本日は、お日柄もよく

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著者 : 原田マハ
  • 徳間書店 (2010年8月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198629854

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本日は、お日柄もよくの感想・レビュー・書評

  • 困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。
    三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。
    二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している。

    両親を交通事故で突然亡くした14歳の久美を励まし、
    伝説のスピーチライターを目指す決意をはぐくんだ言葉。
    久美と一緒に、いつのまにか泣いている私がいました。

    打ちひしがれているとき、こんな言葉をかけてもらえたら、どんなに救われることか。
    そして、苦しみ涙している誰かに、迷うことなくこんな言葉をかけてあげられたら!

    『キネマの神様』では、映画についてのゴウちゃんのレビューだけで
    あきれるほど泣かされてしまった原田マハさん。
    今度はなんと、結婚式のスピーチで、まさかの選挙演説で、こんなに泣かされるとは!

    折りしも、この日は安倍首相の所信表明演説の日。
    う~ん、さっぱり心に届いてこないなぁ。。。
    伝説のスピーチライター久美さんは無理としても、原田マハさんに
    ブレーンとして参加してもらったら、きっと心を打つ演説になったのに、と思ったりして。

    初恋の相手でもあった幼なじみの厚志の結婚披露宴で
    よりによって、彼の大切なクライアントのスピーチの真っ最中、
    睡魔に抗えず、スープ皿に派手な音とともに顔を突っ込んだ、こと葉。
    長くて退屈なそのスピーチの後に披露された久美のスピーチに心奪われ、
    早速彼女に弟子入りして、スピーチライター修業を始めるのですが。。。

    生き生きと動き回ること葉や久美はもちろん、
    影に徹して野党党首を地道に支え続け、家族や知人には
    忘れられない温かな言葉や思い出を遺した厚志の父、今川篤朗、
    気鋭のコピーライターで、与党のブレーンとしてこと葉たちの行く手を阻むと思いきや
    変なところで律儀さを発揮し、救いの手を差し伸べるライバルのワダカマなど
    登場人物も、相変わらず好きにならずにいられない魅力的な人ばかり。

    両親が与えてくれた心と体を大切に育てて
    思いを伝えたい相手の心に届き、温める言葉をかけられるひとになりたいと
    素直に思わせてくれる物語です。

  • 小畑健、大場つぐみコンビによる漫画『バクマン。』の連載開始を知ったとき、わくわくするような大きな期待感とほんの少しの不安があった。
    『DEATH NOTE』でストーリーの面白さと画力の高さは体験済みだったので期待のほうが勝っていたが、こう叫びたかった。

    「漫画家が、漫画家の漫画を描くなんて、どんだけハードル上げてんだよ!」と。

    画風も方向性も違うライバルたちが複数登場するので描き分けが必要だし、なにより主人公に才能がある設定なので彼らが描く漫画に、そう思わせるだけの説得力がなければならない。
    「漫画を描く」というテーマに着手するということは、漫画家、原作者ともに相当の自信と覚悟が必要だろう。
    結果、やはりきっちりとハードルを越えてきた訳だが。

    そして、原田マハ『本日は、お日柄もよく』
    作家が書く「言葉の力」についての物語である。

    以前読んだ『キネマの神様』には高名な映画評論家が登場した。
    今作には、日本を代表する俳人、天才コピーライター、伝説のスピーチライターらが登場し、歴史に残る名演説まで出てくる。

    物語の最初から、列席者そして読者の心をつかむ結婚披露宴の祝辞が素晴らしい。
    僕と同様に感銘を受けた、主人公の二ノ宮こと葉が久遠久美との出会いを果たすところから話が転がり始めるが、スピーチを通した女性の成長物語だと思っていたら、政権が絡む壮大な話になろうとは。

    国会の代表質問や党首討論が、まさか心に沁みるなんて。
    総理大臣に質問を投げかける今川篤朗議院の姿は、闘技場にて言葉の剣一本で、まさに命を賭してライオンに立ち向かうグラディエーターだ。

