- Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198632922
作品紹介・あらすじ
GHQ焚書図書が明らかにする、消し去られた戦前・戦中の真実。パールハーバーから70年のいま、アメリカに仕組まれたあの戦争の意味を問う。
感想・レビュー・書評
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アメリカが日本を戦争へと導いた本当の狙いは何か?
現代の日本も当時と同様の力で影響され続けている。
その謎を探る。
日本が戦争を最後まで防ごうと努力したが、
アメリカの意志により大東亜戦争に突入した。
当時の人びとの感情が鮮やかに蘇る。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なぜ米国は日本との戦争をしなければならなかったのか?なぜ日米戰を仕掛けてきたのか?という問いかけが妥当であると考える著者の視点に基づき、当時の焚書された数々の書籍からその事実を浮き彫りにしてゆきます。この主張・見方は、本書シリーズ第五巻と2冊セットで考えられています。第五巻のほうでは、ハワイ王国建国からハワイが併合されるまで、満州の政治経済軍事産業および社会背景等、支那における排日の背景や支那人論、等等が描写されており、そのあたりから広く総合的に日米開戦前夜の様相に思い巡らされるようになっています。
本書で紹介されている焚書は以下の通り
『日米戰ふ可きか』 世界知識増刊 新光社、昭和7年4月
棟尾松治『アメリカの實力』青年書房、昭和16年2月
『米國の世界侵略』大東亞戰争調査會編、毎日新聞社、昭和19年5月
齋藤忠『英米包圍陣と日本の進路』春陽堂書店、昭和16年10月
來栖三郎『大東亞戦争の發火点:日米交渉の經緯』東京日日新聞社・大阪毎日新聞社、昭和17年12月
高坂正顕、西谷啓治、高山岩男、鈴木成高『世界史的立場と日本』中央公論社、昭和18年3月
上記焚書のうち、『大東亞戦争の發火点:日米交渉の經緯』に関しては、來栖三郎特命全権大使が昭和17年11月26日に帝国ホテルで対米交渉を振り返った時の講演を収録したものですが、全文が本書で紹介されています。まさに掛け値なしで当時の要人の主張を読むことができます。また同焚書内でロバーツ報告書(パールハーバーの敗北を受けてアメリカが調査検討を行った資料)の全文の和訳も収録されていますが、この一部が本書で紹介されています。これに関して全文の紹介が徳間書店のHPに掲載されています。
また、最後に紹介される当時の知識人の対談『世界史的立場と日本』に関しては、この戰争の性質・意味や哲学的位置づけ、また歴史的に日本のおかれた位置づけをトータルで深く抉った対談だと思います。これらの対談を通じて当時の知識人の常識の一端を垣間見ることができます。
前半の4冊はどちらかというと冒頭で記した著者の主張を肉付けするような位置づけ(つまり、確かに著者の言うことは納得できると読者が考える方向性をもった内容)ですが、後半のこの二冊はよりリアルに読者本位に想像・思慮を任せるような内容になっています。
従来から巷で数多問われ続けてきた「日本はなぜ負ける戦争をやったのか」「なぜあんな馬鹿な戦争をやったのか」等等という視点では何も見えてこない。本当のことはわからないということを本書は示唆しています。あえて曲解すれば、本書で紹介されている焚書図書の取り上げ方が偏っているんだろう。という言いがかりは可能ですが、逆に、著者の主張が根拠を得たものであるという事実も認めねばなりません。また、本シリーズ第一巻から継続している数多の紹介されてきた焚書を一部とはいえ読んでいくことで焚書の中から見えてくる当時の常識というか空気が現代人の当時を想像したものと齟齬を感じた場合、その事を大切に考えて行くことが大問題への解答の一種、一歩になると思います。
尚、youtubeで以下を検索すると第五巻、第六巻に該当する話題の一部が動画で視聴できます。
【GHQ焚書図書開封】大平洋の覇権と米西戦争
【GHQ焚書図書開封】アメリカの脱領土的システム支配