激流 下 (徳間文庫 し 22-7)

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 2017
感想 : 210
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  • Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198929442

作品紹介・あらすじ

十五歳の記憶の中の少女はいつも哀しげにフルートを吹いていた。冬葉は生きているのか?彼女が送ったメッセージの意味は?離婚、リストラ、薬物依存、不倫…。過去の亡霊に、次第に浮き彫りにされていく現実の痛み。苦悩しながらも人生と向き合う、六人の三十五歳の闘い。「今」を生きる、すべての人に贈る、渾身のサスペンス・ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 中学時代を絡めて伏線回収されていくが、複雑なことはなく読みやすかった。「激流」のタイトルにも納得。

     大人の勝手な事情・感情に行方不明の冬葉と当時関係していた6人が巻き込まれ、主人公:美弥とハギコーを中心に事実を追い求め真相が明らかになる。

     過去にやってしまったことや起こったことは変えられないし、立場によっては今後に影響を及ぼしてしまう。でもその失敗を糧に前進しようと努力するのか更に悪いほうにいくかはその人の選択や行動が大事だと思う。
     新たな部署で目標をもって仕事に取り組むサンクマはカッコイイし、美弥の母親との会話や恋人との会話がなんか良い。

     悲痛な物語だけれど、起きる出来事や主人公:6人それぞれの感情から得られる気づきもたくさんあった。

  • 面白かった。
    登場人物がどはまりでした。
    柴田さんの本は初読でした。
    こんなにも人物描写がうまい作家さんだったとは!
    特に美弥の性格はとても共感できるものでした。
    尖っているようで実は一番に純真でピュア。
    また人間が愚かな行為の一線を越える簡単さ、、、
    もっと長編にしても良いくらいの飽きのこない素晴らしい本でした。
    また柴田さんの本を読んでみたいと思える1冊でした。

  • 続きが気になって、下巻もあっという間に読みきってしまった。

    柴田作品には、絵に描いたように分りやすい身勝手な人物が登場する。本書にも何人か出てきた。
    身勝手、我儘、自己チュー、エゴイズム‥‥ことばはいろいろあるけど、それが人類最大の罪なのかもしれない‥‥と思わされた。

  • 下巻も飽きずに一気に読み進められます。

    後半は、繋がりそうで繋がらない手がかりに、もどかしさを感じつつ、ついに事件の真相がわかる期待感と、この長作を読み終えてしまうという寂しい気持ちでいっぱい。

    最終章を読む前にはちょっと緊張してしまったぐらいハマります。

    …が、しかし。
    オチがあっけなさすぎて、
    私の好みでなかったのが残念。

    事件解決までのメインストーリーの他にも、
    それぞれの登場人物の生活模様も興味深くておすすめです。

  • う~ん………。

    夢中になって読んだ。先が気になって仕方がないから。途中で読むのを止めたら気分が悪くなりそうだから。寸暇を惜しんで読み続けた。

    …けれども、読了してみると(いや、途中から既に)、不思議なくらいこの物語に魅力を感じられない。

    複雑に絡み合ったストーリーを破綻なくまとめる手腕は見事としか言いようがないし……。
    読み手の予想を裏切り続ける、目まぐるしい展開も、良い意味で期待を裏切ってくれるしワクワクさせてもくれた。

    …なのに、何故?

    ●説明的すぎる台詞回し。
    ●若干都合のよすぎる展開や“新発見”。
    ●鼻白む表現………登場人物たちが非現実的な思いつきを自ら否定する際の台詞「小説の中ならばいざ知らず」………普通の生活してる人間ならばそこで“小説”は浮かばない→“映画”または“マンガ”なら分かるけど。
    ●全てが繋がるのかと思いきや、完全に“捨て石”にされてあっさり解決されてしまった無関係の2つの事件に、アンフェアさを感じる。
    ●全く必要の無い恋模様の描写。(サンクマの方だけならば認めるけど:笑)



    …突っ込みドコロ満載、不満続出…。下巻の序盤から↑なような不満が続出しているのにもかかわらず、読むのを止められずに最後まで一気に読まされてしまった、とても不思議な作品。

    柴田よしきは、これの前に2作読み、どちらも割りと好きだったんだけどな…。たまたまコレが自分に合わなかっただけなのか?

    2012.01.25.了。古

  • なんだろ、途中で高速読みにシフトするほどではないものの、会話部分が普通の小説とは逆にブレーキの役割をしてた感じで、自分としては読むのに時間がかかった。

  • 視点が次々に変わっていき、話の展開が早くて、正に激流‼︎
    続きが早く読みたくて、徹夜で一気読みの面白さだった!

  • いつまで経っても、自分はあの人たちの子供なのだ、と思った。あの人たちの心の中で、すべては連続したひとつの物語なのだ。産院ではじめてあたしを抱いた時から始まった、長い長いひとつの物語。それは途切れたりちぎれたりすることなく、自分ではすっかり大人なって昔とは別人になったと思い込んでいても、彼らの心の中ではあたしはずっと、彼らの子供であって、それ以外のものではない。

  • 黒幕が明らかになるまで、ページをめくる手が止まらない。

  • 上巻で広げた伏線を次々と回収してゆくのだが、
    出来過ぎの偶然が多く無理があるように思う。
    ミステリーではなく、ヒューマンドラマとしてなら面白かった。

    結果的に犯人では無いが、キーパーソンの登場が遅過ぎる。
    これはもはや反則と言えるのでは?
    上巻を読みながらの犯人探しの推理は何だったのか...。

    • hs19501112さん
      【結果的に犯人では無いが、キーパーソンの登場が遅過ぎる。】


      ですよね(笑)
      【結果的に犯人では無いが、キーパーソンの登場が遅過ぎる。】


      ですよね(笑)
      2013/09/05
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著者プロフィール

 小説家、推理作家。
『RIKO-女神の永遠』で第15回横溝正史賞。
 猫探偵正太郎シリーズ、花咲慎一郎シリーズ など。

「2021年 『猫日記 Cat Diary』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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