    祝辞、弔辞、選挙演説、その他さまざまな名文の数々。
    でもそんな中、メールの「ちょっとは休めよ」の短い一文が胸を打ったりもする。
    言葉の力とはそれだけに効力があるものではなく、それを発する人の人柄や良さを最大限に引き出して伝えるための触媒のようなものなのだろう(僕は「吉原家」の鈴木社長が好きだったなぁ)。

    要所要所で力を発揮する熱のこもったスピーチとダイナミックな展開でぐいぐい読ませ大変面白かった。
    しかしこの原田マハさんの素敵な物語が、結局はファンタジーにならざるを得ない現状が残念でならない。

  • 尊敬するブクログ仲間さんに、原田マハさんをお勧めしてもらい、いそいそと図書館に予約しに行き、一番初めに届いたのがこの本。
    お勧めしてくれたブクログ仲間さん!感謝します!!

    良かった!
    随所随所で、心をわしづかみにされた感じです。
    最初の久遠さんのスピーチで泣かされ、そのあとの選挙演説でも泣かされるとは・・・
    実際の選挙演説でじ~んときたことなんてないなぁ(まぁ、じっくり聞いたこともないんだけど・・)

    今川代議士が久美にかけた言葉
    「止まらない涙はない。乾かない涙もない。顔は下ばかりむいているわけにもいかない。歩き出すために足はあるんだよ」

    人の心を動かす言葉、言葉の力ってすごいです。
    言葉がこんなに素敵だということを、気づかせてくれた本でした。

  • 本音と本気と本心は、
    たとえ、どんな言葉を借りて
    人前に現れた、としても、

    必ずや、聞く人の心に届くモンだと思ってた。(てか、思ってる。)

    だから、
    特別難しい言葉を使わなくたって、
    比喩だの、
    言い回しだの、
    面倒な事、考えなくたって

    ただ
    思ったままを、
    見たままを、
    感じたままを、
    ウソ、偽り無く、そのまま伝えられれば、装飾は必要ない。
    シンプル・イズ・ベスト。

    …が、私の「これまで」であった。

    しかし、
    「言葉のプロ」が放った、
    魔法の様に人を惹き付けるスピーチに、
    私は、ただただ息を呑み、我を忘れて聞き入ってしまった。
    ここが「二次元」の世界である、なんて事など、すっかりどーでも良くなって。

    主人公「こと葉」の思いが、この世界の全てであろう。

    >言葉で人を熱し、心を動かしてみたい。

    そんな思いを持つ人にはオススメの一冊。

  •  初、原田マハ作品。おー、何という、秀作。言葉を生業とする人々すべてに読んでほしい作品だ。
     言葉は、人の心を動かす。人の心が変われば、その人の周りが変わり、やがて世界が変わる。なんと底知れぬ力を持っているのだ、言葉というものは・・・

     こと葉が、なぜあんなに久美に可愛がられ、ワダカマに好かれたのか、謎のままだが、彼女が言葉に真摯に向き合う様は魅せられた。千華への結婚式でのスピーチ、あれは素人のスピーチではなかった。普通の素人さんなら、「えー。あー。」って言うよ。むしろ、鈴木社長が普通だよ。
    そこからまさか選挙に移行とは・・・びっくりしたが、たしかに、そこは、スピーチの本領発揮の場だものな。舞台としては格好の場所だ。
     政治家のあの演説。一人で作れない。今までそんなこと、考えたこともなかったけれど、この作品を通してスピーチライターという職業があるのを知って、人の影となり、人の言葉を作ることができる職業があるのを知って、それをかっこいいと思わずにはいられなかった。

     はばかりながら私も、言葉を生業とする職業に就く身だ。問題を提起し気づかせ、集団を、個人を、改善していく業務を担う職業に就く身だ。その際に使うのが、言葉。いかに人の心を掴むか、いかに人を説得するかは、言葉にかかっている。分かっていたつもりだったけど、日常に忙殺されて、最近は、自分の操る言葉と真剣に向き合ってこなかったかもしれない。こと葉の行動を見て、そう感じざるをえない自分がいた。

     個人に向けてにしろ、集団に向けてにしろ、誰かに何かを伝えるということは、とても難しいことだ。言葉で人の心を動かすことは、一筋縄ではいかないことだ。けれど、だからこそ楽しい。止められないほどわくわくする。
     これからも私は、良い聞き手でありたいし、100回スピーチする中で、一人か二人くらいは、人の心を動かしたい。
     文章や言葉で、人は、世界は変わるのだと信じ、文章と言葉を愛し続ける者の一人として、これからも、真摯に言葉と向き合っていきたいと思う。

     次にスピーチするときは、めーっちゃ気合入れて臨んでやるぞ!!

