スクランブル: イーグルは泣いている (徳間文庫 な 20-5)

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (633ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198928544

感想・レビュー・書評

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  • 何と言っても読みやすい。600ページ超というボリューム感を感じさせずに、あっという間に読み終えることが出来る一冊。戦闘機がどういったものか知らなかった私でも、情景が浮かぶほどの臨場感はさすが現役パイロットと言わざるを得ない。どの層にもお勧め出来る一冊である。

  •  一話完結だと思って読んでいたらツヅキモノっぽくてなんだか哀しくなった本……←
     航空自衛隊が部隊という、珍しいような本。作者自身が所属していたらしく、その内部権力の陰惨さやF15の操作の情報はとても緻密かつ分かりやすく書かれているので、面白く読めます。
     憲法の話や、自衛隊の話など、現在直面している壁についても如実に語っているので、其のあたりも勉強になります。

     自衛の為の組織、そのなんと歯がゆい事だろうか。
     読んでいて何回もイライラしてしまいまいた。面白いですが、そういう意味では精神的によくありません(笑)
     自衛官には珍しい名前が多いなーと前々から思っていたのですが、小説でもやっぱりそう(笑)これは何か特色があるのか?? 気になる所です。

  • 600ページという量でしたが、長いとも飽きたともならず最後まで楽しんで一気に読むことが出来ました。

    登場人物は全員のキャラがおり、混同することもなく、各々の考え方もスっと頭に入ってきて分かりやすかったです。しかし、読む人によっては受け入れ難い性格をしているなと思う登場人物もいるなと思いました。

    本当かどうかはわからない、これから先あるかどうかもわからない。そのような日本の状況が描かれていました。どうせ小説の中の出来事でしょ?とはなから思うのではく、実際はこうなのかもしれななどと考えながら読むのも楽しい思います。

    この作品を読み、続編もとても気になっているので読んで見たいなと思いました。

  • 軍隊ではない軍隊、自衛隊。機関砲一発すら自分の判断では撃てないパイロット。事なかれ主義の上層部、政治家。かなりかなり誇張されているが実際には起こりそうな話。キャラの立った登場人物が何人も出てくる。シリーズ物のようなので次作を読むのも楽しみ。

  • は、ハラタツ~~~と歯ぎしりしながら読んだ。見事なまでにクズしか出て来ない。
    自分の保身と金のことしか考えていない政治家に、軍の上層部たち。自分たちの世論への影響力を考えもせず、真実など知ることかと好き勝手に騒ぎ立てるマスコミ。
    これらは今昔変わらず現代の社会でも見られる事だが、イーグルでは、最終的に虐げられ、切り捨てられるのは、いつだって全力で現場に立ち向かう下っ端なのだと突き付けてくる。
    そして物語の中でも、振り回されっぱなしの基地の人たち…正しい事が正しいって言える世界じゃーないんですね。(ま、我々の会社でもそっか)

    飛行機の描写は、とても緻密。さすが、作者もパイロットなだけあります。
    アラートからスクランブル発進まで、読んでてドキドっぱなし。戦争擁護では決してないけど、戦闘機ってやっぱりテンション上がる。
    パイロット。月刀さん、カッケー。さすが、ヒーロー……?あれ?主人公、風谷くんでした。軍人ぽくはない、優しい雰囲気の青年です。ただ、残念なくらい存在感が薄め。2巻以降は美砂生嬢に主人公の座を奪われている。
    でもそんな美砂生嬢は、個人的には、苦手なタイプ。
    自分本位というか、人の土俵にズカズカ土足で上がり込むのが、平気なタイプに見えてしまって…
    自分を助けてくれた青年に一目ぼれしてしまう気持ちは分かる。
    でも、その彼がひたむきに目指してた場所へ下心から追いかけ(もちろん、空自のパイロット、そして同じ基地に、ってところまで)(後に、彼女もイーグルが好きだと言っていますが)初の編隊長アラートについている彼に、好き勝手詰め寄ってみたり。
    その彼が任務で怪我した直後、事件的にもとてもナーバスになっている状態だろうに、早朝から病院へ押し掛けたり、命令違反でいきなりスクランブル現場へ乗り込んだり。
    こう言う強気と言うか、良い子ちゃんというか、自分本位というか…言葉が分からないけど、まぁ、こう言った自分の正義を疑わないタイプの女性はヒロインとしてはよく見る気がするけど、性に合わないもんは、合わないんだな。ここでも腹が立つところ。
    ユリカ嬢も、まぁ、美砂生嬢とちょっと似たような部分あるけど、ユリカ嬢のがマシ。仕事にプライド持って一生懸命なところとかね。

    まぁでも、好き勝手書き連ねてみたけど、面白いんだ、これが。
    ビックリくらい人にも組織にも世論にも腹が立つし、腹が立ち過ぎて精神衛生上2度目はないな、とは思うけど、会話のテンポが良いせいもあってか、どんどん読み進めてしまう。
    繰り返すけど、戦争擁護でも軍事力擁護でもない。だけど、日々我々のために訓練をして、諸外国を警戒して、緊急発進している自衛隊の方々は、もうちょっと報われても良いんじゃないかと思ったね。
    実際の現場は、分からないけど。

  • トップガン世代はハマると思います。
    これを機にF15が好きになりました。

  • 全体的に冗長。かと思えば、ここを掘り下げればもっと面白くなるのに、という点が全く描写されずにいきなり3年後に話が飛んだり。それに、物語にとって都合のいい偶然が多すぎて、読んでいて白けてしまう。
    私がこの本を読んだときは、電車に乗っていて他に読む本がない状況下だったから読了したけど、他に読むものがあったらこの作品を読了していなかったと思う。

  • 久々の軍事系小説で面白いと思えた作品

    自衛隊は非常に多くの悩みをかかえている。
    軍隊でありながら(ここも解釈問題あり)、攻撃できない。武器使用規定がまったく合理的でない。
    政治的な問題で、本来の任務を全うできない素地が多いなどである。
    自衛隊の存在そのものが違憲という人までいる始末だ。

    そんな存在自体に矛盾を感じながらも己の任務を全うする等身大の人間がそこにいる。

    そんな自衛隊について考えることができる共に、小説の構成が非常に面白い。
    続きも楽しみだ。

  • ボーイ・ミーツ・ガール。会話調でサクサク読み進められる。しかし、キャラクターの魅力を活かしきることなく、蒔いた伏線を回収することもなく、途中で強引に終わらせたような結末は違和感が残る。

  • 話を広げすぎで、何がいいたいのか、わからない。

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著者プロフィール

1960年生まれの現役パイロット。その航空戦の描写のリアルさは現役ならではのものがある。迫真の航空アクションには定評があり、ほかの著書に『チェイサー91』や天空の女王蜂』シリーズなど。

「2021年 『スクランブル 蒼穹の五輪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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