ルー=ガルー ― 忌避すべき狼

著者 :
  • 徳間書店
3.49
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本棚登録 : 2027
感想 : 238
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  • Amazon.co.jp ・本 (760ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198613648

作品紹介・あらすじ

21世紀半ば。清潔で無機的な都市。仮想的な均一化した世界で、14〜15歳の少女だけを狙った連続殺人事件が発生。リアルな"死"に少女たちは覚醒した。…闘いが始まった。読者からの応募による未来社会の設定を盛り込んだ画期的な双方向性インタラクティブ小説。

感想・レビュー・書評

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  • う~ん。
    京極堂さんに未来の話は向いていない。合わない。
    自分の土俵外で力を発揮しようとしてもがいているような、そんな印象ですね。

    • 傍らに珈琲を。さん
      そーなの!?

      で、wikiから戻って参りました。
      本当だ~公募による近未来設定だって!
      しかも漫画もアニメも制作されてるじゃないですか!
      ...
      そーなの!?

      で、wikiから戻って参りました。
      本当だ~公募による近未来設定だって!
      しかも漫画もアニメも制作されてるじゃないですか!
      知らないで良かった~。
      その情報を入手してたら手を出さなかったかもしれませんし、
      読んでも、土瓶さん同様の印象だったかもです。

      今聞いても、この作品が好きである気持ちは変わらないし、
      逆に今ここで知れて嬉しいかも♪
      タイミングとしてはバッチリです。
      好きな作品の情報が増えた!
      2023/08/15
    • 土瓶さん
      ポジティブでいいね( ´∀`)bグッ!
      ポジティブでいいね( ´∀`)bグッ!
      2023/08/15
    • 傍らに珈琲を。さん
      だってホントだも~ん♪
      ありがと(σゝω・)σ
      だってホントだも~ん♪
      ありがと(σゝω・)σ
      2023/08/15
  • 分厚いけど読みにくくはない。手にとってもらいたい作品。

  • 一番面白かったのは、近未来社会の設定。
    これは一般公募したもので作ったらしい。
    この作業は大変だけど楽しそうだ。

    話は2人の女性の場面が交互に描かれる。
    共通しているのはどちらも不潔を嫌う。と言うより、生き物の体温や臭いから切り離される生活に慣れすぎている。
    ただそれは、現代の私たちの延長線上にあるとも感じられるので、それほど違和感はない。
    私自身、幼少期には身近にあったそれらから離れていることに気づかされた。

    初め私は、しおりに主要な少女たちの名前と特徴を書いて、途中で確認しながら読んでいた。そうしないと見失いそうだったからだ。

    やがて無機質な世界だけにいた2人が、生き物を感じる機会を否応なしに持つ。

    するとどうだろう、登場人物みんなが急に生き生き動きだすではないか。

    別々に動いていた話も有機的に絡まり一気に収束に向かう。

    いったいどんな話だったんだろう。

    読み終えた直後なのに、決してつまらなかったわけでもないのに、すーっと失われていく不思議な感覚に襲われた。

  • この物語の主人公は14歳の少女たち。2030年代の都市。清潔で、無機的な徹底した管理社会だ。少女たちは、携帯端末を持ち、全ての行動は把握されている。世界はモニタの中だけに存在していた。希薄な現実感。ところが14~15歳の少女ばかり狙った連続殺人事件を契機に、少女たちが仮想の世界から飛び出す。巨大な敵との戦いのなかで、彼女たちが見出したのは……。
    (2001年)

  • <Loups-garous>
      
    イラスト/Masayuki Ogisu - cwc TOKYO.com
    ブックデザイン/祖父江慎+coz-fish
    奥付ロゴマークデザイン/京極夏彦

  • 止まらなかったー!
    さすがだよ!さすが京極夏彦さんだよー!
    「人を殺してはいけないのは法律があるから」をはじめ、これまでの京極夏彦の小説でたびたび取り上げてきた、「自分と他人」や「自己と社会」「自然と人工、野生、生きること」…。いろいろなことについて考えさせられた。

    近未来の話。学校はない。子供の人権とかプライバシとか、諸々を考えた結果、子供たちは家にいて基本的にネットワークでやり取りしたり授業をしたりする時代。週に一度のコミュニケーションの研修で顔を合わす以外は「リアルコンタクト」のない時代。少女を狙った連続殺人事件が起こる。

    以下ネタバレ含む

    前半は少女たちの名前や特性を捉えるのに苦労したけれど、徐々に盛り上がってきて、半分は読み止まらなくて一気読み。
    インターホンを押して保護してもらおう作戦が失敗した絶望感はやばい。
    少女たちが奮闘し始める姿は美しくて尊い。
    ラスボスは、醜い。未来の妖怪のようだ。

    結局、全て読み終えて、「人を殺してはいけないのは法律だから」「心情的な理由を挟むと殺していい人が出てきてしまう」が、みんなで巨悪をぶっつぶす際に、正当防衛として、人を殺してしまう少女たち、を責められない私、に気づかされて煩悶。

  • 2001年に書かれた、2030年頃?の物語。
    残念ながら、あと10年でこんな世界にはならないだろう。
    一番良いなあと思ったのは、「教育」という概念がなくなっていること。
    あと、組織の年寄りは下に回ること。
    嫌なのは、食事かな‥。生物食べたいもの。

    差別はないことにされているけれど、ある。
    世代的な分断は激しい。
    それはなくならないのな、と思った。

    大人でも男でもない少女を主人公にするのは、動物的にも社会的にも弱者だからなのかなあ。
    京極さんに聞いてみたい。何か理由があるはず。

  • 人間が家のなかだけでほぼ暮らせるようになった近未来。人は生物を殺さず、人工的に作られた合成食品を食べて生活し、学生は週に1度、コミュニケーションを学ぶために登校する。人々は端末を肌身離さず持ち歩き、自分の位置を俯瞰する。そんななか起こる連続殺人事件に巻き込まれた少女たちの戦いが始まる。
    今から15年以上前の本だが、まだもう少し先の未来のようだ。昔読んだときはそれほど面白いと思わなかったが、今回読んだら面白くて、レンガ本を一気読みしてしまった。昔読んだときは、逆に似たような設定が溢れていたからかもしれない。葉月はともかく、ネコ、アユミ、ミオのキャラクターがいい。特にミオは、天才でぶっとんでいて最強だが、一番真っ直ぐ素直で、ある意味割りきっているところが魅力的だった。ネコに名前を呼ばれて放心してしまうところも可愛い。続巻もすぐに読まなくては。登場人物が同じかは知らないが。

  • 近未来の人間同士の交流が希薄になっている世界で少女たちが自分たちの殻を破るようなお話なんだけど…。

    200ページ読んでやっと物語が動きだし、さらに100ページ読んで話が見えてきて、さらに150ページ読んで自分の感覚と物語のスピードがシンクロしてきて…。

    まどろっこしいわっ!
    京極モノにありがちな展開だけれども、超絶まどろっこしいわっ!!

    途中、なんとなく村上春樹ちっくな雰囲気だったし、ある意味よくある近未来少女モノだったし、これをブ厚い京極さんで読みたいとは別に思わなかったなぁ~。

  • イラスト / copy right2001 Masayuki Ogisu-cwo TOKYO.com
    ブックデザイン / 祖父江 慎+coz-fish
    奥付ロゴマークデザイン / 京極 夏彦

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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