  • 人前で話すのは子供の頃からあまり得意ではない。
    年齢を経て、経験を積んで多少は慣れたものの、大人になった今でも苦手であることに違いない。
    そんなわけで、冠婚葬祭などで思わず胸を打つようなスピーチを話す人に出会うと、心から尊敬してしまう。
    この小説は、素晴らしいスピーチを考えるスピーチライターの存在が物語の中核をなしている。
    主人公が、ある結婚式場で衝撃を受けるスピーチに出会い、その裏側にあるスピーチライターという存在を知り、自分も他人の心をつかむようなメッセージを作りたいと願う。
    スピーチとは何か、そしてそれを支える言葉とは何か、ひいては、どうすれば人の心に伝わるメッセージを作り上げられるのか。
    読者に対して実に興味深い展開で話は進んでいく。
    その合間に恋話や選挙の駆け引きなどが絡んでくるのだから、面白くないはずがない。
    久々に一気読みした小説だった。
    直木賞候補になった「楽園のカンヴァス」以前の作品ではあるが、原田マハ、さすがである。
    今後どんな作品を世に出してくれるのか分からないが、間違いなく彼女は、次の直木賞受賞者の筆頭候補だろう。

  • 新卒で入社した当時、コピーライターをしていた。
    出版や広告系の華やかな業界ではなかったけど、言葉遊びの楽しさ難しさ、狙った通りの成果が出た時の営業さんとクライアントの反応、何より自分が書いた原稿が誰かに影響を与える体験には中毒性があった。そのときのわくわく感を思い出した。1年足らずの短い期間だったけど、糸井重里さんら有名なライターたちが産み出してきた言葉を写経してリズムを意識したりもしていたなぁ。

    「本日はお日柄もよく」

    幼馴染で片想いの相手の結婚式。主人公こと葉は、あるスピーチの素晴らしさに胸打たれ、伝説のスピーチライター久遠久美に弟子入りすることになる。

    展開を気にして読むよりも、ひとつひとつの言葉を噛みしめたくて、ゆっくり読んだ。
    額縁に入れて飾りたいような、あたたかくて、気持ちのこもった、宝物のような言葉の数々。
    ジョルジュ・サンドの言葉に沁み入る。
    私も大切な人の門出の際にこんな言葉を贈りたい。
    この本に出会えて良かった。

    極意についてもわかりやすく描かれているのでスピーチ以外にも、プレゼンやディベート、愛の告白、プロポーズ・・・何にでも活用できる実用書になる。これは購入決定ですよ、奥さん。

    今はメールや電話で簡単にすぐやり取りができるけど、その分よく考えもしないで無造作に言葉を放っている自分を振り返って反省した。

    マハさんの本は「普通じゃない」「カフーを待ちわびて」以来3冊目だけど、本当に素晴らしい作家さんだとこの本で再認識した。
    政治は正直あまり興味のわくテーマじゃなかったけど、それでもマハさんの目を、筆を通せばこれだけ魅力的になる。「楽園のカンヴァス」も早く読みたい。

  • 読み始めて20ページでぼろぼろ泣けて、言葉ってすごい、スピーチって奥が深い、原田マハただものじゃない、と興奮して読んでいたのに、政治の世界に話は移り、総選挙戦の話題になって若干トーンダウン。

    すっごくおもしろいのになぁ。
    そっちではなく、トウタカのブランディングの話で読みたかったな。
    ワダカマとの攻防やら恋愛やらを読みたかったのもあるし。(告白やプロポーズの言葉を知りたい!)
    久遠久美さんの伝説のスピーチライターっぷりや、もっとスピーチライターの仕事そのものでこと葉が試行錯誤で成長する様子をよみたかったな。
    二人の師匠もすてきだし、やっぱり政治にいかないほうがよかったよ、と思う。

