勝つために戦え!〈監督篇〉

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198629168

作品紹介・あらすじ

映画監督にとって「勝利」とは何なのか?アニメ界一の論客である押井守が、さまざまなタイプの監督たちの勝利条件をピタリと言い当て、ズンバラリと斬る。

感想・レビュー・書評

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  • 思索

  • 宇多丸推薦図書。
    ・押井守の言う勝敗論とは自分にあった居場所をみつけること。居心地の良い場所を見つけ、そこに居続けること。
    ・勝ち/負けというのは相対的。これを絶対的に捉えると内実を失う。


    [成功について]
    ・『帰り道は自前』
    ・各々の戦略。初戦を突破したツケがくる。大勝を収めるとその後が難しい。勝ち続けるにはどうすればよいのか?
    ・自分のやっていることの本質を理解していないから自己模倣になる。
    ・大原則として、"戦術的勝利"は"戦略的敗北"を覆さない。Ex.夫婦関係において、誕生日プレゼントやお土産などポイントを稼いでも、抜本的な問題(=戦略)を見直さない限り、離婚という結果が待っている。
    ・失敗する権利をいかに留保するか。

    [映画について]
    ・映像と映画は違う。前者は素材、後者は文化である。
    ・教科書的に観る映画と同時代的に観る映画では捉え方が異なる。
    ・映画はゴダール以前/以降に分かれる(少なくとも映画を作ろうという人間にとっては)。
    ・ゴダールは映画に自意識を持たせた。
    ・発明と発見。ヒッチコックや手塚治虫は映画を、漫画を発見した。ゴダールやつげ義春は映画を、漫画を発明した。
    ・『映画を語るのであれば演出を語れ。』
    ・映画は洗脳。色調/音/物語、それら総てをControlableにする究極の技術。

  • 2014年1月19日読了。アニメーション監督(実写も撮っているが)押井守による、映画監督の勝敗論と監督評。映画監督にとっての「勝利」とは、「次回作を撮る権利を確保すること」である、とするのは暴論のようにも聞こえるが(「ヒット作を撮る」ことは勝利の条件ではなく、むしろ敗北につながる要素であるとのこと)、本書を読み考えてみると確かにそういうものなのかもしれない・・・ビジネスも大当たりを取るよりも継続すること、「食っていける・食わせることができること」こそが勝利条件なのかもしれない。押井監督の論理は筋道立っているし、かつ単なる批評家ではなく自ら実践しているところに説得力もある。実際に付き合うとなったら面倒くさい男なのかもしれないが、撮影スタッフや関係者の信頼を勝ち得ることが当然取り続けるための必要条件であるわけだし、「お友達」になる必要はなく、やりたいことをやって結果を出し続けることが何事においても「勝つ」ための条件なのかもしれないな。

  • 押井監督が他の映画監督をレビューするといった感じの内容。
    アニメ監督ではなく映画監督として、彼の勝敗論というロジックのもとに大御所を評価していってる感じ。映画好きなら一度読んでみてもいいのでは?

  • 映画監督の勝敗論。押井監督によると、大帝の巨匠は「負けている」そうな。

  • 押井流の勝敗論とは、負けない構造を作り上げること。
    環境を整えること。
    (撮影前に入念な準備をしておく撮影スタイルにも似ているか)
    映画監督にとって勝ち続けるとは、次の作品の権利を留保し続けること。
    技術や作品の質云々ではなく、作家として名をはせる映画監督たちの人生を押井流に斬る、という内容。

  • 2012/1/23購入

  • ウィークエンドシャッフルの推薦図書!

  • 毒舌放談インタビューもの.私はアニメ監督・制作者には詳しくないので,わからない人名もけっこう出てきたが,実写映画監督の方は割に馴染み深い人名が多く,面白く読めた.

  • 押井を神様と崇めている人向け。

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著者プロフィール

映画監督、作家。1951年、東京都大田区生まれ。
竜の子プロダクション、スタジオぴえろを経てフリーに。主な監督作品に『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(84)『天使のたまご』(85)『機動警察パトレイバー the Movie』(89)『機動警察パトレイバー2 the Movie』(93)『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(95)。『イノセンス』(04)がカンヌ国際映画祭、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』(08)がヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品。実写映画も多数監督し、著書多数。2016年、ウィンザー・マッケイ賞を受賞。

「2024年 『鈴木敏夫×押井守 対談集 されどわれらが日々』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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