~遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白~ 飛田で生きる

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著者 : 杉坂圭介
  • 徳間書店 (2012年8月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198634568

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~遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白~ 飛田で生きるの感想・レビュー・書評

  • 飛田新地。最後の遊郭と言われる場所。
    橋下さんが顧問弁護士を勤めていたとも言われる。

    この地のルポとして、かつてこの本「さいごの色街 飛田」の書評を書いた。

    しかし、飛田は取材など基本的に受け入れない。
    本当の姿は描かれない。
    これだけ海外からの旅行客を受け入れるようになっても、ネット発信なども拒絶している。
    中国人は相変わらず嫌われているようだが。

    この秘境とも言うべき飛田新地をなぜここまで具体的に赤裸々に描くことができたかというと、それは著者が元飛田の店舗経営者で、現在も女の子のスカウトマンであるということ。
    つまり、昨今攻撃されている飛田の防衛に立ち上がったということ。

    飛田遊郭(料亭組合)は、著書によると、厳然としたルールがあり、それに基づいて働く女の子を守っているのだとか。

    人類最古の職業であり、どこまでいってもなくならないであろう風俗産業。

    大阪府に関しては1990年の花博を機にソープランドが廃止された。

    しかし、何故か飛田・松島などの風俗街はそのまま。

    本書のあとがきによると、隣区・阿倍野再開発で建築されたタワーマンションの高層階から飛田遊郭が見渡せ、ネットの書き込みなどで悪所として攻撃されているのだとか。
    併せて2016年11月現在、2025年に誘致予定の大阪万博開催に伴って、またもや危機に直面しているのかもしれない。

    遊郭存続の危機に向けて牽制する意味での本書出版なのかも知れない。というか、当然その意図はあるでしょう。

    それらを考え合わせても、よくできた本であると思う。

    飛田で遊郭を経営するための段取り(資金など)であったり、女の子確保のノウハウなどが余さず書かれており、遊郭経営入門のような内容でもあります。
    良くあるカフェやカレーハウス開業のノウハウ書みたいです。

    しかも文章がうまい。私が関西人であるためかも知れないが、リアルな大阪弁でのやり取りもリズムよく進行していき、ダレさせない。

    先述の飛田防衛意図があったにしても、悪所ならではの必要性。現在はかつての人身売買的な女郎屋とは一線を画し、働く女の子の将来や人権も考慮した「働く場所」であることを主張している。

    勿論、身内や近親者がこのような場所で働くことを黙認できるかというと、確実に無理なので悩ましいところではあるわけであるが、一個の人格を有した成人女性が自らの判断で選択する場所としては存在しても良いのかなとも思う。

    少なくとも個人的にはホストクラブにハマるよりは前向きかなと思うし。
    と言っても、ホストクラブに入れ込んで、てっとり早く稼ぐために飛田にくる子も多いようだが。

    著者は飛田での経験しかないので、他の五新地(松島・今里・滝井・信太山)や、その他かんなみ新地等については触れられていない。
    他の新地が飛びたほど整備されているとは聞かない。飛田は段違いに生き残りに貪欲なようだ。

  • 何これ、今の時代??
    知らなかった現実。稼ぐ…とは言っても1日20本とか…。
    色んな知らない世界まだまだ世の中にはあるようです。
    物見遊山で行くところではない。
    興味津々で覗くところでもない。
    なんだか、妙な本読んじゃった感。

    男性の皆さん、普通の恋愛してください。とはいえ、男性の生理、それなりに知ってるとはいえ、かなりショックでした。
    私は?といえば…興味で観てみたい気も。(人のこと、言えないですが)

  • 内幕のことも面白いが、基本的な「人間性」が描かれている点に魅かれる。結局、人間ってそんなもの。

  • 実際に経営していた人(親方)が書いているので、
    取材なのでは知り得ない話、女の子、オバちゃんとの
    かかわりなど興味深い。

    第六章のサユリとミズホの話なんか
    ちょっとした短編小説ように引き付けられる。
    ホントの話かどうか?分からないけど
    ライターさんが書いたのかな?文章が上手いな。

  • 今も現存する赤線地帯・飛田新地、元遊郭経営者の語るの真実。
    淡々と飛田のこと、経営やシステム、女の子のことが書かれている。
    とても文章が上手く、読みやすかった。
    性の匂いを感じさせず、変に感情移入させるような書き方がされていないところが良かった。
    今もこんなところがあること自体に驚いた。
    (電子書籍 BookLive)

  • 大阪、飛田で稼ぐ男と女の生き方。

  • 飛田で親方を務めていた人の、飛田の経営などについての本。

    「わし飛田で働いてたんやで~、お前らに飛田の秘密紹介したるわ~」とドヤ顔で書いた本ではなく、淡々と飛田で働くまでの手続きやら開店してからのこと、女の子のことなどの実情を体験者目線で書いています。

