- Amazon.co.jp ・本 (393ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198934415
作品紹介・あらすじ
世界の平和や世界の民族との協調を考えるには、彼らが信仰する宗教がどのようなものなのかを理解することが必要である。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教、儒教、神道-世界の六大宗教を比較すると、世界の民族・宗教紛争の真の原因が見えてくる。宗教音痴といわれ、国際社会の常識と非常識にうとい日本人の精神基盤に光をあてた、目からウロコの格好の入門書。
感想・レビュー・書評
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世界の六大宗教(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教・仏教・儒教・神道)と、世界の民族・宗教紛争との関わりについて、著者【井沢元彦】の博学探求ぶりを堪能できる入門講座。▶韓国人と日本人の考え方は全く違う。日本人は過去のことはすべて「水に流す」という考え方をするが、韓国ではいつか恨みを晴らす「恨(ハン)」と考えるので、そもそもが噛み合わない。このままでは、歴史の遺恨を何時までも引きずって傷口は拡がるばかり。双方とも考え方の違いを知ることが、相互理解への第一歩と諭している。
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各宗教の成り立ちについてよく理解できる。話の脱線が多く好みは分かれるかもしれないが。個人的には井沢氏の日本史入門のほうが、ユダヤ・キリスト・イスラムについての説明がさらにわかりやすかった印象。
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私のように宗教知識に乏しい人であれば、本書から得られるものは多いと思う。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の関係性についてはわかりやすく書かれている。後半の仏教・神道・儒教についての章では、日本の宗教観について筆者の持論が展開され、なかなか興味深い。ただ、後半は日韓関係に話題がそれることが多々あるのが玉に瑕。
また、「宗教と戦争」と銘打っているが、大半の内容は宗教に割かれている。戦争との関連性はおまけ程度であって、ほとんど書かれていない。
宗教に対する造詣が深い人であれば ☆2 -
日本人の信条と 世界の宗教を比較した本。信条や宗教を 「生き方」と読み替えると読みやすい。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教、儒教、神道の入口部分を比較しながら理解できる
日本人論には納得する
*和を重視する*話し合い至上主義*原理原則がない*儒教と禅のいいとこどり*言霊を信じている
ユダヤ教→キリスト教→イスラム教
神の言葉をどのように伝えたかの解釈が違う
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科学の歴史を見ても宗教を避けて通ることはできない。もともと学問自体が教会のもとで発達してきた。文字を読めることができたのも教会関係者であり、書籍を蔵していたのも教会であった。女性が学べなかったのも当然である。
http://sessendo.blogspot.jp/2015/05/blog-post_11.html -
【目的】 国際化時代に向けて、日本人の宗教に対する理解を深めるために、各宗教の概観を伝える。
【収穫】 各宗教の考え方について、常識と知っておくべき知識を身につけることができた。
【概要】 ■和の世界: 「和」は日本独自の考え方。聖徳太子の十七条憲法でも、第一条が「和を以て貴しとなす」で始まる。穏やかに他人と協調することだが、欧米や儒教の考え方では重要視されていない。一神教的な、神による絶対的な決め事がないから、話し合いで合意したことは正しいという文化になる。逆に言えば、一人で決めたことは正しくないとしたり、和(輪)の外の規範は認めない、ないがしろにするということにもなる。
■ユダヤ教の世界: ホロコーストに代表されるユダヤ教徒迫害は、キリスト教徒による差別に端を発する。ユダヤ民族は国を持たないために、マスコミ、法律、芸能など国際的に活躍するジャンルにおける影響力は強いと言われている。しかし、20世紀のイスラエル建国により、シオニズムと呼ばれる領土主義の考えも強くなっている。ユダヤ教はあくまで唯一神を信仰の対象としており、イエスを神の子とは認めていない。
■キリスト教の世界: カトリックの最大の特徴は、「三位一体説」。エホバやキリストや聖霊は違うもののように見えるが、根源は一緒であるという考え方。これに対し、神は唯一であるとする「単性論」の考え方もある。プロテスタントは、聖書の解釈を教皇ではなく、各自に認めることと、聖職者階級を認めないという特徴がある。キリスト教による基本的人権や一人一票という考え方があったことにより、近代の政党政治や国民主権の考え方が生まれた。キリスト教徒は、無神論者や共産主義に激しい嫌悪感があることを覚えておく必要がある。
■イスラム教の世界: イスラム教からすると、キリスト教は不完全なもの。人を誘惑してはいけないという教えや、偶像崇拝の禁止もキリスト教より厳しい。また、戒律宗教であり、信仰は心で信じるだけでなく行動で示さなければならない。それらは、六つの信=イマーンと、五つの行=イバーダートと呼ばれ、イスラム教徒はそれらを信じ行わなければならない。スンニ派とシーア派の違いは、スンニ派はアラブ人で数が多い。シーア派はイラン人で数が少なく、ムハンマドの正統な家系を継いでいるとしている。この宗派の違いは、同じ宗教でありながらお互いを異端とみなしていることから、より激しい争いとなっている。
■仏教の世界: 仏教は仏になるための道。仏になれば救われる。では仏になるにはどうすればいいかという方法論。根本として、全ては無常であるという「空」の考えがあるが、やり方については、色々な教えが出てきた。インドでもみんなが救われるべきという大乗仏教と、自分が悟りを開くべきという小乗(上座部)仏教の2つに根本分裂した。日本の仏教も大きく十三宗派に分かれるが、統一した経典はない。浄土信仰などは大乗の代表格。日蓮宗も大乗だが、「南無妙法蓮華経」とお題目を唱えることになる。
■神道の世界: 神道の考えの中に、穢れを水に流す(禊ぎ)というものがあるが、これは日本固有のもの。韓国などは全く別の価値観を持っているから相互理解できないことになる。またもう一つ大きな要素として、「言霊」がある。発言と結果に因果関係がなくても、悪いことは言うべきではないという考え方。これらは、過去の教訓を生かそうとしなかったり、現実否定につながるという一面もあり注意しないといけない。
■儒教の世界: 儒教は過去の教えや祖先を敬うという考えが中心にあり、基本的に保守的、反進歩的なもの。また偉い人間とそうでない人間には違いがあって然るべきという考え。
【感想】 宗教の概要をまとめて学ぶために読了。日本思想や一神教については、著者の考えも含め色々とよくまとめられていると思ったが、仏教や儒教の解説はすこし薄くなっている印象を受けた。ただ、それぞれの概要を掴むためには良いと思う。 -
面白かった。
イスラム教に疎い&ユダヤ、キリスト教系の整理のため読んだが、なかなか分かり易かった。
勿論筆者の主観も入っているだろうし、恐らくもっと複雑な事情があるのだろう。
だけれども日本育ちの生粋の日本人である以上、完全には理解出来ないのだろうな、と思った。
個人的には普段周りにいるためか、イスラム教徒の人たちは優しいと感じるけれども、世の中はそう思ってはいないみたいでその辺りも面白いと思った。 -
帯文(裏表紙):"宗教音痴といわれ、国際社会の常識と非常識にうとい日本人の精神基盤に光をあてた、目からウロコの格好の入門書。"
目次:はじめに、Lesson 1 和の世界、Lesson 2 ユダヤ教の世界、Lesson 3 キリスト教の世界、Lesson 4 イスラム教の世界、Lesson 5 仏教の世界、Lesson 6 神道の世界、Lesson 7 儒教の世界、補講 応用問題としての社会現象、あとがきにかえて、世界宗教略年表 -
点を線にして面にする。各宗教それぞれの関連性を解説しながら、流れるように世界の宗教をまるごと理解できる本になっています。
まさしく決定版です。