ぶたぶた【徳間文庫】 (徳間文庫 や 36-1)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198935238

作品紹介・あらすじ

街なかをピンク色をしたぶたのぬいぐるみが歩き、喋り、食事をしている。おまけに仕事は優秀。彼の名前は、山崎ぶたぶた。そう、彼は生きているのです。ある時は家政夫、またある時はフランス料理の料理人、そしてタクシーの運転手の時も。そんな彼と触れ合ったことで、戸惑いながらも、変化する人たちの姿を描く、ハート・ウォーミング・ノベル。大人気「ぶたぶた」シリーズの原点、登場。

感想・レビュー・書評

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  • 東京には、動くピンクのぶたのぬいぐるみが現れるという。バレーボールくらいの大きさで、手足の先には濃いピンクの布が貼ってある。目は黒いビーズで、右耳がすこしそっくり返り、黄色いリュックを背負っている。
     かわいい。
     とてもかわいい。
    私こういう者です。渡された名刺には「山崎ぶたぶた」と書いてある。
    ある時はベビーシッター、ある時はタクシー運転手、ある時はぬいぐるみ売り場の店員さん、そしてある時は…。
    ぶたぶたに出会った人々は最初は戸惑うがすぐに受け入れる。だって生きているぬいぐるみっていうだけで、あまりにも自然に存在しているのだから。
    家でしたい小学生、忙しい勤め人、人を殺したくなる青年、家族と離れてしまった人…、彼らはぶたぶたさんと接して少しずつ変わってゆく。

    人々が抱えている悩みは日常的だが生きることの切なさが感じられる。ぶたぶたさんの存在でほんわかしているのだが、生きることの哀切も感じる。

  • ぶたぶたさんが一体何者なのか?でも…かなり器用でいい人なのはよくわかる!
    東京には豚のぬいぐるみが歩いてると思うと楽しそう。
    そしてぶたぶたさんと出会う人達がどんどんぶたぶたさんを受け入れていってしまう…不思議なファンタジー

  •  フォローしている方のレビューで最近存在を知ったぶたぶたシリーズ。山崎ぶたぶたなる人物が活躍する三十作以上続く人気シリーズらしいのだが、「まずは第一作にあたるこれを読みさえすればあとはまあ適当に」という旨のネット情報に従って第一作を読んでみた。
     山崎ぶたぶた氏がどういう存在なのかは、第一作を読み終えてもさっぱりわからないのだが、一つだけ確かなのは、“彼”がピンクのぶたのぬいぐるみであるということだ(どうも中年男性であることも確からしい)。バレーボールくらいの大きさで、黒いビーズの目で、片耳がそっくりかえっていて、とても可愛い、ぬいぐるみ。このぶたぶたさんが、あるときはタクシーの運転手として、あるときはフレンチレストランのシェフとして、といった形で、現代日本で普通に暮らす誰かの人生に突然登場しては、驚きと戸惑いと混乱と、何か温かいものを残して去っていく…というような不条理ハートウォーミング短編集?だった。ぶたぶた登場シーンは毎度毎度笑えるのだが、話によってはけっこう重たいテーマのものもあり、またラスト一話はここまで読んできたご褒美のような最高の一話で、まずは第一作を読むべしという言葉にひとまず納得。これからの私の人生にはぶたぶた続編たちを読む楽しみがあると思うと、自然と笑みがこぼれる(このあとどうなるかは知らないけど…)。
     なお我が家では、私が二、三話ほど読んだところで「これはアリなんじゃないか」と思い小三の娘も誘ってまた初めから読み聞かせたところ思惑通りどハマりし(ケラケラ笑う、可愛い〜と悶えるなど)、小三男子が主人公となるお話のラストでは娘大号泣(このあたりで夫が「俺も追いつきたい」と電子書籍を購入)、続く重めの二話では読んでいる私の方がソワソワし、最終話は嬉しい仕掛けに気づくたびに大盛り上がりと、親子でなかなかスリリングな読書体験ができた。ありがとうございます。

  • ブクログで知った噂のぶたぶた初読み☆
    短編連作です。

    ぶたぶたは、バレーボールぐらいの大きさの薄いピンクの丸っこいぬいぐるみだけど、意識は中年男らしい。
    あちこちに出没、職業も違う。

    「初恋」は、娘のベビーシッターを待っていた女性が、現れたぶたぶたに驚愕。
    代役というか、いつものベビーシッターのほうが部下だというのだ。
    ぶたぶたのおじちゃんにすっかり懐いた娘。
    後に一度だけ、大根を買っているぶたぶたを見かける…

    「銀色のプール」では、小学3年の毅が、古い遊園地に忍び込んだとき。
    ひとけのない冬のプールにテントを張り、釣りをしているぬいぐるみを見つける。
    「ぶたぶたは、なぜ、ぬいぐるみなの?」と思い切って聞くと「毅はなぜ人間なの?って聞かれたら答えられる?」と返される。
    両親が忙しくて兄弟もいない毅は、ここに家出したいと思うが…?

