新たなる金融危機に向かう世界

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  • 徳間書店
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198629823

感想・レビュー・書評

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  • 9月の民主党代表選で残念ながら著者が望んでいた小沢一郎総理の誕生はならなかった。そして著者の指摘どおり、菅総理はアメリカの言いなりになり、財政再建を第一目標に掲げ米軍基地問題も全てアメリカの思うように方向転換した。さて肝心の今後の世界経済予測であるが、金価格(今は$1,400)の急落とNYダウの急落($6,500)、日経平均は2012年から15,000~20,000円に戻すが、それまでは1万円割れ若しくは7,000円までの下落と見る。ユーロは100円まで行ってから高くなってゆくと見ている。それにしても現在の株式マーケットではロボット取引で超高速取引が行なわれており、今後それらがマーケットの波乱要因になると書かれていた。人間は太刀打ちできるのであろうか。ただし今年の正月に読んだ著者の本では、2010年後半にアメリカは恐慌状態に陥るとなってはいたのだが・・・

  • 2010年下期以降の世界情勢を経済という切り口で予想、というか予言する

    この本の信憑性は置いておいて
    昨今の金融業の発展には疑問を投げかけたくなる。本来の株の位置付けはその株を発行している会社を応援するような気持ちから生じたものでは?それがただのマネーゲームになり、ゴールドマンサックスが開発したという投資ロボットの出現に繋がったんだろう。

    金融・世界経済の知識が乏しい自分にはこの本は難易度が高かった

  • あいかわらず、おもしろい。2010年出版なので、振り返って、いくつかはずれているが(大統領はあいかわらずオバマ、金はまだ暴落していない)、それでもおもしろい。読みやすいので、1日(というか3時間)で読めた。もっとも、「マネーの正体」(吉田繁治氏)は5日かかったけど、そっちの方が100万倍お勧め。

  • 金融危機を警告した本は世の中に出回っていますが、その中でも副島氏ほどしっかりと時期を指定して予測している人は少ないと思います。多くの人は「その可能性もある」という表現で逃げ道を作っていることが多いのですが彼は違います。その彼が資産運用方法として推奨していたのが、長らく「金投資」でした。

    金価格が安く多くの本で「金は利子を生むことがなく魅力のない資産」と言われていた10年以上前から彼は「金はいずれグラム4000円になる」と明言していました。それを信じてきた私は良かったと思っていますが、その彼が一転して「金も暴落させられる!」というメッセージをこの本で発し始めたのでこの本をとってみた次第です。

    金投資もダメなら何をすれば良いのか不透明ですが、地道に働いてそれを円のまま貯金して、自分や子供に投資するのが一番よい方法であるとこの本を読んで思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・ユーロが4ヶ月間で1ユーロ=1.4ドルから1.2ドルに落とされたが、ドルに対しては金は見事に立ち向かったので、金に対する世界中の人びとの信頼が高まったが、アメリカの金売り崩しが起こって、金は一旦大きく下落させれる、ドルを防衛するために金の暴落を仕掛ける(p28、130)

    ・金の地上在庫は、本当は16万トンではなく、この他にスイスに10万トン、イギリスに10万トン、バチカン市国に10万トンの合計30万トンの合計46万トン(1600兆円)ある(p32)

    ・日本の株価の低迷は、2012年のどん底=ドル覇権の崩壊まで続く、跳ね上がり出すのは2012年以降(p43)

    ・旧に2円とか円安(ドル高)になるのは、日本政府(日銀)が円を放出して米国債を秘密で2兆円買うから、日銀の海外営業所が日本4大銀行を使って、自己勘定での売買の振りをして実施する、これは亀井前金融大臣も黙認せざるを得なかった(p50)

    ・日本国民が貯畜水準に見合った生活水準を享受するには、妥当な水準まで元・円相場は下落すべきである(p73)

    ・2008年3月にグラム7500円までいったプラチナは、1オンス788ドル(グラム=2200円)まで落ちた、一瞬であるが金価格よりも下がった、その原因はトヨタが排気ガス触媒としてプラチナでなく別の物質で代替する技術を開発したからとされたが真偽は不明(p76)

