神去なあなあ夜話

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著者 : 三浦しをん
  • 徳間書店 (2012年11月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198635060

神去なあなあ夜話の感想・レビュー・書評

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  • 神去村のみんなのなあなあな日々を
    柱の陰からこっそり覗き見ているかのような、この喜び!
    わずか1㎝角にも満たない犬のノコのイラストすらうれしくて
    「ノコ~!元気だった?!」と頬ずりする私。

    本の頁を開いて、自分が物語の世界へと入り込んでいくのに
    なぜだか「おかえりなさい」と言いたくなってしまうのが不思議です。
    これぞ神去村マジック♪

    横浜にいたころは、完全に名前負けのテキトー男子だった勇気。
    ケータイも満足に繋がらない神去村に無理やり送り込まれて1年半、
    めでたく中村林業(株)の正社員としてうれしそうに働いているのが微笑ましい。

    村の起源やヨキ夫婦のなれそめ、清一さんが高校生でおやかたさんとなった事情など、
    耳をそばだてずにはいられない神去村トリビアを交えながら
    都会から来たよそ者ではなく、村の仲間として
    山ですくすくと育っていく木々のようにしっかりと根付きたいと願う
    勇気の姿が温かく描かれます。

    まだ小学生の頃に、働き盛りの両親を一瞬にして亡くしたヨキが
    「俺が死んだら、きっとおまえも、山で俺の気配を感じるようになる」
    と勇気に語る場面が素晴らしくて。

    清一さんを崇拝し、ヨキやノコとじゃれ合い、山太を可愛がり
    直紀に恋い焦がれながら、
    いつか神去の山々とつながれる日を信じて、なあなあでがんばれ、勇気!

  • 勇気の幸せをお裾分けしてもらえる物語。

    主人公の勇気が架空の読者のみんなたち(この呼びかけが好き♪)に向けて書いた日々の記録。
    照れたり落ち込んだり、すごく素直な文章は読んでいてとても心地いい。
    こっちではたくさんの人が勇気のお話を楽しく読んでいるよと伝えたくなる。
    勇気の方では読者は架空の存在で、読者の方では勇気が架空の存在。
    でも本当はどっちもちゃんと存在しているのかもと考えると、これまた嬉しくてにこにこしてしまう。

    神去村で働き始めてから1年経って、勇気は中村林業株式会社の正社員になったらしい。
    村の人から信頼されているし、勇気も村の人達を大切にしているのが伝わってくる。村の一員になったんだなぁ‥と感じる。
    そして一員になったからこそ知ることが出来ることもあって、今回は村の過去についてもたくさん語られている。
    繁ばあちゃんが教えてくれる神去村の昔話も、二十年前に起きた事故のことも、今の勇気だから教えてもらえたんだろうし、受け止められたんだろうなと思う。
    そしていつか勇気が他の誰かに村のことや村での自分のことを話す日が来るんだろうなと考えて、その日のことも絶対記録してねと念を送っておいた。

    恋のお話もとっても可愛く、文章のテンションがぐちゃぐちゃになるのも面白い。にこにこ。

    夜話というタイトルだけど、夜って昼間とはまた違う時間なんだよな。
    晩ご飯を一緒に食べたり、お酒を飲んだり、パーティーをしたり、時には遭難したり(?)、夜を一緒に過ごすことでそれまでよりぐっと近付けるような気がする。
    夜のお話が多いこの本を読んで、私も前より神去村に近付けていたらいいなぁ‥なんて、片思いに似た気持ちになってしまった。

  • 神去なあなあ日常続編やっと読めました!
    今回は林業よりも人物(主に勇気の恋)中心だった。相変わらずハチャメチャなヨキと、しっかりした清一さんのご両親の話は胸が痛くなった。みんな苦労を乗り越えてきているから人に本当に優しくできるんだね。他にもクリスマスの可愛い三太や、意外な繁ばあちゃんの行動に大笑いしたり、勇気のヘタレ具合に呆れたり。色々な人のエピソードが読めて良かった。ひっくるめて言える事は…神去村の面子はいい人ばっかりだ~!

  • 図書館での気の遠くなるよな予約番号。
    いつになったら読めるかな・・と思っていたけど、
    近所の本好きの友達から「買ったよ!次まわすね(*^^*)」となんとも素敵なお言葉。感謝感謝です!(^^)!

