- Amazon.co.jp ・本 (501ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198637330
作品紹介・あらすじ
天下布武を急ぐ信長。その野心は実現の一歩手前まで来ていた。信長が寵愛し、乱丸が師とも兄とも慕った近習・万見仙千代の死ののち、乱丸はただひとり信長の心の奥底を知る近習として重用される。父子にも似た信頼関係。だが、主のために身命を賭す覚悟の乱丸を惑わすひとりの女性が。さらに、覇者の知性と狂気を恐れる者たちもいた。異国から来たバテレン達。帝を擁する京の公家衆。そして……。乱世を生き急ぐ信長と乱丸を襲う炎の結末!
感想・レビュー・書評
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織田信長という稀代の天才を掘り下げるためにはやはりその周りの武将に側近たちを読破しない限りたどり着けないものがある。彼の行った数々の行いは賞されるものもあれば、愚行と取られるものもあるが読まなければたどり着けない境地もある。
先日の関西周りの際に行きたかった場所がある「聖衆来迎寺」本来なら中世の建築物が残っていていいのだが、江戸時代の地震でその建物は残っていない。琵琶湖近くの比叡山にあるこの寺は信長の比叡山焼き討ちの際に焼き討ちを逃れた寺である。敵には厳しさを見せる信長ではあるが、森可成を手厚く葬ったこの寺には手を出すことはなかった。
「乱丸」
森蘭丸を中心に信長を取り巻く小姓たちを描いた作品です。物語の一端を担う形で多くの人物が登場してきたが、小姓軍団が中心になった作品。しかも宮本先生にこの年代の物語を書かせたら読者の立場としてはやはり冒険に飛び出た感覚に陥る。
上下巻の1000Pにわたる作品だが、時間を惜しむなどと思わせないいい作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
場面場面は読んでて清々しくて良いけど、いかんせん展開がどんどこ都合のいいような辻褄が合わない方向に進んで行って、最後本能寺に至る明智光秀を決心させたのが理由が「あれ」では、さすがにスケールダウンしてしまった。でも、そういう裏のゴタゴタは置いといて、乱丸と信長、小姓たちとの強い繋がりを感じさせる心温まるエピソードの数々は、読んでいて一人の人間としての信長像の新たな一面を感じさせてくれた。あ、ちなみに、乱丸とか小姓たちと信長のいわゆるそういう関係はなかったていになってます。
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乱丸があまりにも出来すぎで、ホンマかぁ?そんな奴おらんやろ!と思うところも多々ありましたが、戦場だけでない戦国時代ものって初めて読んだので、結構面白く読めました。
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信長が寵愛した近習として、言わずとも知れた森蘭丸が主人公。上下巻。
上巻ではあまりに乱丸がいい子、優等生過ぎて、ちょっと、、、なところもあったのだが、その真っ直ぐさが故の危うさが出てきた下巻からの方が断然にページを捲る手が忙しくなった。本能寺の変という結末を知っているだけに、どう物語が収束していくか、やはり気になるし。しかし、やっぱり女性絡みか。乱丸ほどの知慮でなぜ、彼女に魅入られて雁字搦めになってしまったのか、読み手としては少々不満が残った。やっぱり若さ故?石川五右衛門をうまくストーリーに絡ませたのは面白かった。 -
上巻を読んだのは 3月なんだが、面白くて下巻500ページを一気に読んでしまった。できすぎの感はあるが森蘭丸がまっすぐですがすがしい。もちろん本能寺の変の謎解きは大きな興味なんだが、ちょっとスケール小さい
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切れ者の乱丸が何故あからさまに怪しい例の女を信じてしまうのか、光秀が何故叛心を起こしたのか、など描ききれてない面もあったが、主従関係を通して信長の内面に鋭く迫っており、読みごたえがあった。
背後に暗躍するイエズス会の思惑と戦略もさもあらんと思わせる緊迫したやり取りで現代の政治家もこれぐらいの駆け引きをやってくれればと思った。 -
あまりにも純粋で、切れものの乱丸の危うさが、最初から最後まで緊張感を持続させていて、結末はわかっているのに、ハラハラしながら一気に読み進んだ。
生き急ぐように天下統一まで一気に突き進む信長の真意を汲み取り、その取り憑かれたような情熱と孤独を正しく理解していた者として、短い一生を駆け抜けた若者の美しくも儚い生の輝きが描かれている。 -
テーマが新鮮で面白かった。衆道の絆はかくも深いものなのかと感心…。
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本能寺というラストへ向かって何がどう転んで行くのか、で
興味深く読み進められた。
でも、なんだろう?
なんだか「ハナにつく」。
『海賊と呼ばれた男』に共通する、好きになれない感。
出来杉くんアレルギーなのかしら?
ダメンズ好きとしては、こう、もっと
「ああああ!そっち行っちゃ危なし!」とか
「ををををヲマエはあほか!」とか
ツッコミつつも、見守りたいのね。
そう言った意味では、存外に情けなかった五右衛門が
ちょっと良い味だしてたかも。
そう言えば初めて読んだ宮本作品は『もしかして時代劇』。
あれも五右衛門がナイスやったっけ。