やめて!

  • 徳間書店
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198628550

作品紹介・あらすじ

男の子は、一通の手紙を書きおえると、封をとじ、切手をはり、ポストに出しにでかけました。そのとき、男の子のまわりで起こっていたことは…?200冊を越す絵本に携わったデイビッド・マクフェイルが、争いのない未来への願いをこめて描きました。文字のない一画面一画面が雄弁に物語を伝えます。そして、男の子が口にしたことば、それは…。すべての暴力に対して「やめて!」と訴える力強い絵本。5さい〜。

感想・レビュー・書評

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  • 字のない絵本、なのに訳者の名前に柳田邦男さん。
    厳密にいうと、3語くらいの会話はあるけれど、それで訳者の名前は。。
    『旅する小舟』での岸本さんの役割なのかなと思ったら、訳者あとがきでしっかり編集者からこの本を訳してみませんかと話を持ち掛けられた模様。

    そういう意味では柳田さんの意味合いはあとがきにあるのかな。
    柳田さんがあとがきを書くことによって重みが増すというか。

    確かにこの絵本、初読時はその意外性に目を奪われ、最初の過激なシーンは「実はそういう話でした」というだけのものと読み取ってしまっていたが、あとがきを読んでなるほど~と。

    少年が大統領に手紙を書くシーンに始まる。
    ポストに投函しに行く途中、爆撃機が頭上を通過し、家を爆破する戦車とすれ違い、大統領のポスターに落書きした男をこん棒片手に犬と追いかける警官とすれ違う。
    辿り着いたポストの前には体の大きい目つきの悪い男の子。
    被っていた帽子をはたかれるも、少年は毅然とした態度で「やめて!」と。

    そうして手紙を投函した帰り道、落書きした男は犬と触れ合い、爆破された家の奥では戦車が畑を耕し、爆撃機はミサイルではなく自転車を少年達にプレゼント。

    「やめて!」という毅然としたもの言いによってもたらすであろうアナザーストーリーということだ。
    このお話の中では少年が大統領へ抗議の手紙を書き、「やめて!」と叫んでいるが、本来はこれをすべきは戦争を起こしている大人達。
    なるほど、子ども達にそんなことさせるのはどうかしている。

  • 絵が全てを物語っている。
    やめて!より、原文のままのノー!の方が強さを感じる。

  • 基本的には言葉はない。なにもいわない子供が発した「やめて!」そこから物語は好転する。

  • 作品の中に文字は「やめて!」だけ。
    大人は戦争をしたりしているのに、子どもには人を殴ってはいけないと言う。

  • これは、なんと力強い絵本か。
    前半の不穏で圧迫感のある空気感。
    下向き加減でずんずん歩いていく少年の内に溜まっていく感情がヒリヒリと迫ってくる。
    だから、「やめて!」の発する衝撃と力強さが鮮烈。
    一方、後半のファンタジックな展開には、脱力してしまう。
    でも、この脱力こそが「平和」なのだろう。

    「やめて!」と発すること。その大切さ。

  • ほとんど絵だけですが、メッセージ性が強く、とても心を打たれました。やめて、その一言が言えないから起こってしまう不幸が、世界にどれだけあるのでしょう。

  • 「すごい いいはなしやなあ」

  • やめてほしいときはやめてと言うことを教えられた機会はあまりなかった。でも大事なことだ。それがストレートに伝わってくる絵本。

  • 台詞は小さな男の子が発するたった一言、”やめて!”だけ。

    子供だからこそわかる真実。それを口に出す勇気。大人もそれを忘れないように。

  • ことあがすくなかったけど、はくりょくのある本でした。

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著者プロフィール

アメリカのマサチューセッツ州ニューバリーポートに生まれる。ボストン・ファインアートミュージアムスクールに入学。1966年子どもの本に目覚め、数多くの絵本を読むと同時に、自分でも絵本を描き始めた。現在までに200冊を超える本に携わる

「2016年 『あらいぐまのヨッチー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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