地獄で見る夢

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著者 : 森岡浩之
  • 徳間書店 (2012年1月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198633226

地獄で見る夢の感想・レビュー・書評

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  • 死者たちが生前の記憶を仮想人格として保って暮らす,電脳世界の探偵の話。
    設定は面白そうだけど,ちょっと読者は置いてきぼり!?
    どうやらシリーズ物で,今作は3作目にあたるらしい。

  • なんか、カタルシスのない読後感

  • いまいち

  • ★3つでもよいが、ラストが説明文章になっているところで減点。

  •  「優しい煉獄」「騒がしい死者の街―優しい煉獄〈2〉」の続編。死者が生前の記憶を電子人格化し暮らす仮想世界VRNWS。それはウィップ社が提供する、人工の煉獄だ。VRNWSでの寿命は維持費を払えるか否かだけで決まる、まさに地獄の沙汰も金次第な“あの世”の姿。
     その中でも、昭和末期の不便さを愛する変わり者たちが住む街には、唯一の探偵事務所である朽網探偵事務所がある。基本的に犯罪行為が行えないVRNWSの中で、この街だけには犯罪を行えるチケットがあるのだ。そして今回は、新たな犯罪チケットとして殺人のチケットが発行されたという噂が駆け巡る。

     現実の世界でも生きていくのにお金が必要だけれど、この世界ではお金があることと寿命が比例する。現実では金を稼いでも長生きできるとは限らないけれど、この世界では金を手に入れれば長生きできるのだ。古来、権力者たちは不老長寿を求めて来たことを考えると、彼らにとっては理想の世界なのかもしれない。
     しかし一方で、生きるために金を得ることが現実よりも切実な世界でもある。生前、十分な金を稼げなかった人間は、死んでからも金で苦労しなければならない。その中で友好的な人間関係が築けて来たのは犯罪がなかったから。その前提が崩れた瞬間、そこは疑心暗鬼がはびこる本物の地獄になってしまいかねないのだ。

     そんな世界で純粋さを保つことは出来るのか?真の人間性が試される世界なのかもしれない。

  • 優しい煉獄シリーズ三巻目。ちょうど前巻を読み返している時に三巻が出たという情報を知ったので運命的なものを感じた。
    前回が短編であったのに比べ、今回は長編。また、今までは新書サイズで出ていたのだが、今回は単行本(ソフトカバー)である。
    あらすじは、いつものごとく探偵事務所に依頼が舞い込んできて…という流れなのだが、今回は舞い込んできた2つの依頼が互いに関係していたという話だ。
    依頼人吉田氏が知りたがっていたブティック、捜索対象の鳥飼亮が居る場所、これらは密接に関係し、探偵はある街へと連れ出される。
    そこはなんと「殺人」が許可された場所であった。その街ではプレーヤーがターゲットを殺すために活動し、探偵には鳥飼亮を守るようにと依頼をされる。
    彼らは何のために殺しあうのか、この街の実態は何なのか。そのような謎は出てくるが、この小説自体にはそこまで盛り上がりなどはない。
    それは、この探偵は自分に出来ることだけをしているだけだからだ。あくまでただの電子データ、金も権力もない探偵に出来ることは少しの皮肉でも言うことくらいだ。
    「探偵が依頼をこなす」この小説を一言で言うとこれに尽きると思う。単純で特に捻りもない、ただそれだけをやるのがこの探偵の仕事であるのであろう。

    今回シリーズ初の長編であったのだが、個人的にはこのシリーズは短編の方が向いていると思う。なぜなら、この世界、この探偵は盛り上がるということがないからだ。
    細々と依頼をこなしていった方が性にあってそうである。だからシンプルな短編の方が合っていると思う。
    また、再読した時に印象が変わるのではと思う。その時に再びレビューでも書きたい。続編には大いに期待しているが、出るのは早くても数年後であることだろう。
    探偵、優月、ユリア(猫)など魅力的な人物が街を歩きまわる姿が是非ともまた見たいと思う。

    余談ではあるが、タイトルに優しい煉獄とつけて欲しかったと思う。

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地獄で見る夢の作品紹介

わが朽網探偵事務所の朝は、早い。最近、仕事も増えた。ここはVRNWS。死者が生前の記憶を仮想人格として保ち、電子的な夢を共有するフィールド-すなわち、死後の世界である。管理運営するウイップ社の「企業努力」により、この街は、少しずつ少しずつ、「現実」に近づいていく。ついこの間までは、コーヒーが冷めるようになったくらいだったが、最近では、傷害、窃盗、不法侵入-犯罪をおかすことも、可能となった。ちかぢか、殺人が可能になるとの噂も…。広大なVRNWSのなかでも、犯罪が可能なのは、昭和末期を模したこの街のみ。そしてこの街で探偵といえば、おれ一人。警察なんかあてにならない。今日も、依頼人がやって来た。

地獄で見る夢の文庫

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