    こういうの書く人はゲスい書き方をすると思っていました(特に当事者の場合)が、そんなことは全くなく、スマートな感じで書かれています。

    こんなところ(働きに)来ないに越したことはない、と言いつつ、飛田は必要と答える筆者。
    矛盾を抱えつつも、飛田に対するいわれもない先入観を払しょくさせたいという思いで書いたのでしょう。

    それでも、受け取る人によっては「おいしい思いしてその自慢したいだけなんだろ」と思ってしまうかもしれません。
    確かに表の綺麗なとこだけ書いて、裏のエトセトラまで載せていない可能性もありますが、飛田について知るには貴重な一冊であると思います。

  • 平成26年8月29日読了。

  • お恥ずかしながら飛田という土地を知らなかったのだけど、沖縄の赤線とアムステルダムの飾り窓(ここもモデル級美女がたくさんだった、メインストリート外れるとものすごいジャンルの女性もいたけど)を想像しながら読みました。内部の人が書いたということで、擁護派の立場からのお話。1プレイ15分って…!!

  • 飛田の事情が赤裸々に!

  • 大阪に残る、色街、飛田新地の経営者。
    実はソープが全くない大阪だが、飛田の歴史、んで、モデル並みの別嬪さん揃いと言う他所で見られない独特の存在に興味があった。
    外に殆ど情報の漏れることのない場所だけに、面白かったな。
    裏社会が全く介入していないと言うのも、本当なら、ある意味驚き。
    隆慶一郎の描く、かくれ里的な色まで感じた。

  • 『飛田』は実際に行った方や興味がある方が情報を書いているため、知っていたが体制的なものはイマイチわかってなかったのでこの本を読み、いろいろわかった。飛田で働く女性のリアルを見た気がする。しかし、飛田という街は謎が多い。

  • ■ 1326.
    <読破期間>
    2013/3/8~2013/3/10

  • 著者は、飛田で料亭を経営したのち、スカウトマンになった男性。
    飛田のことがよくわかる本。
    仕事は大変そうだけど、退屈はしなさそうだ。

  • 写真撮影も許されない飛田新地。ウワサでしか聞いたことのない新地の実情を元経営者が語る。おもしろくないわけがない!

  • 現代に残る遊郭は、都市の陰部であり、暗黙の必要悪、そして歴史の暗い記憶だ。一般には、世間様に知られることが御法度な内情が、未経験の「親方」デビューという興味深い目線で書かれている。最初にこの本を知ったとき、よくもこの本を執筆し、しかも紙で出版できたものだなとも思った。

    欲望に晒された人間の本性と、社会から除外される存在というテーマだ。金、女、セックスワークという商売。細かい費目と数字、売上げの浮き沈みなど、経営者ならではの苦労が、業界用語を交えつつ切々と綴られる。ビジネスの舞台が舞台なだけにハードなトラブルも語られているが、一般向けにかなり毒気が抜かれている気はする。リアルなネタはとても書けないだろう。

    ともするとセンセーショナルなテーマとは別に、筆者の心の奥には「飛田新地は、それを必要としている人間たちにとっての最後の拠り所としての、きちんとしたシステムなのだ」という、現場を経験した人のみが語れる強く静かな思いがある。もちろん、それを声高に力強く訴えることができないのはジレンマだ。ただ、何かしらの拠り所が必要なのは新地に全く関係が無い一般人も同じで、欲望を別の形で上手に誤魔化している分、むしろ傷はより深いのかもしれない。

    最後に書かれている、都市の再開発による危機感も、筆者がこの本を執筆せざるを得ないきっかけの1つなのだろう。協会の組合ぐるみで、時代に合わせて社会と共存していくための努力を続けていることなども、初めて知った。人間のおぞましいエゴは、自分が気に入らない「汚れた」「歪で」「目障りな」ものや人を排除することで、自分たちにとってだけのユートピアを形成しようとする。これは、奇しくも同じタイミングで買った『漂白される社会』にも共通するテーマだ。同書と合わせて、現代社会の影の濃淡を、立体的かつ多角的に見てみたい。

  • 飛田のことを何も知らずに読んだから、大阪にこんなところがあるのか、と驚いた。どこの世界も厳しいなあ。

  • 今に生きる赤線地帯、遊郭の風情と隠微さを醸す歓楽の秘境・飛田新地。本書は第三者によるルポルタージュではなく飛田の「住人」である筆者がその内部事情を赤裸々につづった貴重な記録でございます。

    飛田―僕がこの界隈のことを知ったきっかけは作家、黒岩重吾の小説がきっかけでした。株で失敗し、原因不明の奇病に全身を冒され、西成で息を潜めるようにして生きていたころに飛田に勤める「おねいちゃん」たちと交流があったのだそうです。

