- Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198923006
感想・レビュー・書評
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内田康夫作品の中から、タイトルに地名が含まれていない作品をチョイス。
更に、小泉八雲という文学寄りの題材に惹かれる。
読み始めて、すぐに衝撃が走る。
プロローグに、小泉八雲の「盆おどり」を引用しているからだ。
物語冒頭には、浅見光彦は登場しない。
これは、シリーズが浅い読者にも違和感なく入れる要素といえる。
人気シリーズだと、どの作品から読んでいいか分からないこともある。
だがその点、内田康夫の手腕が光る。
冒頭に登場する女性は、主役の一人なので先入観なく読める。
舞台は、岡山県と島根県境に位置する人形峠。
ラフカディオ・ハーンが歩いた道を追い、ウラン鉱石採掘の実状に遭遇。
内田康夫得意の歴史風土と、社会性を見事に融合させた作品のひとつ。
現実と虚構の境が曖昧になるほどに、説得力のある内容。
プロローグがあれば、当然エピローグも存在する。
この作品では、浅見光彦モノでも珍しい終わり方をする。
タネを明かすわけにはいかないので、是非お読みください。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
プロローグに小泉八雲の作品があるがバカなので意味がわからん。
本章では原発関係が出てくる。たしかに石油に代わる新エネルギーとしての原発としては画期的なものだったかもしれないが、福島の事故を見たらさらに次のエネルギーに期待するしかない。
物語としては光彦はどちらの美女が好みだったのか気になる。 -
昔、キャンプとかで恩原高原に行くのに人形峠を通りました。
やはり、地理的に知ってる場所が出てくるのは利点です。
峠の名前からしてちょっと怖いイメージがありましたが、こういう所以もあったのですね。ひとつ勉強になりました。 -
「脇本優美」「大島翼」「黄色い土」
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動燃の取材で鳥取県を訪れた浅見光彦は、小泉八雲が「地獄」と評した宿で異父姉妹と出会う。姉妹は突然死した妹の父が、実は殺されたのではと疑っていた。テープに残された「カイダンの道」という言葉を手がかりに、浅見は調査を始める……!