- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198644291
作品紹介・あらすじ
朝、目がさめると、雨がふっていた。ぼくは、外に行きたくてたまらない。だって、雨の中であそびたいんだ。でも、おじいちゃんは、雨がやむのを待とうって言う。雨、やまないかな…。もう、やんだかな…。ようやく雨がやんだ。さあ、おじいちゃんと手紙をポストに出しに行こう! ドアをあけると…? 雨を楽しむ気持ちをていねいに描く、ファンタジックな楽しい絵本。作者は英国で活躍する若手イラストレーター。雨の季節にぴったりの絵本。
感想・レビュー・書評
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『雨の絵本』特集、三冊目は、「サム・アッシャー」の「あめのひ」(2016)です。
まず表紙ですが、思わずじっと見てしまうような、あらゆる水の描写の、ぼやかした感じも含めた美しさと、それとは対照的な、ラフに描いた親しみやすい男の子の絵が印象的であると共に、他の絵本と比較して、縦に長めのサイズが、奥行きと高さを効果的に表しており、これが物語の面白さを倍増しているような気が致しました。
あさ、めが さめると、
あめが ふっていた。
ああ、そとに いきたいなあ。
物語は、早速縦長のサイズを見事に活用した男の子の部屋と、そこにある窓の占める割合を広げた描き方により、そこから見える雨の様子もはっきりと分かり、男の子の台詞には、外に遊びに行きたいけれど、雨が降っていることへの残念さが窺えそうです。まあ、それもそうか。
おじいちゃんは
うちに いなさいって いうけれど、
ぼくは、あめの なかで あそびたいんだ。
って、あんたもそっちか(^^;)
この前読んだ、「雨、あめ」同様、雨が降っている時に遊びたい子どもは、案外多いのかもしれない。
そこで、どんなことをしたいのかというと・・
あめの つぶを くちで うけたり、
みずたまりに バシャーンって とびこんだり…。
のぞきこむと
みんな、さかさま。
なるほど。改めて子どもの視点って、物が無くても、自ら率先して遊びとなり得るものを、探して見つけるものなんだと思いましたし、大人以上に周りをよく見てますよね。
そして、おじいちゃんに雨が止むまで待ちなさいと言われた男の子は、渋々ながらも待つことに。
でも、まだ雨は止まなそうだね。
外の、夜のような灰色がかった風景には、人通りもほとんどなくて、どこか哀愁めいた感じもするし。
その後、男の子は、絵本を大量に窓辺に持っていきながらも、しきりに雨が止むことを気にしており、そのソワソワ感も分かりそうだけど、私は、♡マークのついた手紙を、顔を赤らめて読んでいる、おじいちゃんの方が気になる。
そして、「もう、やんだかな?」と、窓を見た男の子だったが、まだ降ってる・・しかも雨脚がさっきより強まった気が。
「ねえ、おじいちゃん。ぼく、ふねに のって、
うみの かいじゅうと あそびたいな」
と、男の子が言うと、
「あめが やんだらね」
と、おじいちゃんは返事しながら、ゴミ箱に何度目かのクチャクチャに丸めた紙を捨てる。
それには目もくれず、また窓を眺める男の子。
でも、「まだ、ふってる!」。
残念。っていうか、よくよく見ると、これって凄いことになってない?
だって、同じ外の絵をそれぞれ照らし合わせてみると、どこかが違うような・・
「ねえ、おじいちゃん。
ぼく、みずに うかぶ まちに いってみたいな」
「よーし、でかけよう。いそがないと、
ゆうびんやさんが きちゃうからな!」
おじいちゃん、それ理由ありきでしょ(笑)
でも、雨、止んだのかな。
うん? その絵の窓から見える空模様はもしや・・
「やんだ!」
これまで、ずっと見ていた、雨降りの景色から一変して、雨上がりの景色が、こんなに美しいものだとは思わなかった。水と光の織り成す芸術というのだろうか。そして、その歪んで見える様にも、どこか晴れ晴れとした爽やかさが絵本から感じられそうで、とても心地好く、まるで、これから出掛ける、男の子とおじいちゃんの気分を表しているようだ。
もう、この後の物語を書く必要はありませんよね。
雨降りの日に於いても、どこか明るい雰囲気を持った二人のやり取りが特徴的な、世界的視野に基づいた、雨がもたらしてくれた喜びには、私も見ていて楽しい気持ちにさせられた、梅雨明けを予感させるような絵本です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
[江東区図書館]
雨が降った街の中にボートで繰り出す予想外のお話。
同じ構図の表紙絵を持つ、「かぜのひ」もあるみたいなので、二冊揃えて読みたい本。紹介文では、筆者の処女作『CanYouSeeSassoon』が子供たちに選出されて賞をもらっているみたいだけど、それも読んでみたいな。 -
雨の日のお楽しみ。
あまりピンと来なかったのは、年をとって雨がうっとうしいとしか思えないからか。 -
6歳
読み聞かせと同じシリーズでついでに借りた
親はこちらの方が好み
雨空や雨、雨粒の描写がリアルで美しい一方
展開はファンタジーでそれもまた面白い
漫画のコマ割りみたいなカットもあって
センスが光る
展開は風の日と似てる -
雨が降ってきてなかなか出かけられない。
おじいちゃんは手紙を書いていて、僕は船に乗って、水の上に浮かぶ街に行って、祭りやって曲芸したいんだ! みずに映る世界、一挙にクライマックス。 -
「朝、目がさめると、雨がふっていた。ぼくは、外に行きたくてたまらない。だって、雨の中であそびたいんだ。でも、おじいちゃんは、雨がやむのを待とうって言う。雨、やまないかな…。もう、やんだかな…。ようやく雨がやんだ。さあ、おじいちゃんと手紙をポストに出しに行こう! ドアをあけると…? 雨を楽しむ気持ちをていねいに描く、ファンタジックな楽しい絵本。作者は英国で活躍する若手イラストレーター。雨の季節にぴったりの絵本。」
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1歳11ヶ月。
少し難しかったかな?
ママ的には絵が綺麗で好き。 -
★まっていると、いいことが あるもんだな
・雨に閉じ込められた男の子は外で遊びたくてしかたないけどおじいちゃんは「まあ、まちなさい あめが やむまで」という。
・《ぼく、みずに うかぶ まちに いってみたいな》と男の子は言うが雨に沈むまちはそういうまちになりつつある。
・キャラクターの絵柄はちょっぴりピーナッツたちに近いでしょうか。 -
よかった