    本書は「遊郭」を10年経営し、現在はスカウトマンとして「飛田に生きる」住人が書いた「裡側」の赤裸々なまでの記録です。以前、ここでも紹介した「さいごの色街・飛田」では遊郭を経営する親方のことを『仁・義・礼・智・信・忠・孝・悌の八徳を失った者、また、それらを忘れさせるほどおもしろい所』の意である『亡八』というまことにショッキングな言葉で揶揄されている、という箇所を思い出し、これは当事者が書いた手記なんだということを改めて思い出しました。

    筆者は高校時代の柔道部の先輩であり、再開したときは裏の『住人』になっているであろう『村田さん』から飛田での遊郭経営の話を持ち込まれます。ある程度考えた後、『いかがわしい場所とか言われるけど、そういう場所で人間の道極めるのもオモロイで』という言葉が後押しとなって、筆者は「実地検分」の後、料亭を持つことに踏み切ります。ただ、そのときの不動産屋の主人が言った
    「店の女の子には、気いつけていな。女の子しゃべりおるから」
    ということを後年筆者はイヤというほど思い知らされるのです。

    飛田のシステムはかつて赤線、青線というものがなくなって、大阪の遊郭は、東京がソープという形態で残ったのに対し、料亭での仲居との自由恋愛という形で残ったのだそうです。たとえば15分のちょんの間(意味はご察しください)は11000円。取り分はおばちゃん1000円、女の子5000円、店(親方・マスター)5000円が相場で、時間によって変動するというのは言うまでもありません。

    念願かなって店を持つことになるも、筆者は女性の持つ『業』というものにとことん振り回されるようになります。たとえば、店の売り上げは「オバちゃん」(あるいは『遣り手婆』)しだいだというのだそうですが、いい「オバちゃん」につけばいいのですが、悪い『オバちゃん』が入ると、売り上げを盗まれたり、気に食わない『女の子』をいじめたり、少しでも店の経営が傾いたりすると彼女たちの『ネットワーク』を利用してさっさと別な店に移るんだそうです。この「むきだし」感に、まずは衝撃を受け、店に来る女の子がさまざまな「事情」をもって「苦界」である飛田に飛び込み、あるものは目標だった額のお金をためて飛田を去り、あるものは飛田の持つ「魔力」からそこから離れられなくなり、とことんまで「堕ちて」行ってしまう…。人間の持つ「性」という根源的なものを「商品」として売買している現場に立っていた人間だからこその視点に衝撃をさらに受けてしまいました。

    ここにつづられているミもフタもないやり取りは虚飾を排した人間の生々しい姿です。そこには金があり、それを掴むものもいればそれによって堕落してしまうものもいる…。いつの時代も変わらない「真実」があるような気がいたしました。現在、筆者は料亭をたたみ、そのときに培った経験を生かして「スカウトマン」として現在も飛田界隈の「住人」として活躍しているのだそうです。妖しい魅力を今でも放ち続ける「さいごの色街」飛田。本書はそこに生きる人間の貴重な証言であり、また記録であると思います。

  • 読みかけで忘れていたので一気読み。

    飛田新地で親方をしていた方の暴露本。

    飛田遊郭の内情を語ることはタブーということもあり貴重な証言だと思います。

    具体的なエピソードを交えて飛田の内情が語られますが、正直内容は薄いですね…。

    飛田を必要悪と言うのもナンセンスな気がしますが、飛田が無ければ生きられない人は確かにいるんだろうと考えさせられました。

  • 飛田内部の人間が、赤裸々に語るのが斬新で驚く事が多い。
    代々経営する人が少ない、意外と横のつながりが無いとか、嬢のスカウトから維持やケア、おばちゃんの重要性、嬢同士の喧嘩の後の手紙とその行動に舌を巻いた。

    欲を言えば、筆者が飛田でもう少し古くから携わっていたら、もっと深い話が聞けてたかなと思った。大正、昭和の話も知りたい。

  • 読み物として面白い。

  • サラリーマンから飛田の遊郭経営者になった人の体験記。開業のきっかけ、開店資金の必要額や開店手続きの苦労、実際に経営する上でのリスクとリターンなどを一通り書き綴っているが『体験記』以上のものではない。

  • 飛田新地の親方後のスカウトマンの記録。要するに色街(旧赤線地帯)の内幕といえば内幕。当然関係者な訳だから否定的批判的な箇所はない。文化風俗の研究と言う程掘り下げてないが軽く読める本。

  • 「人間の道極めるのもオモロイで」から始まった飛田での親方業。今までベールに包まれてたことが,この本で明らかにされている。最後はちょっとええ話やん,と思ってしまうエピソードもあり,面白い一冊でした。

  • 一読の価値あり。飛田以外の新地の存在を知れたのがよかった。

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