    なんつーか、実際の「政権交代」を果たしたかの政党の末路を知っていると、白々しくて響かないんだよね。
    原田さんにもこの本にも何の落ち度もないのだけど、実在政党とイメージがもろかぶってしまうことで、もはや「政権交代」にネガティブなイメージしかもてないんだわ。
    選挙戦は確かに言葉かもしれないけど、政治は言葉じゃ変わらないし、むしろ聞こえのいい言葉に騙されてはいけないよねと感じてしまう。
    今川幹事長も厚志くんもすっごい素敵で泣けるんだけどね。

    うん、でも、最初と最後の結婚式のところや、今川幹事長の言葉など、ほんとにすばらしい言葉にもたくさん出会えました。

  • 読み始めてすぐに主人公 こと葉のキャラクターが大好きになってしまった。
    ・・・と同時にわづか30ページ足らずで早くもウルウル。業師ですよ!マハさん!
    それからは随所で、あたかもワサビのすごく効いたお寿司を食べさせられてるような鼻の奥がツーンとして目頭が熱くなること数回。
    またしてもやられました(~_~;)
    スピーチライターというお仕事はお初でしたが
    私が過去にやった結婚式のお粗末スピーチ。。。
    この本を先に読めていれば少しはましなものになったかもと後悔^^;
    言葉の持つ力ってすごい!と思わせてくれたステキな本でした。

  •  製菓会社のOLである主人公のこと葉が、片思いの幼なじみの結婚式で伝説のスピーチライター 久美に出会う。久美に弟子入りし、友人の結婚式で行うスピーチの準備をする中で、言葉の持つ力に目覚め、会社を辞めて自らもスピーチライターを目指す。幼なじみの選挙に関わる中で、仕事を通して成長する主人公の姿がみずみずしい。また、ライバルのイケメン ワダカマとのやり取りも好ましい。

     以前読んだ「舟を編む」でも感じたことだけれど、言葉の持つ力を改めて意識するようになった。伝えたいことがあっても、ただ闇雲に言葉を並べるだけでは相手には伝わらない。伝えたいことを、伝えたい気持ちを自覚して、どうしたらより相手が受け止めてくれるのかを工夫する必要があるんだよね。
     日頃、雑な言葉を並べているなぁと反省。言いたいことをただ言うだけでは、吐き出しただけに過ぎず、一方通行で終わってしまいがち。仕事上だけでなく、日常の会話においても、一考させられた。
     また、主人公を取り巻く家族(厚志君の家族も!)が魅力的。特に、おばあちゃん。この人の描写を読んでいると、お年寄りって、長く生きてきて身につけた知恵や感性があって、一目置くべき存在であるとしみじみ思う。

