ロリータ℃の素敵な冒険

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198618810

感想・レビュー・書評

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  • 「マダラ」。いろいろな展開が予定されていたみたいなのに、「僕は天使の羽根を踏まない」で、「もうすでに終わってしまったマダラ」がかかれて、どうやら、他の物語はかかれなくなってしまいそうです。

    それと同じように、このお話も、「サイコ」の「終わったあとのサイコ」みたいな感じで、いつでも、終わってしまえる状態になったなぁというのが、この本の感想です。

    あぁ、この本にはなんかたりないと思っていたら、笹山さんが出てこないんですね。
    でも、笹山さんって、本質的に、犬彦と同じような役割の人間なんだなぁ。だから、2人でてくる必要はなかったのかも……。

    あれ?サクって、マダラのスペアの1人だったっけ?だとしたら、℃は、正しく麒麟のスペアだったのかも。

    そうすると、この物語自体も、「サイコ」ではなくて、「マダラ」の再話だったのかもしれない。

    いろいろな「情報」が意味もなく、わたしのまわりを浮遊して……その情報を再構築して、物語を作っていく。
    それが、大塚英志の本当に意図したところなのかも…。

  • 漫画と小説の「西園伸二の憂鬱」しか読んでいないせいでしょうか、分からないところも多々あったり…
    でも伸二が好きなので楽しく読みました。あと、白さんと麒麟と犬彦。
    登場人物のほとんどに共感出来なかったところが好きです。皆違って皆良い、というか。

    他の方のレビューを拝見して、大塚さんの他の著書も読みたいと思いました。そのあとまたこれを読みます。

  • 真上から太陽が照りつけて、殆ど人通りのない、崩壊した国の道路を、私は大好きな資本主義の象徴のような、プラダの新作のラバーソウルのブーツで歩いていく。この空気を一世紀前、ドストエフスキーも吸ったのだ。もしかしたらトルストイやチェーホフや、プーシキンも!あたしの名前はロリータ℃。ロリータの温度、という意味。文豪たちのいた都市にふさわしくあたしも物語を語り始めよう。あたしの知っていた、ある多重人格者の探偵をきどっていた男の物語を。

    あらすじ抜粋

  • 女の子の表現がとってもかわいいのです。

  • 麒麟健気。阿呆船の続編っぽい。

  •  ロリータ℃は、WOWOWで放送された「多重人格探偵サイコ」で、ネットの住人として描かれたキャラクターであるのだが、この作品ではちゃんとした肉体のあるキャラとして描かれている。WOWOWで放送されたものに関しては、後に原作本に「フェイク」の名前が追加され、アナザーストーリーという位置づけがなされた。基本はコミックということらしい。で、今回の作品の位置づけは…、もう一つのアナザーストーリーっぽい。原作(コミック)では、ロリータ℃は全く出てこないからねぇ。ドラマ版ではルーシーの歌(?)を唄っている存在として映像の中では、アニメキャラとしてだけ描かれ唄った歌はCDとしてもリリースされたはず。まあ、この辺はおいといて。

     80年代〜90年代への移行を強く主張しているような内容。80年代=麒麟、90年代=ロリータ℃という感じの対比で描かれている。麒麟の書く「変体少女文字」やら、「来歴否認」(前世の戦士募集ってやつ)とかは、80年代によく見かけた事象。90年代、バブルの崩壊を経てドラッグとネット社会、ヴァーチャルとリアルの境界の問題などをキャラに乗せて比較しているような内容。後半で語られる事件は、コピーキャットがキーワードとしてよく出てくる。宮部みゆきの「模倣犯」でも取り上げられた事象だけど、大塚英志はコピーのコピーのオリジナル性ということを主張している。アレンジャーをクリエイターとして確立しようという考えだと思うのだけどね。

     あとがきで、「iMACが改稿したかも」と言っていたが、それはネットのロリータ℃が書き足したのかもね?(笑)

  • 西園伸二とロリータ℃、そして伏姫麒麟に犬彦が出てくる。サイコで西園伸二が好きな人は読んでみるといい。賛否両論あるみたいだけど。私は好き。伏姫と西園伸二の関係にはちょっと泣けるけど。

  • うーん。なんか読んでいるときも特になにも思わなかったし、読み終わっても「読み終わったなー」としか思いませんでした。
    今の自分の周りの環境とかけ離れているので共感できるところもあまり無かったです。
    主人公の子に感情移入もできなかったし。

  • 麒麟再登場。サイコ小説編の続編て感じで、微妙にマダラとも続いてたり。大塚ワールド。
    あの人の頭んなかどうなってんだろ・・・

  • サイコの番外編的な。公彦の妹が主人公。

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著者プロフィール

大塚 英志(おおつか・えいじ):大塚英志(おおつか・えいじ):1958年生まれ。まんが原作者、批評家。神戸芸術工科大学教授、東京大学大学院情報学環特任教授、国際日本文化研究センター教授を歴任。まんが原作に『アンラッキーヤングメン』(KADOKAWA)他多数、評論に『「暮し」のファシズム』(筑摩選書)、『物語消費論』『「おたく」の精神史』(星海社新書)、他多数。

「2023年 『「14歳」少女の構造』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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