人間臨終図巻 3 (徳間文庫 や 4-6)

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (553ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198915117

作品紹介・あらすじ

カザノヴァ、川端康成、徳川家康など、73歳から121歳で死んだ人々をとり上げる。

感想・レビュー・書評

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  • フローレンス・ナイチンゲールが、生年の偉業を、医療関係者としての視点と、患者としての視点書いてる上に、最晩年の彼女が、と言ふのを書いてあって、なかなかよろしい。
     あと、アガサ・クリスティがかっこいい。ポワロが稼いだ金を、あのをばさんはさう言ふ風に使ってるんすね。
     他、通読するぞって気合で読まないと、寄り道しかできない程度には面白い。

  • 山田風太郎 「 人間臨終図巻 」 3/3

    著名人の最期を死亡年齢別にまとめた本。3巻は 山上憶良(73歳)から 泉重千代(121歳)

    3巻構成は ダンテ「神曲」に感じた。1巻=地獄篇、2巻=煉獄篇、3巻=天国篇。全巻を通して 3巻には 幸せな死、名言 格言が集約されている。

    野上弥生子(100歳)、円地文子(81歳)は 幸せな死〜歳をとっても 優れた仕事をして 死の前夜まで 美味しいものを食べている

    著者の「人間には 早過ぎる死か、遅すぎる死しかない〜意味があって 長生きするわけではない」は なるほど。

    感想(幸せ死のためのまとめ)
    *男性は妻に先立たれると急激に弱まる→妻の健康=夫の幸せ死
    *早過ぎる死の原因は癌が多い→検診、生活習慣に癌対策は必要
    *仕事、社会活動は 気力が続くまで やった方がいいかも


    良寛(73歳) 「災難に遭う時節には災難に遭うがよく〜死ぬ時節には死ぬがよく候」

    パストゥール(73歳) 「死を無と断定することは 人間の心を侮辱すること」

    高村光太郎(73歳) 「気持ちが楽しいと木彫が出来る。腹が立つと詩ができる」

    室生犀星(73歳) 「ペンを持って〜四十年生活してきた者が癌を〜本人だけが知らずに死ぬことは、文学者として許されない」

    朝永振一郎(73歳) 執筆中に癌に犯され「未完成交響楽は未完成だからいいんだよ」

    サルトル(75歳) 「絞首台で取り乱さないように〜配慮をめぐらしているのに、風邪でぽっくりやられる死刑囚、それが我々だ」

    長谷川伸(79歳) 「生きるとは何か〜生きているという存在価値を示すこと。自分でなければ出来ないことをやる」

    石川達三(80歳) 「病気の期間中 辛かったのは 気力の喪失〜何もする気になれなかった。読むこと、書くこと なにも面白くない」
    「人間は誤解されたまま生き、誤解されたまま死んでいく」

    世阿弥(80歳) 「命には終わりがあり、能には果てあるべからず」

    アナトールフランス(80歳) 「もし私が神なら 青春を人生の最後に置く」

    武者小路実篤(91歳) 「人間にはいろいろな人がいる〜皆 人間らしく立派に生きてもらいたい」

  • 著名人の臨終を集めた本。いきなり3巻から読み始めたけれど、中々面白かった。前の1・2巻も読みたくなった。

    悪人が大往生してたりするのを見ると、「人生ってなんだろうな」と感じされられた。また筆者は2001年に亡くなったが、もし今書いていたらジョブズも入れたのかな、と思った。

  • 座右の書。山田風太郎の突き放した文章が冴え渡る。

  • 一生かけて何度も読み返すと思う。人間の一生って残酷で儚くて素晴らしいんだなぁ。
    (1)(2)も併せてどうぞ。
    面白すぎ。

  • カザノヴァ、川端康成、徳川家康など、73歳から121歳で死んだ人々。
       -20091101

  •  
    …… 死亡寸前の85歳ボケ老人と会ったその日に、婚姻誓約書を書か
    せ、婚姻届を提出し、2ヶ月も経たないで、相手(安岡)は、ご臨終。
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4198915113
    ── 山田 風太郎《人間臨終図巻Ⅲ 安岡 正篤 200105‥ 徳間書店》
    http://panse.livedoor.biz/archives/4009534.html
    ── 《PANSE 20040707 細木数子の執念?》
     ↓
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4833412659
    ── 安岡 正篤《運命を創る(人間学講話)198511‥ プレジデント社》
     年号の「平成」の考案者(?)の講演をまとめた本です。
     
    (20140504)

  • 生きすぎた人たちを集めた第三巻。

  • 398、初、並、カバスレ、背ヤケ、帯なし。
    2011.4/1.鈴鹿ベルシティBF

  •  人間の価値は、その人が死んだ時に泣いた人の数で決まるって聞いた事が何度かあるけど、それについてはずっと違和感を持っていた。
     このシリーズを読んで、改めてそうとばかりはいえないなと感じた。
     生きている時は全く認められず、それどころか蔑まれ、失意と孤独のうちに亡くなった人が、死後それこそ何十年も経ってから偉大な人だったと認められる事なんて多々ある。
     逆に、生きている時は崇められ褒め称えられた人が、死後には全く逆の見方をされていたりもする。
     死後にいつか必ず認められると確信して亡くなった人もいるけれど、やっぱり当人にすれば、後者の方が断然幸せだよね。死後の名声なんか、本人には分からないのだから。

     第三巻は高齢で没した人々なので、所謂“老衰死”が多い。
     が、結局は“老衰による○○”という病気になっているんだよね。
     丸っきりの健康体で、ある日ポックリとか眠るようにっていうのはない。そのように見えても、その前には色々身体にガタが来ているし、寝てる間に心臓麻痺とか脳溢血とか、結局直接の死因は何か病名が付けられる。
     何歳であろうが、死とは苦しいものなんだな。

     さて、沢山の人間の死を書いた山田風太郎自身はどんな死を迎えたのだろう。
     是非魔界転生して自分自身の死の様子を書いて欲しいと思ってしまう。

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著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2011年 『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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