  • 続きが気になって、最後まで一気に読んでしまいました。
    しかも、こんなにすがすがしい気持ちで泣かされた小説も久しぶり、というくらい、ところどころで涙してしまいました。映画やドラマなどの映像作品だとまったくだというのに、小説だと途端に涙してしまうのは何故なのでしょう…(笑)
    実は、この作品と出会ってからほぼ1年経ちました。読むまでに、1年かかった(笑)…実は、1年前本屋で見かけて「本日は、お日柄もよく」というタイトルに惹かれてからというもの、ずっと読みたいと思い続けていた本でした。タイトルのインパクトと魅力については、本編でも触れられていますが、まさに作者の意図通りに心を掴まれたのですね(笑)
    スピーチライターという耳慣れない職業、でも読み進めていくうちに、すごく魅力的で、なおかつ重要な役割を果たしているのだとわかりました。それは、主人公のこと葉がスピーチの体験を通して言葉の持つ力に心惹かれていくのに自分を重ね合わせていたから、というのもありますが、久美さんが魅力的だというのが最も大きな理由かもしれません(笑)
    スピーチライターの仕事を切り口とした斬新さもさることながら、ドラマとしても面白く、盛り込まれたスピーチも、こちらが聴衆として耳を傾けているような気持ちになるほど、聴き手(実際には読み手ですが)の心を揺さぶるものでした。それになにより、実際に久美さん直伝のスピーチの極意は、これから先ためになること間違いなし!現実にも応用可能で、こと葉と一緒に勉強させて頂きました(笑)
    主人公のこと葉のまっすぐさも読んでいて爽快でしたね。わかりやすい反応、ちょっとドジ(友人の披露宴の最中に眠気でスープに頭を突っ込んでしまう程度には(笑))で、でも自分が気になったことに対しては臆せずにとことんのめり込んでいく。そんな素直さとひたむきさは(こと葉が絶賛する)千華や恵里ちゃんにも負けないくらい女性としても人間としても魅力的でしたし、可愛かった。そりゃワダカマも好きになっちゃうにきまってますね(笑)
    この本の魅力のひとつは、こと葉や久美さんをはじめ、登場人物が皆信念をもっていて、一生懸命で、人に対して優しさを忘れていない、素敵な人たちだということです。
    人を大切にする人は、言葉も大切にするのだ、と強く感じました。なぜなら、言葉が人を励まし勇気付け、希望を与えることもできれば、その反対もできるからです。その人のことを大切だと思っていれば、自然と心のこもった言葉が口をついてでてくる。そんな風に思いました。
    それから、今回心に残った言葉。
    スピーチがメインの本なので、心に響いた、心のメモ帳に残しておきたい言葉はたくさんあるのですが、やはり、これかな、と。こと葉がチェンジするチャンスをくれた、師匠久美さんの言葉。

    ”愛せよ。人生において、よきものはそれだけである。
    本日は、お日柄もよく、心温かな人々に見守られ、ふたつの人生をひとつに重ねて、いまからふたりで歩んでいってください。たったひとつの、よきもののために。
    おめでとう。”

  • おめでたい席のスピーチにまつわる話かな、と思わせて…。(#^.^#) スピーチライターという仕事に、自民党から民主党に政権交代した時のあれこれを絡ませて、うん、その後を知っているからこそ面白い話でした。.



    平凡なOLがひょんなことからステップアップ、という話はよくあるものだけど、
    そして、それに無理がある場合も多いのだけど
    (なんでその人なの? 物語の主人公だからって贔屓しすぎじゃない?なんてね。)
    う~~ん、ギリギリオッケー?という展開かな。

    ただ、スピーチライターという仕事の面白さ、
    また、自民党が政権を失った時から数年経ち、今年の夏の参院選の民主党惨敗なんてものを踏まえて読むと、今だからぴんとくる話もあったりして、いい時に読んだ(#^.^#)と思います。

    主人公・こと葉は製菓会社のOL。
    幼馴染みの今川厚志の結婚披露宴で、なんともまぁ~~の感動的なスピーチをする女性に出会い、実は彼女が“スピーチライター”というスピーチ原稿のプロであることを知る。

    スピーチのコツ、といったハウツーものみたいな豆知識も押しつけがましさがなくて意外と面白かったし、
    それ以上に、披露宴だけではなく、会社の会議や選挙活動など、多くの場面で重要な役割を担うスピーチ、そのものの描写がとてもよかったです。

    厚志は実は民主党(を思わせる政党)の大物の遺児で、その彼が選挙に出て、と後半は選挙色一色になるのだけど、二世議員というもの、また、自民党の政策の驕りや失敗など、あの当時の日本というものがよく見えてきて、また、そんな中、国民に支持されて政権をとった民主党がその後どんな政治を行ったか、なんてことまで考えると、う~~~ん???とも。

    それにしても、マハさんという人、急に化けた!と思ってましたが、「楽園のカンヴァス」で機は満ちた!来たるべき時だった!ということだった(#^.^#) んですね、きっと。

