- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198627317
感想・レビュー・書評
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返却された本の中に続編を発見して読もうと思いました。
先日本を貸していただいた経験で、
知らない作家さんの本も読んでみたい心境になりました。
子供の頃のように1日一冊とはいきませんが、
本を読んでみたい気分の波が来ているので
色々読めたらいいなと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
やはり三浦しをんさんの作品はいいな。
映画化されたこともあり、まぁ、読んでみようかな、と手に取りました(図書館でちょっと予約待ちしたけれど)
高校卒業と同時に就職浪人になりそうだった勇気は、担任と両親のお膳立てにより、神去村での林業研修に身を投じる羽目になった。
携帯の電波は(山の上でしか)入らず、娯楽施設は皆無。
そんな過疎化の進む山間の小さな村で、勇気がであった数々の奇跡。
神隠しがあったり、神様の娘が見えたりして、少しファンタジーな感じもあるけれど、絶対的な自然の前ではこういうことも起こりうるかもなぁ、と思わせられる。
都会っ子の勇気が、どんどんと逞しく成長していく姿を追うのはとても楽しかった。
まつりでの疾走感は、まさにエンターテイメント!
林業に触れる機会などない。
自宅近くに、森林組合の事務所があるわたしですら、どんなことをするのか知らない。
衰退をたどる一次産業にスポットを当てたこの作品は、「知らしめる」という観点からもとてもいいものだと思う。
そのうち続編も読みたいな。 -
映画を観る予定なので、その前にと原作を読破。
面白かった!
さくさくっと読めるのだけど、内容はけっこう
深いものがある。
いきなり林業の現場に放り込まれた青年勇気の
視点で語られるのだけど、山奥の村や林業の
厳しい現実が語られている。
それ以上に、ヨキを中心にした村の面々の個性
豊かな姿が楽しくて、そして頼もしい。
勇気の心境の変化も納得。
クライマックスのあのシーン、映画でもあるかな~。
すごいスペクタクルで、スクリーンで観たい!
勇気&直紀のその後も気になる。
ってことで、続編も読むぞ! -
今まで積読していたのを、映画化されたので公開前に急いで読破。
林業の世界を知るきっかけになった。「なあなあ」が口癖の神去村の人々に見守られながら、昔から続く林業、山や木をはじめとする自然に対峙するなかで、主人公がじっくりゆっくり成長していく姿が魅力的。
そして、山の見方が変わった。 -
軽快な文章。
ぶっ飛んだエピソードの数々。
春は花見、夏は蛍や濡れ縁でスイカ、それに夏祭り、
秋は黄金の稲穂に勇壮な例大祭。
そこに住む、謙虚さを忘れず、
自然の恵みを大切にする人々。
まるで日本の原風景を見ているかよう。。。
文句なしに面白かった! -
初三浦しをん。
これはどこをモデルにしてるんだろう。
創作は入ってるんだろうけど、こんな祭りほんとにあるの?とか、いろんな面でもうほぼファンタジー。
主人公もなんだかんだとありえないほどに素直。
ヨキもいい男だけど、私的には清一さんが気になるよね~(笑)。
30台半ばなんて、もうちょっと上でもよかったんじゃないの?
私より下だなんて・・・ぶつぶつ。
どこかに清一さんと嫁の2次創作でも落ちてないかと思ったけど、いまのところたどりつけてません(笑)。
いつかするんだろうなーとは思っていたけど、まさかすでにされているとは。
来月公開だそうだけど。
あの祭りもやるんだろうか。
直紀ちゃんとのあれこれは、配役的に萎えたので(笑)期待せず、抜倒とか祭りとかは見たいかも。
ヨキはそう来たか、と思いつつも納得。
清一さんは誰なの!!
続編も読みたいと思います。-
2014/04/07
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喜びは日常にあり 「神去なあなあ日常」
横浜という都会で育ち「高校を出たら、まあ適当にフリーターで食っていこうと思っていた」イマドキの普通の男の子が、自分の意志とは関係なく学校の先生と親が勝手に応募した林業研修生として三重県の山奥へ行って林業をすることになる。
山奥の神去(かむさり)村ではケータイも使えずネットもマクドナルドもコンビニもない。逃げ帰りたくても鉄道の駅までは延々と山道を歩くしかなく簡単ではない。一度は実際に脱出を試みるも失敗。
そんなイマドキの普通の男の子、とくに執着も夢もなくふわーっと適当に生きてきた主人公が、毎日山で木を切り植林し四季の自然のなかで訳の分からない神事や風習につきあい村人と生活するのも悪くないなと思えるようになっていく。
最初の数ページですごく楽しくうれしい気分にさせる小説である。
著者の三浦しをんさんは確か数年前に直木賞を取った30代の作家だが、こういうふわーっと適当に生きている若者が日常のちょっとした成り行きで生きる喜びに目覚めていく描写は抜群である。数年前に読んだ「風が強く吹いている」は、それこそだらーっと生きていた大学生たちが素人同然の駅伝チームをつくって箱根駅伝に出る話だった。最後のゴールの場面では、読んでいて思わず感涙にむせんだ。今回の「神去なあなあ日常」は「風が強く吹いている」ように感涙にむせぶことはなかったが、読み終わってふわーっとやさしい風に吹かれた気分。秀作である。★四つ、つけさせていただきます。
最近の若い作家の作品は大きな情熱、目標、ドラマティックな人生というより、日々の日常の中に生きる喜びを見つけ味わうみたいな小説が多いような気がする。人類の成熟というか時代の成熟というか、いい傾向だと思う。私も「リタイアなあなあ日常」である。 -
テンポよくて、熱くて、神話的な不思議な世界観があっておもしろかった。花粉症の時期に読んだのは失敗だったかもしれないけど、一気に伐採できない理由も同時にわかったから花粉に対してちょっとだけ寛容になれた気もします。読んだ後、柱に想いを馳せるようになりました。どこから来たの?何歳なの?って。すごくさわやかだなぁ。続きも読みます。
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林業や、神事、村での生活、村人たちの暖かさ。
いい本でした。
しをんさんの本を他にも読みたいと思ってます。 -
しおん作品5作品目。
よくある都会に疲れて、田舎暮らしへ…というのではなく、無理やり放り込まれた山奥での1年。
作者の父上のご実家付近(三重県美杉村)が舞台となっているらしく、描写もきめ細やかで季節が五感で感じられるようだった。
「水の甘い音」などはさすがのしおん節。
いつもながら未体験の場所に読者をトリップさせてくれる筆致の美しさ。
さすが、しおん先生。
神様から貸りた土地で生活の糧となる作り物の樹々を作らせて頂く。
人間と自然が共生するって、色んな歩み寄りが大切と思った。
時間の流れや惜しむ手間など。
そんな共生の精神を一言で表すと「なあなあ」なのかなと。
歴代のジブリ作品にも通ずる。
読了後に宮崎駿氏の「ぼくのおすすめ」の帯にとても納得。
是非是非、ジブリにて映像化を!