辛夷の花 (文芸書)

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 116
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198641375

作品紹介・あらすじ

九州豊前の小藩、小竹藩の勘定奉行・澤井家の志桜里は近習の船曳栄之進に嫁いで三年、子供が出来ず、実家に戻されている。近頃、藩士の不審死が続いていた。現藩主の小竹頼近は養子として迎えられていたが、藩主と家老三家の間に藩政の主導権争いの暗闘が火を噴きつつあった。藩主が襲われた時、命を救った木暮半五郎が志桜里の隣家に越してきた。剣を紐で縛り”抜かずの半五郎”と呼ばれてきた男が剣を抜く時! 小藩の藩政を巡る攻防と志桜里の思い。

感想・レビュー・書評

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  • 今年読んだ本のベスト1か2です。

  • 2020.10.03
    武士の世でかようなことがあるのかと思うが、爽快感と清々しさと家族の愛を仄々と感じさせる。良かった、良かった!これが本当の感想。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    九州豊前、小竹藩の勘定奉行・澤井家の志桜里は近習の船曳栄之進に嫁いで三年、子供が出来ず、実家に戻されていた。現藩主の小竹頼近と家老三家の間に、藩政の主導権争いの暗闘が火を噴きつつある近頃、藩士の不審死が続いていた。ある日、隣家に大刀の鍔と栗形を浅黄の紐で結んで“抜かずの半五郎”と呼ばれている藩士が越してきた。庭の辛夷の花に託した歌の意味とは…。爽快、痛快、迫真の長篇時代小説!

    平成31年3月4日~7日

  • なかなか素敵な話でした。

    戦いの所は一気に読みました。
    歴史は難しいので、理解しづらいのですが、分かりやすい内容で、面白く読めました。

    芯の強い女性がかっこよく描かれ、気持ち良い読後です。

  • 2017.6

  • 勘定奉行澤井家の娘志桜里は子供に恵まれず、三年で離縁され実家で過ごしていた。隣家には、刀を浅黄紐で結んだ「抜かずの半五郎」と呼ばれる藩士が越してくる。
    勘定奉行は藩主の命により、家老三家の不正を暴き藩政改革に乗り出そうとするが、それを知った家老たちから閉門の窮地に追いつめられしまう。
    志桜里を守るために命をかけて戦う半五郎、悪と戦う澤井家の面々の活躍が清々しく心躍る時代小説。志桜里と半五郎の恋の行方は・・・

  • 分かりやすく読み易い時代小説。最近葉室さんの作品はこういう作品が多いような気がします。芯が強く己がある女性、世間にどう思われようと信念を貫こうとする男性。正しい者が勝って落ち着くところに落ち着く物語は気持ち良いのですが、少々物足りなさもあります。葉室さんの心振るわせられる物語が読みたいです。

  • L

    読了後のつぶやき。「ええ話や」
    前半でピークが過ぎて、おや?と思ったらそこから先あれやこれや騒動が巻き起こり、飽きさせない。そんでもって最後は晴れ晴れとした感じで、まさに時代劇王道。離縁された志桜里、刀を抜かない半五郎、お家騒動の渦中にいる志桜里の父庄右衛、志桜里の妹弟たち、元婚家の姑、まぁ粒ぞろい。間抜けなやつは最後まで間抜け、カッコイイ奴は最後までかっこいい。幸四郎のことだけど。清々しすぎて、幸四郎と里江、新太郎とすみ、たちのその後まで気になっちゃうよ。

  • しっかり者の出戻りヒロインと、「抜かずの半五郎」の異名を持つちょっと変わった武士とのご近所恋愛話に、藩主と家老たちとの確執を絡めたエンタメ時代小説。大掛かりな立ち回りもあって、映像化すると面白いかも。姑・鈴代さんの「わたくしは生きていくうえでの苦難は、ともに生きていくひとを知るためのものではないかと思うのですよ」という台詞がよい。

  • お家騒動と信念と恋愛を絡めた時代小説。

    葉室さんの十八番ですね。
    このネタなら絶対はずれはないと思いますが、自分としては飽きてきたような気がします。

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著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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