    ・最近の銀価格は1グラム60円程度で、1キロバーで5万円強、1979年には1グラムが史上最高値=200円まで高騰したことがある(p79)

    ・ルイジアナ州の原油流出事故は、1989年3月のエクソンの座礁事故の50倍程度のひどさ、ハリケーンカトリーナ以上の被害(p83)

    ・2010年5月6日にNYダウが一瞬、前日比で988ドルも暴落、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が、ニューヨーク株式市場(NYSE)に仕掛けたのが原因、公式見解は、コンピュータの誤作動と誤発注とされた、これでシティグループは儲けた(p96、101)

    ・1997年に日本国債の格付けをシングルBにしようとしたS&Pとムーディーズは、欧州系のフィッチと日本国内の格付け会社が協力して阻止した(p120)

    ・1998年10月から日本政府は70兆円の政府資金を銀行救済のために出したときにアメリカから非難を受けたが、同じことをアメリカは行った、ポール・クルーグマンのみが「私たちは日本に謝るべき(2009年4月13日)」と言った(p160)

    ・中国共産党が最も懸念しているのは、上海の不動産バブル(2年間で3倍)と、上海の株式市場である(p161)

    ・EUの本当の弱点は、税務署が統一されて、ヨーロッパ内に資金の逃し場所、隠し場所が無くなったこと(p178)

    ・アメリカ政府は今後、どうしても処理しなければならない4000兆円の不良債権(不良債権資産は4京円と推定)がある、10項目、商業用不動産ローン:600、サブプライム:200兆円等(p213、215)

    ・問題児のニューヨークの大銀行は、資産の部において、時価会計を行わず、負債の部だけで時価会計を適用すれば良いことにした、それでもアメリカ国内の地銀破綻(昨年で400以上)は続いている(p223)

    ・特別会計(旧財投)には、最低でも206兆円あることが民主党の調査ではっきりした(p266)

    ・アメリカと官僚に取り込まれた管直人、仙谷由人たちが、反革命クーデターを結構した、郵政法案が廃案、公務員制度改革法案も廃案となった(p267)

    ・アメリカは辺野古に核サイロを持っていて、普天間の海兵隊ヘリコプター部隊の基地の下にも核兵器の発射サイロがある(p281)

    2010/08/15作成

  • ここまで実名で非難する本に初めて会ったw
    著者の言うようにギリシャ危機などがアメリカの陰謀によるものなのかはわからないがここまで断言する事に多少の尊敬を覚えた。
    また、経済と政治が密接に結びついているのだなあとこの本を読んで思った。

    しかし、あくまでこれは著者の意見であるので一物語としてとらえたい。
    にしても悪口が酷過ぎて最後の方は少し萎えたw

  • おもしろいと思えるところもなくはないのだが。。。
    登場人物は豊富だし、ある意味かなりクリエイティブな読み物。

    こんなの嘘っぱちだと言いきるほどの、人脈、知識はないのでその点についての判断はおいておいておく。が、徳の欠如、論理の破たんがあるのは否めない。

    「だから」って接続語はそんなに万能ではないです。

  • 2011/02/17読了:
    だいたい納得いく情報。
    だけど、ヒラリーが大統領になるってのは、
    いまいち本当かな??って疑問

  • 米国の4000兆円の借金とブリクス諸国の台頭。これから世界は統制経済化を強めて行く。

  • 小論文の試験の助けになればと思い読んでみましたが、全く役に立ちませんでした。書いてあることが陰謀説に近いです。お勧めしません。

  • 副島氏の次の作品が待ち遠しいです。

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著者プロフィール

副島隆彦(そえじま たかひこ)
評論家。副島国家戦略研究所(SNSI)主宰。1953年、福岡県生まれ。早稲田大学法学部卒業。外資系銀行員、予備校講師、常葉学園大学教授等を歴任。主著『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』(講談社+α文庫)、『決定版 属国 日本論』(PHP研究所)ほか著書多数。

「2023年 『大恐慌と戦争に備えて 個人資産の半分を外国に逃がす準備を!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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