弄月記

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  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198607524

感想・レビュー・書評

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  • どれも妖しくてどこか寂しい物語の短編集。
    この作者は長編よりも短編の方が好きなので堪能いたしました。

    端役の歌舞伎役者の出てくる物語がいくつか収録されているのだけれどどれも切なくて美しい悲哀の濃い霧の中にいるような感覚。
    読んでいるうちに狂おしい何かに囚われる感覚が好きです。

  • 赤江瀑、初体験である。
    艶がある、と言えばよいのだろうか。目を閉じると情景が浮かんでくるような、文章に色や温度や手触りが感じられるような、そんな書き手だ。浮かんでくるのは情景だけではない。そこに籠められた人の情念が、ゆらりと立ち上る。
    この雰囲気に身をまかせたい、と感じさせる。 (2002-12-30)

    [弄月記] 遺言を果たしに妻の故郷を訪れた老画家。その廃村で出会った一人の男。人生の終幕と静かに山に照る月。人を狂わせる強い想いがある。
    [しびれ姫] 人前に次々と晒される血染めの小袖。江戸の歌舞伎の世界を背景に、一人の男の情念が描きだされる。謎解きめいた展開で読みやすい一作。

    収録作品 [弄月記] [恋川恋草恋衣] [秘夜長夜] [狐の鼓] [しびれ姫] [徒しが原] [魔] [シロップの池の魚] [坂] [帰舟戯夜] [寵童] [蘭灯の招き]

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著者プロフィール

1933年下関生。日本大学芸術学部中退。70年「ニジンスキーの手」で小説現代新人賞を受賞しデビュー。74年『オイディプスの刃』で角川小説賞、84年『海峡』『八雲が殺した』で泉鏡花文学賞。2012年没。

「2019年 『オイディプスの刃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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