あやかし草子 みやこのおはなし

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著者 : 千早茜
  • 徳間書店 (2011年8月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198632281

あやかし草子 みやこのおはなしの感想・レビュー・書評

  • 真向きの龍がよかった。

  • 美しい、心に染み通る良い短編集だった。たまたま手にとってみたけれど、大正解だったな。一つ一つの表現が本当に綺麗。
    なんだけど、たまに読みづらい箇所がポツポツあった。字数の問題かもしれない。「機尋」はもうちょっと長く読みたかった。柳のことももう少し知りたいし。
    人と人ならざるものの心の交流六編。そして人は、人の世界に飽いている者ばかり。でも、人の世をまだかすかに信じている者も何人か。それが少し救い。
    「鬼の笛」「真向きの龍」「機尋」は「何かを生み出すこと」を真摯に描いていてとても良い。
    どれも好きだけど「ムジナ和尚」と「天つ姫」が特に好き。
    ただ天つ姫で砂糖菓子がひょいと出てきたのが少しだけ気になった。何時代なのかな。牛若丸の後だから鎌倉室町?

  • 古き都の南、楼門の袂で男は笛を吹いていた。門は朽ち果て、誰も近づくものなどいなかった。ある日、いつものように笛を吹いていると、黒い大きな影が木立の中に立っていた。鬼だ。だが男は動じず、己を恐れない男に鬼はいつしか心を開き…(『鬼の笛』)。いにしえの都に伝わるあやかしたちを泉鏡花文学賞作家が紡ぐ最新作品集。

  • 2015.4.23 読了

    様々な妖(あやかし)の短編集。

    不思議な世界観。
    文体なのかな。
    嫌いじゃないです。

    妖の話とか 元々 嫌いじゃないし、
    漢字とかも あえて使ってる感じ(シャレじゃない)で、
    最初は 読みにくい部分もあったんだけど、
    だんだん たまらなくなってきた。

    最後の話は、少し切なかった。
    てか、どの話も ちょっと切ない。。。

  • 『あやかし草子』 千早 茜  徳間書店

    これは文庫では無いので、
    まるで陽光に晒した茜色の和紙のような表紙で、「みやこのおはなし」
    と言う副題が付いています。

    人と、あやかしの不思議な交流を描いた六つの物語。
    こんなにも美しいあやかしの物語を初めて読んだ、と思いました。
    異界の物が潜む暗闇が、禍々しい物では無くて、美しい笛の音や、
    木々のざわめき、衣擦れの音が聞こえて来る様です。
    蛍がひかり、赤いぼんぼりが遠くに灯り、月の冷たい光が緑色に染まる様な、
    夢の中をたゆたう様な気持ちにさせられました。

    幼い頃、昔話や地域の伝説で聞いた話が、美酒に漬け込まれてえもいわれぬ
    香りを放ちながら、再び現れた様な錯覚を覚えました。

    読み終わって、あやかしも、人間も、何かに強く執着する時、その境界は
    危うくなるのだと感じました。
    「天つ姫」と「機尋」と言うお話が特に気に入りました。

  • 「あやかし草子」千早茜◆人間になりたい妖、妖に誘われる人間。彼らの境界は曖昧なのかもしれないけれど、ギリギリ詰まりきらない微妙な距離がもどかしいようなこれで良いような。人間の涙に心惹かれたムジナの「ムジナ和尚」と、色鮮やかな染物が溢れ出しそうな、白い座敷童の「機尋」が良かった。

  • 「むじな和尚」「天つ姫」など短編集。

    タヌキが和尚に化けた むじな和尚のある素朴な疑問。
    ある娘に父のように慕われ、あるキッカケから問いの答えを知るむじなの悲しみ。

    「天つ姫」は、とある姫と天狗の心のつながり。
    強き姫と強き天狗。あぁ。

    私は千早茜が描くあやかし話が大好きだ。
    おとぎ話に目が離せない子どもような純粋な気持ちになれる気がする。
    この短編集は人心のどす黒い部分が少なめ。そのぶん沁みる。