    友達のおかげで勇気のその後が見れました。
    成長したね~勇気くん。すっかり神去村にもなじんで、山の仕事にも慣れてきた感じで。前作では逃げ出そうとしていたのに、山の仕事がすっかり好きになってしまい、頼もしく感じた。
    今回は直紀との恋バナもあり、2人のその後が知れてよっかた。
    恋の話も多く、だから夜話なんかなぁと納得。

    日本昔話のような神去村
    前作以上に、そんな神去村の不思議な魅力が描かれていたように思う。

    前作から、清一派なんだけどヨキもなかなかいいね♫
    2人のつらい過去には涙・・・でした(T_T)

  • 「神去なあなあ日常」の続編。
    田舎の村の暮らしが、いまどきの若い者の視点と口調で楽しげに語られます。
    楽に呼吸できる気分で、読めますよ。

    高校を出てふらふらしていた平野勇気は、和歌山県の山奥の神去村に送り込まれて1年。
    林業にもだんだん慣れてきて、正社員に。

    小学校の先生で年上の直紀さんには告白してあるのだが、ドライブの誘いは3回に1回ぐらいしかオーケーしてもらえない恋人未満の状態。
    村中にその有様は、バレバレという。

    ヨキ夫婦の結婚のいきさつやら夫婦喧嘩やら。
    繁ばあちゃんのたくましさも笑えます。
    清一さんとヨキの家族に昔、起きたこと。
    山暮らしを舐めてはいけない厳しさ。
    どこか不思議な村の風習。

    清一さんの息子の山太とよく遊んでいる勇気は、クリスマスをやりたがる山太の気持ちを思い、皆で工夫することに。
    楽しいですね~。
    特別な濃さはないですが、人が生きているたくましさが何気なく伝わり、心地よく読めました。

  • 相変わらずゆったりと時間が流れていく神去村にずいぶんとなじんで、ようやく正社員として山の仕事に励む勇気くん。

    勇気が居候させてもらっている先輩、ヨキさん。
    ヨキの優しさも辛さもまるごと深い愛情で受け止める奥さん、みきさん。
    村の小学校の先生で、勇気が思いを寄せる直紀さん。

    みんな若いのに、しっかりしている。地に足がついている。
    自然と対峙して生きていく、生かせてもらっているとちゃんとわかっている。

    勇気くんは、横浜から1年ほど前に何の経験もなく、林業の世界に放り込まれた。手伝いや下働きを経て、ようやく正社員になったものの、経験も体力もまだまだ十分とはいえず、自信を持てそうになっても、時折ぺちゃんこに打ちのめされることもある。

    働くって、そういうことなんだと思う。
    歳をとって、先を見通してずいぶんうまく立ち回れるようになったはずなのに、未だに思わぬところからパンチを食らうこともあるもの。
    それでも、落ち込むようなことがあっても、そこから学んでいつまでも、成長できるはず。

    一見豪放なヨキさんのこと、神去村のまだ踏み入れてない場所も知りたい。勇気くんがますますたくましくなって、立派に仕事をする姿をまた見たい。
    ずうずうしいけれど、気持ちだけでも一緒に成長したいものです。

  • 神去村にやってきて一年。
    最初はすべてが驚きの連続で、逃亡を企てたりおっかなびっくりだった勇気も、
    ずいぶん村の暮らしに慣れ、たくましい山の男へと変貌しつつある。
    なあなあな村人と交流を深め,直紀さんとの距離を着実に縮め、
    ヨキや清一さんの両親を巻き込んだ過去の大事故を知るようになる。

    前作をもうだいぶ忘れているかと思ったけど、意外に色々覚えていて、
    どうも久しぶり、ただいま神去村!な気分になれた。
    前作より、林業ではなくて村の生活にスポット当ててて、少し残念でもあったけど
    神去村がより身近に感じられた。こんな信じられてるお稲荷さんとかいいな(笑)
    ちなみにこの本、勇気がこっそり書いてる日記という体裁だったんですね。
    一人称だったのは覚えていたけど、こんなの夜中に書いてるんだと思うと
    ちょっと笑いがこみあげてしまう。

    とはいえ、村の色々な伝承に、村人のファンタジーだなんて思いつつ、
    しっかりなじんでいる勇気が微笑ましい。
    そして、ヨキとミキさん夫婦の押せ押せななれそめやら、パソコンを乗っ取って
    執筆を始めちゃう繁ばあちゃんやら、家の人たちのエピソードも楽しくて。
    村の平均年齢60歳、娯楽は何もない超過疎の村。
    都会っ子でへたれだった勇気が活き活きと働ける理由もわかるなぁ。