  • 初めての原田マハだったけど、よかったな~。
    物語だと分かっていても
    それぞれのスピーチに泣けてきちゃうんだよな。
    作家ってすごいな。

    この作品を読んで、自分がなぜ本を読むのか
    分かった。
    1つは、作家が考え、作り上げた
    ストーリーを楽しむため。
    そして、もう1つは、言葉を楽しむためだ。
    このレビューを書いていても、本当によく思うけど
    私などはとても自分の感じたこと、想いを
    言葉で表すことはできない。
    自分の中では色々感動したり、思ったりするのに
    いざ自分で文章を書いてみると、
    薄っぺらくて、陳腐でがっかりしてしまうのだけど。。。
    でも、作家はそれを言語化できる。
    読みながら「そうそう、私が言いたかったのはこれ」とか
    あとは自分が思いもつかないような比喩表現とかに
    出会うために、本を読むんだろうな。
    涙腺が緩む作品でした。

  • 図書館で借りた。
    ずっと「原田ハマさん」だと思っていた!
    「マハさん」だった(笑)
    スピーチライターという仕事があるんだね。
    以前「英国王のスピーチ」という映画を観たけれど
    今回はスピーチを考える側のお話。
    政治関連でちょっと・・・な気持ちだったけれど
    それはほとんど気にならず
    最後はスッキリと。
    最後にタイトルの意味も実感!よかった♪

  • 初出「本とも」に加筆修正して単行本化。

    原田さんの作品も久しぶりですが本作は極上のエンターテイメント小説に仕上がっていてタイトルのように心が晴れやかになる作品です。
    幼馴染の披露宴での失態から人生が変わった主人公こと葉。その後知り合った人を通じて“スピーチライター”のお手伝いをしていきます。
    たかが小説なれど、本作ほど冒頭からラストで心の内面が成長し輝いた主人公は少ないと思います。

    本作は選挙小説としてもエッセンスとノウハウが詰まっていて楽しめます。フィクションでありながらかなりリアルに描かれています。
    伝説のスピーチライター、久美だけでなく登場する男性たちの素敵さも特筆ものですね。幼馴染で選挙に出る厚志、そして敵であり将来の○でもあるワダカマ。
    2人の度量の大きさがこの物語を支配していて、そうですね男性読者の私も惚れそうだから女性読者は惚れちゃうでしょうね。
    やや心残りだったのはラストが少し唐突だったかな、もう少し意地らしい恋愛模様も観たかった気もしますが私が贅沢な読者だからでしょうか。
    もし選挙期間中に本作を読めば感動度がもっと増したかもしれません。
    でも幸せな気持ちにさせてくれる作品であることには間違いなく、本作を読み終えた人は必ず人に対して“噛みしめて言葉を発する”ようになるのでしょう。

    最後につけ加えておきたいのは、ところどころで語られる作中のスピーチ、本当に素敵で胸が締め付けられ作者の独壇場状態です。
    原田さんの文章の読みやすさは定評のあるところですが本当に洗練されています。

  • 幼馴染で、好きだった人の結婚式に出席した「こと葉」は、
    そこで伝説のスピーチライターと出会う。
    そのスピーチに衝撃を受け、普通のOLだったこと葉の人生が、大きく動き出す。

    「言葉の力」を感じた。
    読んでるだけでもぐっとくるスピーチの数々。
    スピーチには魂が宿る。
    魂のこもったスピーチは人の心を動かす。
    これは真理だ。

    だが、しかし!

    中身の伴わない美しいスピーチは、結局言葉でしかない。
    「政権交代」を訴えた、「民衆党」のモデルになった党は、その実行力のなさをたった2年でありありと露呈し、見事なまでの迷走っぷりを見せ付けた。
    ああ、ただ言葉を「弄する」だけだったんだな~と。
    政治家に大事なのは、理想を語る言葉だけじゃない。やっぱり実行力だよね、なんつって(←偉そう。笑)

    ともあれ、面白かった。
    スピーチのコツというのがなるほど!と思ったが、
    これを読んでなお、一生結婚式スピーチはしたくない、とも思う私です(へタレ!)。

  • 何と言うステキな本に出会ってしまったんだろう!

