日本はこう激変する: 2014‐15 長谷川慶太郎の大局を読む (一般書)

  • 李白社
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198637651

作品紹介・あらすじ

毎年恒例の『大局を読む』シリーズの臨時版。前著は時間の関係上、東京オリンピック、TPP,減反政策と日本国債の行方、リニアモーターカーの評価などを取り上げることが出来なかったため圧倒的な読者から『臨時版』を望む声が続出。そこで今回の企画になった。

感想・レビュー・書評

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  • 2015/09/18:読了
    ・オリンピックで東京都地方の格差が拡大
    ・リニアはかならず失敗する
    ・TPPで農協崩壊
    ・世界経済は日・米・独が牽引する
    ・米の量的緩和縮小で一番ダメージを受けるのは中国

    リニア失敗ってのは、どうなのかな?

  • 第四帝国の話が面白い。神聖ローマ帝国が復活するのかなあ。

  • どうも私は昔から「緊急出版」とか「激変」というタイトルに惹かれがちで本屋さんにならんでいると手にとってしまう癖があります。その著者が昔から追いかけているこの本の著者である長谷川氏の場合は、なおさら、その誘惑を抑えることができません。

    悪い癖だとは思いながら、飲み屋で美味しいハイボールと「つまみ」を飲んだことにして、この本を買い求めてしまいました。

    長谷川氏は、消費税が上がったとしても日本経済の好調な勢いは変わらないと断言しているようです。その根拠がこの本に示されているようですね。日本は、特に、東京オリンピックの開催が決まって変わっていくのでしょうか。

    確かに私が生まれたときに開催された前回の東京オリンピック(1964)は、日本を大きく成長させました。二匹目の「どじょう」はいるのでしょうか、など考えながら、読ませていただきました。

    日本経済の未来を心配している本は山のようにあるので、今後はそれらと比較しながら読んでいきたいと思いました。

    特に、中国の小規模都市における農民工の都市戸籍付与の方針が決まった(p141)は興味深いものでした。

    以下は気になったポイントです。

    ・政府は2013.11に5年後の2018年度に減反をなくす方針を決めた、変動補填交付金も2014年度から廃止、これらはTPPの妥結を睨んだもの(p19)

    ・重要5項目の関税分類586品目のうち、加工品の約230品目については関税撤廃を検討するようになった。(p24)

    ・日本市場の魅力は、1)日本人の舌は肥えているので日本で売れればそれは世界中で売れる、2)市場規模(特に高級)は中国よりも大きい(p26)

    ・リニアは実用化できない、理由はコストが合わない、9兆円は高すぎる。トンネルを掘った土をどこに捨てるか決まっていない。(p41)

    ・磁力の力で走行するリニアの車内の空間も強い磁場が生じるので、発車前に乗客は磁気を遮断する鉛の箱に、キャッシュカードなどを入れる必要がある。そうしないと磁気情報が消える(p42)

    ・低金利とはお金が余っていて、高金利はお金が足りないということ。日本の銀行が持っている余裕資金は5年前の5倍になり、世界中の優良企業の経営者が殺到している、貸すのはドルなので円安になる(p53、54)

    ・財政赤字を増やさないための絶対条件が消費税増税、直接税から間接税である消費税を増やして、デフレ時代の税制の基本となる(p61)

    ・重粒子加速器は、一つの部位にとどまっている固形の癌(脳腫瘍、肺がん、肝臓がん、前立腺がん)に有効(p71)

    ・アメリカでは、シェールガスのおかげで電力、原料コストが安くなってきたので、海外に出ていた製造業(フォード、キャタピラー、ダウケミカルなど)(p74)

    ・アメリカでLNGプラントの受注ができそうな企業は、日本の日揮・千代田化工など、世界に5社くらいしかない。ダウケミカルをアメリカ進出の提携先に選んだのが出光興産、いままで千葉製油所でアルファオレフィンをつくってきが2016年から、ダウケミカル製エチレンを使ってアメリカでアルファオレフィンを生産する(p78)

    ・アメリカの認可を受けたので、大阪ガスと中部電力は、2017年からアメリカのテキサス州フリーポートでLNG化したシェールガスを日本向けに440万トン輸出す
    る(p82)

    ・パナマ運河で許容されている船の最大幅が、現在の32→49メートルになる、日数で南米南端廻りのルートよりも4割短縮できる、LNG輸送船においてLNGタンクは日本企業(IHIなど)しかつくれない(p87)

    ・世界貿易を総額17兆ドルとすると、90日間の決済猶予期間を設けるには、実に4.2兆ドルの現金が必要となる。これを調達できるのはニューヨークのみ、つまりドル通貨(p114)

    ・一人っ子政策の緩和とは、夫婦のどちらか一方が一人っ子なら、第二子の出産を許可するというもの(p137)

    ・11月の三中全会では、戸籍改革と都市化の推進という方針が決定された。農民工についても小規模都市を中心に都市戸籍を与える市民化を進めることになった、これは大都市では続けるというもの(p141)

    ・中国でのシャドーバンキングの取引規模は2012末で、20.5兆元(350兆円相当)、2013.11の三中全会で重要な決定が承認された。シャドーバンキングの経営権は、習氏に服従するシャドーバンキングの1割にあたる3000の民間銀行(2013.10に銀行設立ラッシュ)に移行した(p147)

    ・モスクワでは排煙による大気汚染は起こらなかった、モスクワにある大型発電所(天然ガス)の廃熱を配管を通して各アパートにおくってセントラルヒーティングにしているから(p156)

    ・2008.1に中国では新しい労働契約法が施行され、終身雇用契約を結ぶとともに労働者の解雇に制限を加えるもの(p162)

    ・中国政府は経済成長率を抑えるために、電力・鉄鋼・
    石炭・セメント・機械という5業種に指定して、2013年の生産実績を上回る生産をしてはならないという方針を出した(p171)

    ・2013.4から商用運転した勿来発電所(いわき市)の熱効率は一般石炭火力に比べてほぼ倍の52%であるうえに無公害(p197)

    ・ドイツは現在第四帝国、神聖ローマ帝国(962-1806)、第二帝国(1871-1918)、ナチス時代(1933-1945)につぐものである(p206)

    2014年5月4日作成

  • すでに違っているところもある。。
    アベノミクス万歳、シェールガス革命だ。といった感じの本で、ちょっと極端な話になっているように思う。
    特に、ドイツは日本の原発事故で原発→再生可能エネルギーに振ったような下りでげんなりしてしまった。

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著者プロフィール

国際エコノミスト。1927年京都生まれ。1953年大阪大学工学部卒業。新聞記者、雑誌編集者、証券アナリストを経て、1963年に独立。1983年に出版した『世界が日本を見倣う日』(東洋経済新報社)で、第3回石橋湛山賞を受賞した。

「2020年 『中国は民主化する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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