- Amazon.co.jp ・本 (37ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198626600
作品紹介・あらすじ
絵師ハン・ガンの描く馬は、あまりに生き生きしているため、絵から飛びだし、生きて動きだす、という噂があった。いくさが都にせまったとき、ひとりの武将がハン・ガンをたずねて、たのんだ。「わしのために、この世でいちばんすばらしい馬を描いてはくれないか?」と…。幼いころから絵の修業にはげみ、宮廷の絵師となった青年と、青年の絵から生まれて戦場を駆け、いくさの真実を目にした馬の、心ゆさぶる迫力の大型絵本。2005年度ドイツ児童図書賞受賞。
感想・レビュー・書評
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「はちみついろのうま」に続く、干支シリーズの二冊目。
いつからシリーズになったかと笑われそうだが、この一冊に出会って急遽決定したもの。
【ウェン王子とトラ】と同じ作者さんなので期待大で読み出したが、裏切られることはなくおおいに満足した。
本棚内の【ウェン王子とトラ】を並べ替え、隣に持ってくるので参考までにそちらもぜひ☆
話の主人公の『ハン・ガン』は、1200年以上前に中国に実在した画家さんらしい。
素晴らしい馬の絵を描いたその『ハン・ガン』に、作者さんがお話を創作し、絵の手法は『ハン・ガン』を真似て絹地に墨と絵の具で描いたという。
家具調度品は言うに及ばず、筆などの画材、衣装、背景となっている闇、そして何よりも馬。その濃淡の素晴らしさと繊細さを何度眺めても飽きない。
約8分。小学校の中学年くらいからかな。
この絵をしっかり見せて、お話も子どもたちに届くように読みたい。
『ハン・ガン』の描く馬の絵は、あまりに生き生きしているため、生きて絵から飛び出すという噂があるほど。
1人の武将がその噂を聞き、戦のためにこの世で一番、気性が激しく勇敢で力の強い馬を描いてくれと頼んで来る。
そして、何と馬は本当に絵から飛び出し戦に臨むことになる。。。
このお話の素晴らしいのはこの後で、はっとして、心の琴線に触れてくる場面が登場する。
そして一気にエンディングまでもって行かれるのだが、馬が涙する大きな絵は、圧倒的な存在感だ。
この哀しみに共感出来るには、それなりの年齢にならないと無理かもしれない。
小さなお子たちでも、馬が飛び出す場面では驚くかもしれないが、お話のねらいはそこではないからだ。
もちろん、大人の皆さんにもぜひお読みいただきたい。
さて、チェン・ジャンホンさんは次はどんな作品を見せてくれるのだろう。とても楽しみだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ハン・ガンは、絵が好きで、上手だった。特に馬の絵がいきいきとしてうまかった。ある日、武将に力強い馬を書いてほしいと頼まれた。武将は書いてもらった絵から馬を出てこさせて、乗って戦うつもりだった。
ぼくは、絵にかいてもらった馬に乗るなんて聞いたことがなかったから、おもしろいと思った。実際、その馬はすごく強かった。でも武将が満足しなくて、一人残らず殺そうとしたから、馬はハン・ガンのところに逃げてきた。
武将は最初はえらい人だと思ったけど、結局満足できなくて、変わってしまった。馬のことなんかぜんぜん考えていなかった。さびしい。
この絵本の絵は、はく力があって、表紙を見ただけで「おもしろそう!」って感じだった。ハン・ガンの絵みたいに本当に出てきそうで、すごいと思った。馬が涙を流している絵が一番心に残った。後書きに、ハン・ガンと同じ技法で書いているとあって、ますますすごいと思った。(小6) -
躍動する馬が迫力。
話が唐突に進む感はあるけれど、らしい絵柄で世界にぐっと引き込まれた。 -
迫力のある絵。
ストーリーにも惹かれました。馬が涙を流すシーンは胸をうちます。人間の欲望やエゴを感じさせる絵本でした。 -
海外の作家さんの描く世界は、日本のそれと大きく違う。絵のタッチ、ストーリー展開、とても興味深い。
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2022.6.30 6-3
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絵が美しく圧倒的な迫力がある。話も不思議で面白い。小学校低学年から読み聞かせれるが、高学年の方が自分で読んで楽しいかも。
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6分
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民話かと思ったら、創作!
無駄のない練りに練り上げられたストーリーに、すばらしい絵。
近年出会った創作絵本の中で、これほど力強さを感じる絵本はありません。