潮風に流れる歌

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 99
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198629021

作品紹介・あらすじ

クラスの雰囲気をつくる"裏掲示板"。発言力のあるやつにビクビクする日々。目立たないよう適当に過ごせればいいと思っていたぼくが、変わりたいと思った。自分らしくあることの大切さ、素敵さ。そのことに気づかせてくれたのは、君-。坪田譲治文学賞作家が贈る青春群像劇。

感想・レビュー・書評

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  • 純粋で透き通った印象をもった。他のも読もう!!

  • 図書館で何度も目に止まった本。
    読んだことあったっけ?と毎回疑問に思うけど、学園ものだと知って棚に戻す、を何度も繰り返した。
    今回もまた目に留まり、パラパラと読んだら止まらなくなったのでちゃんと読むことにした。


    青い。あおいですねえ。
    いつまで一緒、というか、そもそも違うのだよ、リッツくん。と言いたくなる。
    犯罪や酷いことを犯すひとは例外なく家庭環境が最悪で、埋めようのない寂しさを抱えている。
    それはその親から受け継いだもので、その親もまた、親から受け継いでいる。代々受け継いでいく悲しさの連鎖。
    それを断ち切るのにはとてつもない努力や賢さや時間が必要で、それを高校生のうちに自覚して自分で対処するのはもう奇跡に近い。
    美玲と柳田は確実に被害者。
    リッツは「人ってそんなに簡単に立場を変えられるものなのかな」と言っていたけど、被害者は簡単に加害者になるよ。だってその方法しか知らないんだもん。
    リッツや楓、真悟のように、産まれた時から被害者でも加害者でもない環境にいる人には、想像出来ないんだろうなあ。だからそんな疑問が生まれるんだろう。

    なんて偉そうに書いたけど、これだって心のことを知りたくてあれこれ読んだ結果、ようやく理解出来た内容。私が高校生の頃はそこまで理解出来ていないし、出来ていなくとも美玲のようには努力出来なかった。

    違う世界線で、楓と美玲がたまに口悪くなったりしながらも楽しそうに仲良く遊んでいる姿が見えた。
    お互いに惹かれあっているのが分かるし、ファッションとか価値観も違うだろうから、話も盛り上がりそう。
    高校では無理だとしても、大学やどこか別の場面できっとこの二人は親友になるのだろう。

  • 匿名性や手軽さに後押しされ,容赦のない暴言や攻撃が繰り返される裏掲示板。経験はありませんが,とてもリアルに感じました。
    痛かったり,辛かったり,憤りを感じたりもしましたが,最後は希望が持てるお話でした。

  • 湘南にある高校の三年A組で夏休みのあいだに広まった謎の学校裏サイトはクラスの雰囲気さえも作り出していた。そんなクラスの青春群像劇。
    『古今集』と『万葉集』のくだりが気に入りました。

  • 裏掲示板の話。良い人ががんばってうまくいく話だけれど読みやすい。

  • 学校物、青春物、4人・・・。
    読んでみたい。

  • 湘南のとある高校が舞台。
    三年A組では裏サイト掲示板であるトリプレアが蔓延。
    そこで標的になると、実生活でも透明人間のように扱われる。

    そんな状態をものともせずにわが道を行く楓。
    楓を想うリッツ。
    ラグビー一筋真悟。
    トリプレアでの扇動者美鈴。
    いろんな人間関係が錯綜する。

    青春物。

  • ”裏サイト”を扱った 内容に ちょっと最初は読むのが嫌になったけど 必ず 救いがある 終わり方にしてくれるとしんじて よみました。
    哀しい 終わり方になったかな とも思うけれど・・・。
    読後感は悪くなくて 青春物 ってやっぱりこうだよね。と思いました。 今 こういうことに悩んでいる 子供達には考えるきっかけになるんじゃないかな。

  • 学校裏サイトでの誹謗・中傷。
    匿名をいいことに、1人を吊し上げ、有ること無いこと攻撃。

    そんな現代の高校生の友達との関係がテーマ。

    生徒たちはきれいごとと嫌うかもしれないけど、読ませたい本だなぁ。

  • 世間一般が持つ良識を丁寧に解体して解く良書。作者のまっすぐな心が行間から伝わってくる。

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著者プロフィール

1972年栃木県生まれ。茨城大学大学院人文科学研究科修了。映画館の映写室でアルバイトをしながら小説を執筆し、2002年『プリズムの夏』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。07年には『空をつかむまで』で坪田譲治文学賞を受賞。他の著書に『ブックのいた街』、『はとの神様』、『ナツイロ』、『シグナル』、『潮風に流れる歌』などがある。

「2018年 『サニー・シックスティーン・ルール』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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