがそれをしっかり引き戻してくれる感じ。
    諒と冴子ちゃんも早くそうなればいいのにと思います。
    天については、あーやっぱりそういう風になるのか、と。まあ、ある意味、典型なので目新しさには欠けますね。術力の暴走、というのは怖いですが、それが本能で語られるのがまたこわい。
    次巻は解決になるのかな。なるべく早くお願いしたいです。…たぶん無理だけど。

    ところでイラスト…うん、前変わった時点でもう期待はしてないんだけど…もう少し力入れてくれてもいいんじゃ…。キャラデザの問題だけじゃなくて(それも多大にありますが)、手抜きっぷりが半端ない。前回もかなり、うわーって思ったけど、まだ亮介と亜衣ちゃんは可愛かったのに…。
    もういっそイラストなしでいってくれてもいいです。

  • 新刊『白月の挽歌』発売に伴い再読。
    したはいいが、前作『オメガの空葬』から続いてた物語だった……。
    さすがにそこまで遡る気にはなれないけど、オメガ~も11年も前の刊行だから、ほとんど記憶にないよ。
    次作はもう少し早く出てくれるといいけど、と思うけど多分無理だろうな。

  • 修学旅行に出掛けた亮介たちを乗せた新幹線が消えた。術力を失った十九郎の心と動きが理解出来ず、さらに彼らと連絡が取れなくなったことに危機感を覚える希沙良。
    一方で、新幹線の中では妖の者たちが好むサイドへ引き寄せられないよう、諒が必死で自分の心と戦っていた。
    この危機を乗り越えるためには、自分の中和能力を最大限に行使しなければならないと判断した亮介の元に、忍が現れ……。

    2014年9月5日読了。
    未完のままになってしまうと思っていた“ハイスクール・オーラバスター”シリーズの続編が発売されていました。
    読み始めてみて、本当にピンチのところで中断されていたんだなぁと改めて実感。
    しかも、まだまだピンチのど真ん中で、また中断している模様だし。。。
    どうやら、続きは作者の若木氏の体調と精神力次第の様子。
    ファンとしてはやはり終焉を見届けたいので、無理はせずに、でも、最後まで書ききってほしいと思います。

  • なんというか、私は希沙良が結構好きなので、「十九郎てめえええええ」な気分でした。なにしてくれてんだこのやろう。

  • な、なんとハイスルクールオーラバスターの最新刊。7年ぶり。
    ついに能力を失うことになった十九郎。途端にキサラにも冷たくなりー
    一方、天が閉ざされたことで斎伽の血が暴走し始め、人が消えてしまうらしい。十九郎の心の中がわからず、やきもきする。
    ティーンの頃に読むのがベスト。
    著者は未完の女王、と呼ばれているらしい。次は何年後だろう。

  • ハイスクールオーラバスター最新作。
    何年ぶり?という新作で遅筆極まれりといった感じですが、途中で投げ出したり適当なラストを書いたりされるよりはまだマシかなと思います。

    今回は前回に引き続き里見十九郎編。
    希沙良がどんどん可哀想になることはもはや予定調和ですが、それにしても十九郎の壊れっぷりは痛い。
    次回完結編でちょっとは救われることを願います。

全32件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1968年生まれ。早稲田大学文学部中退。89年、大学在学中に第13回コバルト・ノベル大賞佳作入選。同年のデビュー作、『天使はうまく踊れない』に始まる《ハイスクール・オーラバスター》シリーズは、昨2021年、完結した。同シリーズを筆頭に、《イズミ幻戦記》、《グラスハート》など、多くの人気作を持つ。近作に、『われ清盛にあらず』『ハイスクール・オーラバスター・リファインド 最果てに訣す』、『ゼロワン』、『永劫回帰ステルス』などがある。

「2022年 『戦をせんとや生まれけむ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

若木未生の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
冲方 丁
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×