メッシュ すべてのビジネスは〈シェア〉になる

  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198631178

感想・レビュー・書評

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  • この本では、有形物やサービスをシェアリングするために、ネットをアクセスするための手段として用いたビジネスモデルを「メッシュ」と呼んでいる。メッシュ=網の結び目から様々な方向に意図が伸びて行くように、ネットワークが他のネットワークと結びついてどんどん広がっていく、ということらしい。

    聞きなれないカタカナ用語が多く、非常に読みにくく感じた。特に、事例がほとんど米国中心であるため、ピンとこないということもあるのだが、証拠不十分な決めつけが極めて多かったせいでもある。
    例えば、知的所有権の問題を挙げてみよう。著者は、知的所有権に対しては真っ向から反対の立場を示している。反対するのはいいのだが、その根拠が極めて浅薄である。「だが販売網を巻き込んで知的所有権を振りかざしたプリンターのインクをめぐる競争は、知的所有権そのものに大きなリスクがあり、市場の低落を招きかねないことをあきらかにした。時間を経るうちに、インク購入の際に選択肢がないことに顧客は不満を持ち、企業に対する信頼を失っていった。知的所有権にこだわる企業は産業分野の成長に貢献することや、市場の声を聞くことを忘れている(P204)」「顧客がブランド企業のプリンターカートリッジの法外な価格に疑問を感じるようになると、その企業が将来発売する新製品のモニターになりたいという気持ちにはとうていならない(P205)」

    プリンターのインクが知的所有権によって保護されていることによって、単に値段が安いだけの粗悪品の流通を阻止するという機能を持っていることを忘れてはならない。さらに、消耗品である程度稼ぐことを前提にしたビジネスモデルであるからこそ、プリンター本体を安く提供することができるのである。こういった前提となる事実は全く無視されており(勉強している形跡もないが)、著者が感じている不満をぶちまけているに過ぎない。著者のリサ・ガンスキー氏の履歴を見ると、シリコンバレーの名物起業家とあり、複数の先駆的なインターネット関連ビジネスを立ち上げているらしい。結局、このようにアイデアだけで短期間のうちに起業し、他の企業に高値で売っていこうとする人たちにとっては、既存の企業が有している知的所有権は、自分の商売の邪魔になる目の上のタンコブのような存在に過ぎないのだろう。特許屋という立場で読んだので、かなりいらいらしたのだろうと思うが…。「シェア」と「キュレーションの時代」を読めばこの本は不要、としていたアマゾンの書評があったが、まさに同感である。

  • ニッチな分野に特化したレンタル産業は、インターネットの力で効率的に結びつくことが可能となった。「過剰な透明性の時代」というべき現代においてSNSは諸刃の剣で、よい評判も悪い評判も一瞬にして広まる。

    目新しいことはほとんど何も書かれておらず、成功例が漫然と書き並べられているだけのような印象。

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