  • まさにつかみはオッケーな小説。
    冒頭の結婚式でのスピーチに心をガシッとつかまれた感じだ。

    結婚式で誰しもがお目にかかったことのある耐えられないほど退屈なスピーチと対極の感動的なスピーチ。
    主人公の二ノ宮こと葉は、そのスピーチに魅入られて、そのスピーチをした女性、スピーチライターの久遠久美に弟子入りすることになる。
    前半の感動的なスピーチの数々は、さすが原田マハと言わざるを得ない秀逸なものばかり。

    前半が感動的な反動か、後半、主人公が衆議院選挙にかかわるあたりから、なんだかモヤモヤ感が…。

    つまりこれは、どうしても今の政治状況を考えながら読まざるを得ないためだろう。

    この作品に登場する政治家の高潔さを目の当たりにすると、今の日本にこんな人達がいるのだろうかと暗澹たる気持ちになる。

  • OLだった主人公が、スピーチライターとして新たな人生を歩きだす話。
    政治とスピーチとの組合が、じぶんにあまり馴染みのない世界の為、興味深いものがあった。
    途中、ちょっと読みづかれもしてしまったかも…

  • 図書館で予約待ちした本は、どの本がどのタイミングで手元にやってくるかわからない。そうやってランダムにやってきた本やら購入した本やらを、数冊平行して読んでいる。
    そうすると不思議なことに、ジャンルが異なるにも関わらず、たまたま同じようなことが書かれている場面に出くわすことがある。

    つい先日読み終わった自己啓発系の本と、この小説もそうだった。だから全くの個人的で偶然的な共通項にしか過ぎないのだが、「話すことより人の話を聞くことの大切さと思いやり」が今回の共通項だった。
    そういった理由から、自分にとってこの本で一番印象に残ってしまったのはその部分であり、主題からずれてしまったかもしれない。

    私はこの本の他の多くの読者のようにはスピーチに涙することがなかった。主人公とおばあちゃんのことも好きになれなかった。むしろ苦手かも。私が好感を持ったのはワダカマと、意外なところで吉原家の鈴木社長。

  • 思いを寄せる幼馴染の結婚式では大失態、
    仕事は毎日定時退社のお気楽OLというダメダメな主人公が、
    素晴らしいスピーチに出会い、成長していく…というお話。

    私の最も苦手なものの一つがスピーチ、プレゼン。
    この本にもう少し早く出会っていたら私の会社員人生は少しましだったかも?

    おきまりの「只今ご紹介にあずかりました~」も「ご両家のみなさん~」も
    確かになくてもいいよな、無い方がすっきりするかも。と目からうろこ。
    そういえば、キネマの神様の中のローズバットの最後のスピーチも素敵だったな。

    原田マハさん、好きな作家さんの一人になりました。

  • 原田マハ二作目。
    平凡なOLが友人の披露宴での出来事をきっかけにスピーチライターを目指す話。
    ストーリー自体は都合良くポンポン進んで行きますが、所々に出てくるスピーチがかなり良くて、心温まります。

  • その切り口できたか、と。原田さんの作品を読んだ中ではいつもよりハイテンポな作品でした。仕事に、恋に、家族に、仲間に、と。出会った人たちが主人公にとって、良い影響を受け、そして与え成長していく様。一般的にも役に立つスピーチの極意。単純に、ああ読んで良かったな、と思うと同時に、スピーチのコツと知識も備わり、お得な一冊。

    余談ですが。過去に私は友達の結婚式でスピーチを頼まれました。この作品に出会っていたらもう少しマシなスピーチができたのに、と。

  • 「生まれ変わっても またあなたのお母さんになりたい
     今度はいっぱいお話をしましょうね」
    この文章をはじめ 知らず知らず 静かに涙が出てくる
    ような場面が数多くあり 引き込まれてしまいました。

  • これはいいね。傑作。

    ずいぶん都合よく話が進むなと思うし、おお要するにエリートじゃんって思うし、才能のある人はいいなあって思ったりもする。

    政権交代もアメリカの大統領も、少なくとも世論上ではずいぶん色あせてしまっているから、そういう点でもちょっと失笑したくなるところがないわけでもない。

    だけど、そういうことを全部差し引いても、僕はこの本に勇気をもらった。

    言葉とか、人の思いとか言うもに対する信頼を忘れたくないという意味で。
    一生懸命とか真剣とか、そういうものが未来を切り開く可能性を持つ、って意味で。

    今日、この本を読めたのはすっごく幸せだった。

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