地下鉄に乗って 特別版

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198621919

感想・レビュー・書評

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  • うだつのあがらないサラリーマン、小沼真次の父は立志伝中の人、小沼佐吉。
    世間的には成功者だが、家庭内では横暴で家族を家族とも思わない父に嫌気がさし家を飛び出したままだった。
    中高一貫校の同窓会へ出席した帰り、元旧友たちの毒気にあてられた真次は不思議な体験をする。
    地下鉄のエアポケットのような場所からタイムスリップしたのだ。
    それは30年前、兄が自殺をする数時間前。
    その出来事を皮切りに、頻繁に時間を飛ぶようになり、飛んでゆく時代もどんどん遡ってゆく。
    そして真次はついに若いころの父に出会い・・・。

    浅田さん続きです。
    「地下鉄」は「メトロ」とルビがふってあります。いい響きですね、メトロ。

    はじめは「兄の自殺を食い止めることができるか」が焦点だと思っていましたが、それから「父と子の和解の物語」なんだ、と思いながら読みました。
    それらはいい意味で裏切られ、衝撃のラストへ。
    非常に驚きました。なんなんですか、これは。
    いまだに頭の中が混乱しています。

    戦前、戦中、戦後の描写がとても生き生きとしており、あの時代の日本人の生命力がとてもまぶしかったです。
    さすがの筆力に圧倒されました。

    残念だったのは地下鉄に全くなじみがないこと。
    せめて簡単な路線図でも載せておいてほしかったです。
    そしてああいう父になってしまう決定的な何かをもう少し描いてほしかったかな。
    だって昔の佐吉さんはとても魅力的だったんだもん。

    いやでも、さすが浅田さん、としか言いようのないしみじみとする人間ドラマ。
    よかったです。

  • 「結末がびっくりする本」という大手小町のトピで何人かの人が紹介していて、気になったので読みました。
    図書館から借りて。

    人物造形がすごく魅力的でした。
    特にやはりアムール、かな。
    世渡りがうまく、でも人当たりは不器用で。

    昭和の情景が見事なまでに生き生きと再現されていて、よかったです。

    まぁみち子は何て言うか・・・男性のいろんな意味での欲望の具現と言うか・・・うまく馴染めなかったけど。

    面白かったです。

  • 2006年9月 読了

    地下鉄の階段を降りると過去にタイムスリップする・・・

    途中まですごくおもしろかった、
    しかし最後が期待はずれでがっかりだった。

  • 初版本

  • 映画が面白かったので、更に詳しい描写を期待して手に取ったら、意外にノベライズっぽかったのでちょっと期待はずれ。
    もちろん普通の小説としては充分面白いのだけれど・・。
    先に読んでから映画ならよかった。

    【図書館・初読・7/11読了】

  • 偶然この小説が原作のミュージカルを見て感動したのがきっかけで読んでみた.

    結末を知ってしまっていただけに,感動は半減だったけど,名作には違いない.

    すごく切ないけど,ただのラブストーリーでもない.他の作品も読んでみたくなった.

  • じんわりとこみ上げてきますね

  • 偶然この小説が原作のミュージカルを見て感動したのがきっかけで読んでみた.

    結末を知ってしまっていただけに,感動は半減だったけど,名作には違いない.

    すごく切ないけど,ただのラブストーリーでもない.他の作品も読んでみたくなった.

  • 地下鉄は昔からいろんな想いを持ったたくさんの人を乗せてきたんだなぁと思った。タイムスリップして父親の若かりし日の姿を見て、父親に対する思いが変わっていく。父への思いが変わるのと同時に、未来も変わっていたのは、少し切なかった。

  • トチュー

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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