剣豪将軍義輝 下 流星ノ太刀<新装版> (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (541ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198934637

感想・レビュー・書評

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  • 京に戻った将軍義輝は、乱世に終止符を打つため、織田信長、上杉謙信らと盟約を結ぶ。その壮大な計略を知った梟雄松永弾正は、義輝を亡き者にしようと図る。その魔の手に義輝はついに秘剣「一ノ太刀」で立ち向かうのであった。

     ついに迎えた最終巻。いやが上にも盛り上がるクライマックス。

     読み進めていきたい衝動と、結末を迎えてしまう寂しさを感じながら、この熱き魂を胸に秘めた主人公義輝の活躍を読めることに読書の醍醐味を味わいました。

     義輝はもちろん、義輝を支える人物たちもみな魅力的であり、敵もまた敵にふさわしい一癖も二癖もある者たちで、それぞれが義輝の人生と共にその人生を生ききっている姿が描かれています。

     そして、剣の師塚原卜伝から伝授された秘剣が義輝の最後に登場するところなど、剣豪小説の醍醐味を感じさせられました。

     結末では、どうしようもない悲しさの中に一筋の希望を見た、そんな深い印象を受けました。

     続編にあたる「海王」がとても楽しみです。

  • 例のクライマックスに向けて三好一党の不穏な空気が漂う中いよいよ義輝暗殺シーン。しかし少しあっさりしすぎていた感もある。伏線となっていたフィクションの登場人物もラストに向けてあっさり死んだりと少し残念な感もある。しかし本作を読んで思ったのは、歴史小説の醍醐味は、史実に基づいている限り登場人物は必ず全員死んでいるので、主人公は必ず死ぬというバッドエンドにあるのではないかと気づいた。

  • クライマックスは世に名高い松永弾正の将軍暗殺。
    将軍家に代々伝わる名刀を畳に突き刺し、切っては捨て切っては捨てて、刀を取り換え延々と続く剣戟シーン。
    読みごたえあります。
    襲撃は事前に察知していたが日時を間違えていた(偽りの情報を掴まされていた)との設定。
    ホンの数年後には織田信長奉じる足利義昭が将軍になっている事実を考えれば、もし生きていたら、と思わずにはいられません。

  • 本作の義輝は、自らも厳しい剣術修行を己に課した求道者で、それの故に多くの人を魅了するものを備えた貴人となった人物として描かれている。「或いは、もう少し存命であれば“歴史”は?」と思わせてくれるものがある…他方、本作はそういう余計な考えを吹き飛ばす“力”の篭った、愉しい物語である。義輝は非業の最期を遂げてしまうが、終幕は決して陰鬱ではない…

    「三巻」と言えば“大長編”の類かもしれないが、一気に読める…お奨めだ!!

著者プロフィール

1955年静岡県生まれ。日本大学芸術学部卒業後、手塚プロ勤務を経て執筆活動に。95年、『剣豪将軍義輝』で、一躍脚光を浴びる。おもな代表作は『海王』『ふたり道三』『夏雲あがれ』『家康、死す』『風魔』『陣借り平助』など。『乱丸』で2015年第4回歴史時代作家クラブ賞作品賞を受賞。近著に『天離り果つる国』がある。

「2023年 『義輝異聞 将軍の星 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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