    “自分が死んでも、あとを生きるひとが幸せでありますようにと祈って、神去村のひとたちは山の手入れをしつづける。その信頼こそが、愛ってやつじゃないのかなぁ”

    すぐに結果が出るわけではない林業という世界。
    自分の子の世代、孫の世代に引き継いでいくことを前提として、
    日々地道な山の手入れをする。
    そんな暮らしの中で神去村の人たちが当たり前にすりこまれている意識が、
    ハイスピードで流れていく現代の人と離れていて、素敵だなと思った。

  • 子供の頃訪れた事のある父の田舎は
    今考えてみると、
    何もない辺鄙な山村であった。

    でも、
    当時の私には、不思議と
    何もかもあった(いた)という嬉しい記憶しかない。

    この矛盾は一体何??
    ここ神去村にて、しばらくの~んびり過ごしてみたら、
    何かその謎が、解けた様な気がした。

    何もない、といえば、
    この神去村にも、便利なコンビニ、スーパー、娯楽施設や病院、
    便利な施設はなにもない。

    でも、山はある。
    木々や緑なら溢れんばかりにある。
    だから
    (ここは居心地いいね。)と、神ならば居つくのかも。

    (神が去った村、とは言うが、
     その辺りの事情は、話術巧みなおばあが話してくださる。)

    神と共に
    緑と共に
    あと、少ない住人だからこそ、関わりの深くなる村人達と共に
    生きる時間の
    やぁ、
    面白き事♪
    たくましき事♪
    ときめく事♪

    読書中は村の綺麗な空気をすぅすぅ吸っていたので、
    読後は酸素カプセルから出てきたような清々しさ。

    夏休みを終えての帰宅後、久し振りに会った友人達から
    「何か、MOTOちゃん変わったね。」
    と、言われた。
    何故そう言われたのかが、今頃になってわかった様な気がした。

  • 百年後を見据えて、百年前の先祖を思って毎日を暮らしていく。
    そんな大きな繋がりを感じて読み終えた。
    ちょっとエッチでちょっとホロっとさせられる物語でした。

    平野勇気、18歳。
    フリーターで食っていくはずが三重県の林業の現場にいた。
    個性的な住民に刺激を受けながら成長していく。

    勇気の話より沁み込んだ話がある。
    ヨキさんとみきさんとの結婚に至る話。
    ヨキさんが語る不幸な日の話。
    楽しいし深いし哀しいし…そして、強い。
    山とともに生きていくと決めた男たち、女たちの心持ちが気持ちいい。

    私は海が好き、でもこの本がキッカケで山を見る目が変わったかもしれない。
    山もいいなと思えた、いいなと思える世界が増えることは幸せなこと。

    残念だったのは各章ごとの勇気の日記?の締め方。
    締め方が違っていたらもっとステキな小説に感じたと思う。

  • 面白かったー。
    「夜話」で「やわ」と読むんですね。=よばなし=かと思っていました。

    でも「日常」程の爆笑はなく、どちらかと言うと…
    少し生々しい「あだると」なお話と、過去の秘密で泣けた。


    江戸時代ほどではないけど、神去村は夜もストレートすぎるw
    もぅ…ヨキとみきさんが。。。(/ω\)
    一部あだると過ぎて赤面しつつ読みました。


    でも田舎って本当に生活やプライバシーや人権保護?が
    大変で、近所付き合いも濃いから面倒くさいし
    (若いころはそれがたまらなく嫌だった)
    「こんな村嫌だー」と吉幾三並に主張したけど
    離れてみると、懐かしさを感じる。
    「講」も出てくるのでびっくりしたり。(どこでもあるのね)


    いいなぁ~と思ったのが稲荷神社。もめごとが起こる前に
    解決できるというのが素晴らしい。
    うちの田舎はこういうの無理なくらい、色々あったからねー。
    平和が一番です。


    そして勇気君!がんばった甲斐がありましたね!
    本当によかったね。

    続きが気になって仕方がないのであります♪

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神去なあなあ夜話の作品紹介

辞書作りや、林業など地味な仕事を面白い小説に仕立てる天才・三浦しをんがふたたび神去村の日々を描く。 林業お仕事小説!

神去なあなあ夜話の文庫

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