グリズリー

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著者 : 笹本稜平
  • 徳間書店 (2004年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198619169

グリズリーの感想・レビュー・書評

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  • 知床が舞台でグリズリーというタイトル。
    これは対ヒグマの物語だと思ってしまっても、しょうがないよねえ。

    これは、2004年に出版された本ですが、今こそ読まれるべき本だと思いました。

    革命家が殺される。
    刑事事件、公安事件の両面からの捜査。
    その中から浮かび上がってくる一人の男。グリズリー。

    優秀な自衛官だった彼が、爆弾や銃器の豊富な知識をもって仕掛けてきたことは、日本の政府とアメリカを震撼させる。

    言ってしまえばグリズリーはテロリストなのです。
    たった一人で世界を相手にする彼のやり口は、冷酷で容赦ありません。
    けれども読み進むうちに、彼の言い分にこそ理があるのではないかと思えてくるのです。

    金も人手も大量に所持していることで、リスクをリスクと考えることなくごり押しでことを進めるアメリカよりも、命を賭して理想の世界を実現しようとするグリズリーの方にこそ、理があるのではないかと。

    グリズリーの主張は、核の拡散です。
    一部の国だけが保有しているために、パワーのアンバランスが生じるのだから、すべての国に核に関する情報を公開すればよい。
    それが抑止力になるだろう、と。

    それは極論です。
    でも、その極論にすがるしかない人というのは、確かにいるのでしょう。
    グリズリーにも彼の人生の中でそう思うに至る出来事がありました。
    日本人が被ばくしたのは、2回の原爆投下だけではないのです。
    その被害者の方は小さくなって、身を隠して生きなければならない悲劇。矛盾。怒り。

    でもやっぱり、自分の信じる正義だけを押しつけることは間違っていると思うのです。
    誰もが間違います。
    人間だもの。
    間違いから学び、そしてまた間違う。
    遅々たる歩みでもしょうがないのです。
    最初は清潔で正しいことも、時間が経ち人が変わればきっと歪みが出るのです。
    それを是正できる体制を残しておくことが大事で、ひとつの正義の押し付けでは世の中はよくなれないと思うのです。

    “彼らの語る国益とは、一部の階層に属する人々の利権にすぎない。彼らにとって異文化とは、その国益を損ねる障害物以外のなにものでもない。”

    今のアメリカに対して、トランプ発言に対して、こう思っている人は世界中にたくさんいると思う。
    けれど、テロではなく、どうやってわかり合って行けばいいのか。

    考えなければならないことはたくさんあるけれど、読み応え十分で、一気に読んだ。

  • 二段組みで450ページもある。
    読み始めは悪くなかった。
    消費者金融に入って人質をとった男たち。SATの隊員が犯人のひとりを射殺する。その時生き残った一人は元自衛隊員折本だった。

    折本が世界を相手に戦いを挑む。そのあたりから説明文が続くようで「読むのを辞めようか」という思いがわく。折本がテロリストとなる動機が弱い。
    しかし100ページまで読んで来て、いまさら投げ出せないと読み進めた。
    退屈から解放されたのは最後の100ページあたり、雪の中の攻防戦は楽しめた。

  • 著者の山を題材にした本は好きだが、本作はテーマは壮大にも関わらず伝えたいことがボケていて特筆すべき感想なし。残念。

  • 知床半島などを舞台とした作品です。

  • 帯付き。

  • すごくよかったです
    続きが気になって読み進んだ

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グリズリーの作品紹介

元北海道警SAT狙撃班の城戸口は、今では斜里警察署の山岳救助隊員だ。ある日、知床連山最高峰の羅臼岳に登山をしていた城戸口は、中肉中背で顔じゅうに髭を生やし、縮れた長めの髪をバンダナでまとめている男と出遭った。髭や髪に白髪が混じっていないことから、さほど年配でもなさそうなその男は言った。「城戸口通彦。五年前は道警SATに所属していた。俺の心の友を射殺した男だ」薄ら笑いを浮かべるその顔にはたしかに見覚えがあった…。SAT狙撃班時代、札幌市の消費者金融に二人組の男が侵入した。そのうちのひとりは城戸口が射殺。そして、今ここにいるのが、生き残った元エリート自衛官・折本敬一だったのだ-。城戸口と折本ふたりの邂逅は、極限の知床で始まる壮絶な闘いの序章に過ぎなかった。

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