ゼロになるからだ

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著者 : 覚和歌子
  • 徳間書店 (2002年4月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198615116

ゼロになるからだの感想・レビュー・書評

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  • 覚和歌子さんは『千と千尋の神隠し』の主題歌に詩をつけた方です。不思議な世界観に横溢した詩です。

  • 『いつも何度でも』の歌詞が今になって心に染みてくるようになった。だからこの本を手にとった。身体の芯が冷たい色に染まるのに温かい。そんな不思議な心持ちになった。魂の始まりと終わりは一緒なのかもしれない。その瞬間の生命の揺らぎを私たちは知らないのではなくて、思い出せないだけなのかもしれない・・・なんて思った。

  • そこらへんに転がってる生と死が交じり合う人の世の。
    この世とあの世の接点のような物語は、記述は詩の形式だけども、短編小説とも寓話とも言え、またそのどれでもない何かに変換された信号のよう。激しすぎない浅く明滅する光。迷わぬようにと確かに光る。こんな痛みで壊れてしまうおまえではないよ。背中のハッピーホルモンのツボを撫でる。
    人生の不思議を、たゆたうように、さもありなんと詠う。この人の感覚と双子みたいに持って行って、ゼロの身体を体感したい、死ぬまでに一度でいい。死ぬまで生きたいから。

  • 不思議な本です。詩なのか、物語なのか?さよならのときのゼロになるからだ、身体。結構ショッキングな内容ですが、読み終えたあと、意外とこころが安らいでいます。

  • 25の詩のような物語、物語のような詩で構成されています。ん?なんだろ?と読み進むうちに、この本の世界にだんだん引きずり込まれてしまいました。著者がこのような体裁をとったのは、声に出して読むことを意図されたような気がします。
    本書は、生きること、そして死んでいくことがテーマになっていますが、全体に達観したような空気が流れているように感じました。
    生きているといろんなことがあって、長く生きれば生きるほど、後悔ばかりが積み重なっていきます。ふと立ち止まり、振り返ってみては悔いることばかり。でも悔やんでみても仕方ないとわかっているなら、いっそ人生をあるがままに受け入れて、とにかく死ぬまで生きてみるしかないのかもしれません。死ぬことと同じように、誰にも避ることができないのが生きることなのですから。
    命は生まれたその瞬間から、死に向かって時を刻んでいます。いろいろあるけど、いつの日か〝ゼロになるからだ〟ですもんネ。もしかすると、そんな風に感じる心持が、この詩のような物語、物語のような詩に達観したような空気を感じたのかもしれません。でも、生きることは必ずしも真理を悟ることが目的ではないかもしれません。生きるってことは迷うこと。悔やみ続けることなのかもネ。
    巻末に掲載されている〝千と千尋の神隠し〟の主題歌の歌詞にも、文字にしてあらためて読んでみると、新たな発見がありました。


    べそかきアルルカンの詩的日常
    http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
    べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
    http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

  • 短いショートストーリーのような作り方。

    細部にまで行き届いた著者の目が見て、書いたような本。
    エッセイのようでもあり、詩のようでもあり。価値観が沿う人なら読み応えはあるのだろう。

  • 写真映画「ヤーチャイカ」を観て興味が出た。
    あんなに丁寧に人の顔を見るのは初めてってぐらい、食い入るようにして見た。
    写真による静止画であるのに、なんであんなに温度や匂いを感じられるんだろう。しんとした中にエネルギーが沸々していて、よかった。

    2013/10/19 ゆっくりと読了。
    最初の「鬼の素」で衝撃を受けた。
    なんというか、厳しい現実に対して優しい。
    それも柔らかい優しさではなくて。
    切りつけられるような優しさだ。うん、うまく言えない。

    「鬼の素」「雪解け」「ヤー チェイカ」「拝啓 陶芸家様」が特に好き。

  • 「ドモ アリガト」の村での暮らしが理想だなぁ~
    返却期限を過ぎてしまったので、一旦返却。
    ナカナカ深い本だ。

  • 高校生の頃の詩人の顔が頭の中から離れない。だから、言葉の一つ一つに肉声を、ややもすると聞いてしまう。物語を現実と取り違えそうになる。

    同じ高校の同じ文科系の部に所属していた、ということにはなるのだけれど、別の体育会系の部活を肩を壊して辞めてから入部した時、実質活動を終えていた3年生の彼女とはほとんど接点はなかった。それでもコンサートの後の打ち上げや、予餞会での弾き語りや、部の送別会での彼女の印象がとても濃く残っている。

    その時代にそれ程言葉を交わした訳でもないのに、詩集の中から不思議とどこかで聞いたような声がする。人の芯というのは変わらないものなのだなという当たり前のようなことが、改めて思われる。ああ自分もあの頃から、ひょっとして何も変わっていないのだろうな、そんな思いに絡め取られる。

    身体は魂の乗り物だと、昔高校の倫理・社会と呼ばれた教科で教わったけど、ゼロになるからだ、と呼ばれる身体とは頭の中で渦巻く何やかやをゼロにしたからだという意味だろう。魂が出て行ってしまうわけではないんだろう。そんなことを考える。

    インプットを一端全部止めて、身体の中をインプットされたものがすべて通り抜けてアウトプットとして出てしまうまで、じっくりと待つ。そうして、体の中に何も反応するものがないような状態でも、不思議と何かが自分の芯から湧いてくる。それが自分のイメージする、ゼロになるからだ。それはきっとずうっと変わらず自分の中にあり続けるものなんだろう。だから魂が出て行ってしまったわけではないんだろう、と思う。

    それは確かにずっとそこにあった筈。気付いていても気付かなくても。

    送別会の後、駅へ向かう道すがらに振り向いて手を振る姿が、自然と縦書きの言葉に重なる。しかし言葉の中に懐かしさを覚えているわけでは決してない。それでも聞こえるあの人の声が。変わらない何かをそこに感じている。

  • 『約束』が秀逸。楽しみです。

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