日本人が教えたい新しい世界史

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著者 : 宮脇淳子
  • 徳間書店 (2016年9月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198641733

日本人が教えたい新しい世界史の感想・レビュー・書評

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  • この本は年末(2017)大掃除で部屋の隅っこに、読みかけ本として発掘されたものです。殆ど読み終えていたので、最後まで読み通しました。昨年(2017)は世界史に目覚めた年であり、何冊か読んでましたが、この本も私の期待に応えてくれました。

    以下は気になったポイントです。

    ・歴史が成立する条件として、1)直進する時間の観念、2)時間を管理する技術、3)文字で記録をつくる技術、4)物事の因果関係の思想、がある(p14)

    ・本来の歴史とは、ある物事について、なぜそういうことが起こったのか、その前にどういうことがあったからそういう出来事が起こったのだ、という因果関係を明らかにしたいという動機によって書かれるもの(p18)

    ・世界中どこにでも歴史が生まれたわけではない一番の理由は、時間をきちんと計測して記録に残すということが、非常に高度な文明にしか誕生しなかったから(p27)

    ・長江文明は漢字を発明したけれど、漢字発明が発展したのは黄河の中流の洛陽盆地、そこでは多種多様な人間集団がやってきて商売をする、交易の十字路であったから(p31)

    ・古代4文明の中で、歴史が本当に書かれたのは、シナのみ。エジプトの遺跡にもファラオの話は記録されているが、国の歴史としては書かれていない。(p32)

    ・インドの文化は輪廻転生が非常に重要、六道輪廻といい、衆生(しゅうじょう、生きもの)には6種類あって、天(神々)、阿修羅(悪魔)、人間、畜生(動物)、餓鬼(幽霊)、地獄(p35)

    ・来世でどんな種類の生物に生まれ変わるかは、今生でどのような行為を積んだかによって決まる、これを「業」という(p36)

    ・世界には2つだけ、自前の歴史文化を持った文明がある、地中海文明とシナ文明(p54)

    ・ヘロドトスの書いた「 ヒストリアイ」の中のメッセージは、1)世界は変化するもので、その変化を語るのが歴史、2)世界の変化は政治勢力の対立・抗争により起こる、3)欧州とアジアは永遠に対立する2つの勢力である(p67)

    ・ユダヤ人をどう定義するかというと、ユダヤ人の母から生まれた子供は全員ユダヤ人(p86)

    ・話し言葉はみんな違っていたのを、漢字は意味を伝える文字だったので文字の形だけは1つにしたが読み方の統一はされなかった、日本人は漢字を輸入したが、もともと日本にあった言葉が、同じ意味を持つ漢字の訓読みとなり、輸入してきたときについてきた漢字の読み方が、音読みとなった(p99)

    ・秦が統一したのは紀元前221年なので、正しくは、シナ2200年である(p101)

    ・現代中国語の7割は、実は日本人が明治時代に英語やフランス語、ドイツ語から翻訳するときにつくった組み合わせか、古典にもあるけれど意味が違うもの。(p104)

    ・戦国7国はそれぞれ隣の国との境に土を固めて作った「長城」をつくっていた、統一した秦の始皇帝は内側の境界はこわしてしまったが、遊牧民の侵略を防ぐために、北方の長城だけは残してつないだのが、万里の長城である(p112)

    ・中国の統一は、秦(前221)、隋(589)、元(1276)、清(1644)がある、現在の中華人民共和国は1949(p129)

    ・毛沢東は、ピンインだけにする計画を持っていて、その前段階として、漢字を簡単な字にした。聞く分にはわかっても、その通りに発音できるかというと全員ができない。自分の発音とおりに書いたら、きちんとしたピンインが書けない、なので毛沢東はピンインの採用をあきらめた(p131)

    ・清朝では、満州、モンゴル、チベット、イスラム教徒、漢人地帯の5つがバラバラに統治されていた(p140)

    ・日本は菅原道真が遣唐使を廃止して以降は、ほとんど大陸とは正式な関係を持っていない、唯一の例外は室町幕府の足利義満が、日本国王と称して明の皇帝と勘合貿易をしたこと、正式の外交は1871年の、日清修好条規である(p173,174)

    ・7世紀末の天智天皇、天武天皇の直系の祖先からは、はっきりと男系で継承されていることが史料に残っている、1300年以上続いている(p184)

    2018年1月2日作成

  • 内容的にはいいのですが、妙にご主人を褒めてばかりで何か気持ち悪い感じがしたのですが、最後まで読んで、これがテレビ番組から文字に起こしたものと知り、そのせいで、やや文字だけで見ると気持ち悪さにつながっているのかとやや納得。
    内容に戻ると、日本すごいとか、世界すごいとかではなく、極めて中立的に世界史教育や歴史対立の問題点を指摘していて、勉強になりました。私のようにこの手の話には疎い人でも読める。そもそも、歴史とはから学ぶにはいいと思います。

  • 読了。
    政治ポジションとしてニュートラルとは言い難いものの、歴史に対峙する際の心構えに関して、示唆に富んだ一冊。
    「歴史書が書かれたということには必ず目的があり、書かれたことをただ無批判に受け入れるのではなく、何故そのようなことが書かれたのか、という背景に思いを巡らせる必要がある。」
    確かに絶対的に正しい歴史など存在せず、それは観方や立場で如何様にも形を変え得る。米国から見ればジョージ・ワシントンは建国の父だが、英国から見れば反乱軍の親玉だと言える(笑)。

  • 旦那様であられる岡田英弘先生の副教本、解説本でしょう。 岡田先生の理論・お仕事を実にわかりやすくかみ砕いて書き下しておられます。世界史の教養本としてお勧めです。とても解りやすくて骨のある歴史書でもあります。

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日本人が教えたい新しい世界史の作品紹介

人類が誕生して文字を獲得すれば歴史が成立するというほど歴史は簡単なものではない。これまで世界で歴史と呼びうるものは、地中海文明のヘーロドトスとシナ文明の司馬遷の二人による記述しかなかった。いま世界は、それぞれの国民国家が自分たちは正しいという歴史を主張しているが、国民国家の歴史をいくら集めても世界史にはならない。国家と時代の枠組みを超える新しい世界史を日本はどのようにつくるべきか。歴史を根源に遡って考察する。

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