そして誰かいなくなった (徳間文庫 な 21-18)

著者 :
  • 徳間書店
3.64
  • (9)
  • (16)
  • (13)
  • (6)
  • (0)
本棚登録 : 118
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198929794

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 面白かった。
    夏樹静子さんはドラマではお馴染みだったがその作品を読むのは初めてだった。
    アガサクリスティのオマージュ作品ということでまぁ古めかしい感じの物語なのかなぁと思って読み始めたが息つく暇もなく一気に読み終えた。
    そして最後のどんでん返しも素晴らしかった。
    タイトルにもただのパロディじゃなかったんだと感心させられた。
    機会があれば他の作品も読んでみたいと思った。

  • ミステリーという分野が大好きな私は、
    当然アガサクリスティの「そして誰もいなくなった」
    も既読であった。
    そんなことから、題名にそそられて購入した一冊。

    「そして誰もいなくなった」と同じような展開の
    フーダニット系の物語。

    私はこのパターンが何より好きだ。
    今回は、太平洋に浮かぶヨットの上で次々に起こる殺人事件。

    次から次へと起こる殺人事件に釘付け。
    睡眠時間を惜しんでも次が読みたくなる。

    解決編を読む前に、もうこれで十分じゃないかというくらい
    満足していたのだが、解決編を読んでアレ?ってコケてしまった感(^-^;

    何だろう・・・。
    期待が大きくなりすぎていたのだろうか。。。

  • 主人公のちょっとした気まぐれで成立しなくなる仕掛けが多すぎる。別にバレたところで直接手を下すんだろうけど…なんだかなぁ。
    最後のネタバレ発表の場も学芸会のようで、善悪という区別の上で、どうも腑に落ちなかった。犯人連中が勧善懲悪になりきれてないからこそ、主人公を生かしてその後の顛末を読者の想像にゆだねたんだと思うんだけど…。
    なんだかなぁ。
    個人的にはしっくりこなかった。

    凄く小さなことに引っかかってると思う。
    でも、この納得できない小さな連なりのせいで、読み終えたときにはコメディのように感じてしまった。

  • 訃報に接し、積んでいたこれを思い出して引っ張り出してきました。すばらしいクリスティのオマージュでした。題名からの作品へのオマージュは明らかですが、もちろん単純なものではなく違いを追っているうちに、いくつかの他のクリスティ作品を意識していることもわかってきます。好きになれない主人公と一緒になって謎を追い、疑い、おおっ!と思い。さらに題名にも感服して、物語の後にも思いを馳せて余韻に浸りました。もっと早く読めばよかったです。楽しい読書時間でした。

  • 海上に浮かぶ豪華クルーザーという“密室”で、ワケありの乗客とクルー達が、アガサ・クリスティの名作に擬えて次々と殺されていく…。
    夏樹静子さんは恐らく初読みだが、2時間ドラマの人だ!とワクワクしながら拝読。主人公のバブリー感にはナンジャコリャ?って思いながらも、この作品が30年前に書かれたものとは思えない新鮮な最終章のどんでん返し。ドラマだと1時間半くらい経った頃だろうなぁ、華麗なるクライマックス!エンドロールが流れる頃には、タイトルの意味も納得。ホント、誰“か”いなくなってる…。

  • 腐乱したお肉と一緒に布団の中って言うのは、どうなんだろう?大きな目的の前には、そんなこと気にしてられないんだろうけど^^;

  • 夏樹静子さんが2016年3月19日に永眠されました。そのニュースをツイッター上で知り、いろんな方の追悼のつぶやきを眺めているうちに読んでみたい作品もちらほら見受けられました。これまで誰かを偲んでその作品を読むことはほとんどありませんでしたが、こんなに心惹かれるのは何かあるのだろうと思い手に取りました。正解でした。とても面白かったです。

    クルーザーで葉山マリーナから沖縄まで一週間の航海を予定している男女7人(船長とクルー1名を含む)がいた。
    船内のサロンには各人の干支をかたどった動物の置物がそれぞれ一つずつあった。
    船は出港する。その最初の食事の席で突然<裁判官>を名乗る男の声が響き、その場にいる者の罪を順に告げていく―――

    『そして誰もいなくなった』のオマージュ作品です。『そして誰もいなくなった』の重大なネタバレがあるので未読の人は注意してください。
    物語は乗客の一人である若い女性が語り手の一人称で進んでいきます。いろんな推理をしながら読み進めましたが、たくさん騙されました。驚きのあまり声をあげてしまった場面もあります。クルーザーは途中低気圧にも襲われてそういう意味でもハラハラドキドキな展開が目白押しです。一気に読み終わりました。こういった作品がほぼ絶版扱いになってしまっているのはもったいないですね。かつてドラマ化されたこともあるようなのでそちらも機会があれば見てみたいです。

  • あー!!
    そういうことだったのね!
    と最終章で。

  • タイトルから推測されるように、クリスティの名作「そして誰もいなくなった」を本歌取りした作品となっています。
    クルーザに乗船した7名が、干支の置物と共に次々と死んでいく展開で、テンポもよく一気に読み進められます。
    途中、本家作品の犯人を推測させるような記述があるため、事前に「そして誰もいなくなった」は読んでおいたほうが良いかと。加えるなら、クリスティの他の代表作も読んでおいたほうが良い……かな。
    内容に関しては、ややご都合主義というか、そこは何か気づくだろうという場面もあるし、終盤の展開は読めてしまうので、もう少し練り込んでいれば、名作になったのではないかと思われます。
    最後は、ややすっきりしない(ひと波乱ありそうな展開を匂わせる)感じですが、読み終えるとタイトルに納得します。

  • 「孤島」と化した海上のヨットで一人また一人と殺人が行われていくのですが、その状況が機械的で単調だった為、あまり緊迫感が伝わってきませんでした。
    プロットは「そして誰もいなくなった」と「オリエント急行の殺人」を足した感じで予定調和でした。ただ、犯人の「企み」が失敗したという余韻を残したラストは非常に印象的で良かったです。
    本書のオチは、ある意味「そして誰もいなくなった」あってのものなので、本書だけを読むとただのバカミスに感じてしまう恐れがあります。出来れば先に「そして誰もいなくなった」を読むことをお薦めします。

全18件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

一九三八(昭和一三)年東京都生まれ。慶応大学在学中に長編『すれ違った死』が江戸川乱歩賞候補に選ばれる。七〇年『天使が消えていく』が再び同賞の候補になり、単行本化され作家デビューを果たす。七三年『蒸発』で日本推理作家協会賞、八九年に仏訳『第三の女』でフランス犯罪小説大賞、二〇〇七年日本ミステリー文学大賞を受賞。主な著書に『Wの悲劇』『』や「検事 霞夕子」シリーズなどがある。二〇一六年没。

「2018年 『77便に何が起きたか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

夏樹静子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×