  • 異形のものの世界

  • あやかしとは、日本の妖怪やら怪異のこと。
    6編の短編は、鬼や天狗、竜などのあやかしと、人間とのはかない触れ合いを描いている。そのどれもが、哀しく切ない。
    西洋の童話をモチーフにした「おとぎのかけら」に比べると、毒もなく、しっとりと情緒豊かな仕上がりで、読後感もよい。

  • あやかしと人間の物語6篇。和ファンタジー。少し哀しくて切なくて、美しかった。独特な世界観、好きです。
    そして、千早さんは色を言葉で表現することが本当にお上手。どの話も色がはっきり見えてくるようで、これは他の作家さんの作品ではあまり感じないことです。

  • 昔の話の短編。案外すいすい読めてきもちのいい終わり方をしてくれる

  • 人とあやかしが混とんとしていた時代の、まさに御伽草紙。
    『ムジナ和尚』は、『まんが日本昔はなし』にしてもいいようなお話。

    ふと気づいたのだが、≪昔話≫は平安・室町を時代背景にしているものが多いように思った。
    何故だろうと思っていると、京都出身の友人が言った。

    「もののけは京(みやこ)にしかいないから」

  • 下と同じ作者。これもおもしろかった。
    「いにしえの都に伝わるあやかしたちを」描いた短編集。
    人間の哀しさ、強さがあやかしを通して伝わってくる感じ。あやかしもまた哀しいんだけども。

  • 千早さんの妖怪もの。
    この人の描く「孤独」がすごく上手いなぁ・・と思う。
    人と妖が関わって得るもの、知ること。
    これ読んだ後に、百鬼夜行図とか見ると面白いです。

  • あくさんの地獄変を読み返したくなった。

  • 好:「ムジナ和尚」「天つ姫」

  • 天つ姫、で意外にも涙が。
    どれも長い作品の一章のような質量。

    吉弥、と紅、が気になるなぁ。

  • あやかしが魅せる、人間の悲しく美しい姿。
    千早茜はささやかな心の変化を切り取って
    その心理描写を情景へ落とし込むのが本当にうまい。
    あやかしであれ、人であれ、
    誰かとつながりたいと思っている。

  • 人とあやかしの間に紡がれる、残酷で悲しいけれど引き込まれる大人のための御伽噺たち。どれもが厳しい現世を描き、いわゆる昔話のように「かわいそうなひと」にたいして救いも用意されていなくて、容赦はないけれど、一筋どこか人にしかない温かみを携えていて、重いばかりではない独特の世界を作り出しています。冷酷さと人の情け、その両方を描くことでかえって血の通った人々の物語となっているように思います。またどの短編でも怪異やあやかしというモチーフをさりげなく素朴に、けれどとても魅力的に描いていて、巧さを感じました。

  • うすぐらい、境界線上のお話。

  • 大人のお伽話。
    冷たく鋭い。
    かなり好き。

  •  とても綺麗な文章で、じっくりと読ませてくれる内容は、人は弱い存在だということをしみじみと感じさせてくれます。そして、どの編も十分に想像させてくれるので読んでいてとても楽しかった。

     その中でも、「天つ姫」「青竹に庵る」「機尋」は子供が主人公だからなのか、特に心にグサッとくるものがあります。それがどういうところで…とは、うまく表現できなくてとても歯がゆいです。

  • 極彩色の絵巻物のような世界。
    「天つ姫」「機尋」が好きです。

  • 人と、人ならぬものの、6編の物語。
    本来別々の、人と、人ならぬものたちの世界の境目が、徐々にあいまいになっていく。
    人であろうと、人ならぬものであろうと、"思い"があるのは一緒。
    その思いが、切なかったり、じーんときたり。
    不思議な余韻の残る作品。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-fa9a.html

  • 「ムジナ和尚」「天つ姫」が特に好きだった。
    人の世は醜い。涙を流せることは人間の美徳とされるのかもしれないけれど、それは人間の価値観による判断であって、決して絶対的な美徳ではない。
    人間は醜い。人間の不可思議な行動を妖たちは理解することができない。もっと単純に、そして美しく、なれないものか。
    人間の業は、あまりにも深い。

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