プラントハンター 命を懸けて花を追う

著者 :
  • 徳間書店
3.72
  • (19)
  • (48)
  • (37)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 305
感想 : 57
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198631383

作品紹介・あらすじ

「絶対不可能」をくつがえす!いま注目の若き「植物探索者」が語る「人の意識を変える植物の力」。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「プラントハンター」という仕事そのものが面白かったし、著者の成長物語としてもとても面白かった。
    職業につくきっかけ、職人さんやお父さんとの確執、技術そのものの習得過程、海外取引のトラブルなどを経て、腕や目が確かなものとなり、新しい斬新な企画ができるようになり、多くの人の気持ちを動かすようになってきた、という。
    様々な植物の話も面白く、珍しい植物を集めるという欲望にいきついた大富豪の話(ヨーロッパ貴族も同じだ)、桜の開花調整、ご神木、突然変異、新種の名前付けのことなど……。
    この本に出会えてよかったな、と思えた、おそらく今年のベストワンかも。

  • プラントハンター。
    何か名前がめっちゃカッコいいですが、
    本人もかなりカッコいいです(笑)
    こんな職業があったんだーという感じですが、
    簡単に言うと花を始めとする植物を依頼者に届ける仕事です。

    これが結構簡単ではなくて、
    世界中の珍しい植物を採取して、クライアントに届けたり、
    桜を指定日に花を咲かせて届けたりする技術を
    持っているみたいです。

    この主人公、老舗花屋のいわゆるボンボンさんで、
    海外で遊びほうけてから家を嫁ぐなど、
    普通の人では中々経験できない人生を歩んでいるのですが、
    そういう冒険心や好奇心が今の仕事に
    とても活かされている様に感じました。
    ちょっとenvyな気持ちも感じますが…。

    良かったのは、色々な珍しい植物の写真が付いていて、
    とても興味深いです。僕は一つも知りませんでした。。
    中でも表紙にも出ているドラゴン・ブラッド・ツリーという木は、
    一度は見に行ってみたいと思います。

    これ読んだからそうということはないのですが、
    自分の横幅を広げてくれる本です。

  • 情熱大陸で紹介されていた西畠さんを見てなんて面白い方なんだろうと思った。花于4代目の父親から『お前には殺気が足りない』と言われたいうエピソードに職人世界の厳しさを感じた。

  • ♪(´ε` )

  • 植物の魅力、そしてそれを扱うプラントハンター(≒植木屋)の魅力、感じながら読めました。こんな関わり方もあるのだなぁと。

  • 世界中からいろんな植物(作者は総称として花)を輸入したり探し出したりする話。
    龍血樹とか珍しい木があることは知っていたけれどそれに対して今現在育てようとしている人がいることとか始めて知った。
    オリーブの木も千年単位で育つとかすごいなと。

    花を求める人はたくさんいるんだから考えたらこういう職業の人がいることは当たり前なんだけれど思い浮かばなくてすごく興味深かった。

  • プラントハンターという職からして私にとってもは大変珍しかったので、表紙買いしたこの本。
    内容は、著者の仕事の中でも印象に残ったエピソードをのせているのですが、植物の可能性や、世の中にこういう職種もあるのかと興味を持って読むことができます。

    世界中を飛び回れて楽しそうだなって印象ですが、
    365日絶え間ない努力と、大変な思いをして今が成り立っていることがよくわかる自伝のようなものです。

    やはりどの職業でも共通していえるのは、
    一流のプロと言われているかたは、その仕事が好きであり、その仕事の意義をしっかりと分かっていて、徹底的にこだわっているということ。

    とても刺激をもらえた本です。

  • 職人ってかっこいいなと思って読んだけど、やっぱ植物に対する熱量ハンパないと思った。
    植物を愛して愛されて自分の命も相手の命も真正面に向かっていて職人の鏡だと思った。

  • なんか聞いた覚えがあるなと思いながら手に取った本。

    世界中の植物を人に届けるプラントハンターという仕事。

  • (01)
    30歳を過ぎた著者が20歳を過ぎてからの約10年を振り返り,「花」を生きたまま採集した数々のエピソードを披露している.「花」というのは,著者の言葉では植物全般を指している.花宇という会社の後継ぎとして育てられた著者が,反抗期もみせながら,稼業ないし家業と一体化していく様子を本書に読むことができる.
    興味深いのは,植物を採集することの罪悪感のありどころである.第三章では「植物は枯らしてもいい」と持論を展開し,植物を消費するものとして位置づけている.そこに資源を保全する感覚がまったく抜け落ちているかというとそうでもなく,栽培や繁殖,在庫や流通のバランスも後半には少し出てくる.また,法律に抵触する採集を行っていたことを包み隠さず暴露している点は,露悪的というよりも,「ハク」をつけ自身をブランド化しているようにも読める.
    危険を冒すこと,命を懸けることとともに,脱法すれすれであることが語られ,こうしたリスクを植物の価値の上乗せに換価しているという商売として本書を読むことができるかもしれない.
    様々な観点によっても,このプラントハンターの行く末は楽しみでもある.

全57件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1980年生まれ。明治元年より150年続く、花と植木の卸問屋「株式会社花宇」の5代目。日本全国・世界数十カ国を旅し、収集・生産している植物は数千種類。日々集める植物素材で、いけばな・フラワーデザイン・室内緑化・ランドスケープなど国内はもとより海外からのプロジェクトも含め年間2000件を超える案件に応えている。2012年1月ひとの心に植物を植える活動である、“そら植物園”をスタート。様々な個人・企業・団体と植物を使ったプロジェクトを多数進行中。著書に『プラントハンター』(小社)、『そらみみ植物園』(東京書籍)

「2015年 『教えてくれたのは、植物でした』 で使われていた紹介文から引用しています。」

西畠清順の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×