海がきこえる〈2〉アイがあるから (徳間文庫)

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著者 : 氷室冴子
  • 徳間書店 (1999年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198911317

海がきこえる〈2〉アイがあるから (徳間文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 海がきこえるの続編

    拓と里伽子にまた会えると思うと、
    それだけで嬉しくて手に取った本。

    近藤勝也さんの作画集はいまでも大事に持っています。

    青春小説ですね。

    ブクロブに出てくる表紙、
    出来れば文庫本のアニメ絵ではなく、
    ハードブックの表紙にしてくれないかな~

  • 大学入学後の拓.里伽子と津村知沙.美香が主にメインとなる物語。
    複雑な人間関係と繊細な感情が読んでいるうちに癖になりそうでした。
    ちょっぴり大人になった拓と里伽子の恋模様を見守るのがとても楽しかったです。

  • 杜崎拓は、大学の先輩である津村知沙が、妻を持つ男性との恋に落ちていることを知ります。彼は、東京の大学に進学して一人暮らしをしている武藤里伽子から食事に誘われますが、レストランには父親の再婚相手である前田美香の姿がありました。彼女と2人で過ごすことに耐えられなかった里伽子が、そのことを拓にも美香にも告げることなく、彼を同席させたのです。

    ところがちょうど彼女たちが食事をしているとき、同じレストランに不倫相手の男と知沙も来ていました。里伽子は知沙に侮蔑的な言葉を投げつけ、彼女を傷つけてしまいます。そしてこの事件がきっかけとなって、拓は里伽子だけでなく、どこにも行き着くことのない関係から離れることができずに苦しむ知沙にも、辛抱強く付き添っていくことになります。

    2人のヒロインが、一方は不倫相手と再婚した父親を持ち、他方は妻のある男性を好きになってしまうというように立場は違えど、共に不倫の関係に傷ついていく姿が描かれているのですが、ストーリー全体がけっしてドロドロした雰囲気にならず、それどころかピュアな印象さえ受ける青春小説として成立しているのは、彼女たちの気持ちを理解しようと努めながらも理解できずに戸惑っている拓の視点から描かれているためでしょうか。

  • 高知での高校時代いろいろあった杜崎拓くんと武藤里伽子ちゃんは、ともに東京の大学生。

    別々の学校に通っているけれど、偶然パーティーで再会してから(このあたりがバブル世代!)なんだかんだで再び会うようになって、結局はカップルになりそうなところで終わっていました。

    杜崎くんにつきまとう不倫をしている上級生美女とかがかき回して、雨降って地固まるって感じだった。

    最後まで里伽子ちゃんはワガママだったけれど、少しは成長しているようだし、杜崎くんはかなり大人なキャラ。
    自分と違った直情径行の里伽子ちゃんを、困りつつも守ってやりたいと思っているみたいでした。

    まぁ、青春だよ。
    アイがあれば、なんとかなるもんだよ。
    さすがは氷室さん的な読みやすく奥深い文章に最後まで楽しく読むことができました。

    なんだか読んでスッキリするお話だったよ。
    こういう時代を誰もが経験しているようでしていない、でもやっぱり既視感を感じてしまう青春物語でした。

  • 2015/9/18

  • 良い人になれず、人が好いだけの青年の青春劇。なんでもない不安定な綱渡りのカップルだからこそ羨ましく思える恋愛小説。


     前巻は「高知、夏、17歳」だったので、この巻はきっと「東京、冬、19歳」かな。Last Teenagerを生きる19歳の、まだ大人じゃなくてもいい存在の、甘ったれた行動が巧く描かれている。しかし、この冬が終われば子供も終わり。経験豊富な先輩に囲まれて、青年たちは大人のステージに引き上げられる。若さの終わりという、みんなの郷愁をくすぐる、むず痒い良い作品。


     これを映像化したジヴリはセンスある。けれど監督はすでにもう亡くなった…。


     これは拓のシナリオとしての自分の青春群像劇なんだろうなぁ。なんて。


     前巻の解説で宮台真司なる人が書いていた①差異の存在 ②不確定情報 はこの巻でも感じる。

     現代は男女格差やら経済格差やらなんでも平等にしたがる時代である。その結果、格差のない世の中にはドラマが生まれにくくなった。この作品はまだ昭和の臭いが強い、始まったばかりの平成の物語。一見、自由を生きる今時っポイ里加子や津村知沙は、父親や愛人に振り回されるか弱い女である。男という権力に勝てない現代の女が実は描かれている。差異が存在しているから面白い。

     携帯やらITやらコミュニケーションが容易になっていく現代社会は、情報がありすぎて予定調和を生きるような時代になりつつある。そんな中でドラマは生まれない。この物語の中にあるのはあって留守番電話。すぐにはつながらない、だから相手が何を想うか悶々する。それが青春ドラマには必要で、ここにはそれがある!
     分かり合えないのを、綱渡りでぎりぎりを保って関係を維持していく。だから刺激的で魅力的なんだろう。羨ましくなる。

     これら二つの観点を持って見ると、不自由な二人の関係が余計に美しく見えてくる。文学だ…。




     きっと拓と里加子は続かない。それが私の感想。

     でも、ちょうど現在2015年くらい。あれから20年経って40歳になって「あの時、あそこで簡単に別れていたから、今でもこうして仲良く再会できるんだね。」とか意味深なことを言い合う元恋人になっていそう。そうであってほしい。読後感。

  • 素晴らしい。本当にこの小説は好き。この感情をうまく説明できないことを非常にもどかしく思う。

  • 女の子達に振り回されている主人公がかわいいような、かわいそうというのか。
    結局最後まで彼女?かどうかわからない青春独特の関係のままだった気がするけど、それでいいのか!押せ押せ!と思いながら楽しく読めました。

  • Ⅰもそうだけど、氷室冴子は本当に物語に合った章題を付けるのが上手い人だと思った(特に第二章と第三章)。

  • 都内の大学生活ってこんな素晴らしいのか。

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海がきこえる〈2〉アイがあるから (徳間文庫)の作品紹介

大学1年の夏、杜崎拓は故郷高知に帰省した。親友・松野と里伽子のわだかまりも解け、気分よく東京に戻った拓の部屋に、年上の女性、津村知沙が入り込み泥酔し寝ていた。「その年上の女、たたるぞ」という松野の言葉が拓の脳裏に甦る。不倫の恋に傷ついた知沙。離婚した父とその再婚相手との間で傷つく里伽子。どうしたら人は人を守れるのだろう?さまざまな思いと痛みが交錯しながら拓は東京ではじめての冬を迎える-。

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