    「ただいま」では、台風の時に、摩耶子の部屋に飛んできたぬいぐるみ。
    外に干していたぬいぐるみが喋り始める。
    摩耶子の兄は10年前に失踪していた。なぜか、ぶたぶたは兄と似た所があるのだが…
    「もう少し年上のように思います」というぶたぶたが何とも言えず良い味。

    喋り、食事もする~ぶたのぬいぐるみに、最初は驚愕する人も、なぜか周りに受け入れられている様子に、しだいに不自然に感じなくなっていく。
    何気なく、何となく傍にいて~ぶたぶた自身がやりたいことをマイペースでやっているようでいて、そのとき必要なことをふと教えてくれているような。

    癒されます…

    作者は1964年、埼玉県生まれ。
    85年、星新一ショートショートコンテスト優秀賞受賞。89年、少女小説家としてデビュー。
    「ぶたぶた」はずっと傍に置いてあったぬいぐるみで、贈ってくれた人が付けた名前そのままだそうです。

    [追記]さっそくに花丸つけてくださって、ありがとうございました!
    その後、加筆しちゃいまして。だいじょぶですかね?失礼しました~。

    • まろんさん
      sanaさん、ぶたぶたさんデビューおめでとうございます♪
      さりげな~く周りの空気を温かく、やわらかくしてくれるぶたぶたさん、大好きです!
      一...
      sanaさん、ぶたぶたさんデビューおめでとうございます♪
      さりげな~く周りの空気を温かく、やわらかくしてくれるぶたぶたさん、大好きです!
      一緒にぶたぶたさんに癒されましょう(*'-')フフ♪
      2012/08/26
    • sanaさん
      まろんさん、
      ありがとうございます!
      おかげさまで、ぶたぶたさんデビューです☆
      とっても評判が良いので、楽しみにしていました。
      そう...
      まろんさん、
      ありがとうございます!
      おかげさまで、ぶたぶたさんデビューです☆
      とっても評判が良いので、楽しみにしていました。
      そうなんですよ~さりげなく、周りの空気をあたたかく、柔らかくしてくれる…

      癒される本は必要ですよねえ~~!!
      何冊もあるので、これで安心♪
      ご一緒に☆楽しく♪癒されたいです~~(*^o^*)
      2012/08/27
  • ぶたぶたさんが色んな仕事をして、色んな人と関わっていくけど、エピソードがめっちゃ面白い!
    最初はベビーシッターから始まって、変わり種は殺され屋とかさすらいのぶたぶたさん、尾行されている時もありました。いくつもの仕事をしている感じが面白いです。ショートストーリーを読んでいるようだけど、なんかどっかで繋がっている気がします。
    あの時に登場していた子がこっちでも出てくるの!?と最後あたりは驚きました。

  • 小学生用の物語に感じ、楽しめなかった。

  • 読み始め…16.3.14
    読み終わり…16.3.17

    書店に行った時の
    予め欲しいとメモしておいた本を探す楽しみというのはさる事ながら、新しい発見はないものかと棚の端からゆっくり一冊一冊目をこらして見ていくというのもこの上ない楽しみの一つです。

    そんな中で見つけた「ぶたぶた」

    この「ぶたぶた」どうやらシリーズ化されている本のようで、ある日「ぶたぶた〇〇」あるいは「〇〇ぶたぶた」といったタイトルの本がずらずらずら~っと数冊、いえ、、軽く十冊は超えるほど並んでいる棚に遭遇しました。

    ぶたぶた...ぶたぶた....ぶたぶたぶたぶた....

    一度目にしたら
    思わず手に取らずにはいられないインパクト。
    ですけどせっかく読んでみるからにはシリーズ1から手にしたいと検索してみましたら、なんだかとっても評判がいいらしくて....。

    さぁ。。「ぶたぶた」
    ここで出会ったが百年目 ?
    吉となるか凶となるか、果たしていかがなものでしょうか。しばしお付き合いしてみることに致します。

  • ヤバイ、なにこれw
    主人公はぶたのぬいぐるみです!
    しかも、現実の世界にちゃんとサラリーマンとして生きています。
    ぶたのぬいぐるみが動いてしゃべっているのに誰も変だと思わない状況で、主人公たちだけがおかしいと思う様子が書かれている。
    ぶたのぬいぐるみなのに、とても温かい話です。

    短編集ですが、特に「追うもの、追われるもの」が笑いました。
    飲んでるよ飲んでるよっ。(ぶたが牛乳飲んでる)
    ぶたのぬいぐるみがマウスをっ。
    ぬいぐるみが、電車乗って会社行って、飯食ってた。
    とか、普通の人の反応がやっと出てきた章だった。

    ラストの話は、「初恋」と「銀色のプール」とリンクした話で、とても温かい話でした。
    筆者の初期の頃の作品なので、文章は少し幼く感じます。

  • 面白い発想のファンタジーであった!

    ぬいぐるみが、ぶたのぬいぐるみが…

    有り得ない( ゚Д゚) ところが、ぶたのぬいぐるみではない!

    山崎ぶたぶた君は、ぬいぐるみではないと思う!

    人間だ! と私は思っている!

    奇想天外が展開に心奪われた!

  • 学生の時に1冊だけ読んだことがあったぶたぶたシリーズ。
    最初からよもうと思い1冊目!
    よかった〜

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著者プロフィール

一九六四年、埼玉県生まれ。八五年、矢崎麗夜名義で星新一ショートショートコンテスト優秀賞を受賞し、八九年『ありのままなら純情ボーイ』で作家デビュー。主な著書に「ぶたぶた」シリーズ、「食堂つばめ」シリーズ、「NNNからの使者」シリーズ、『あなたのための時空のはざま』など。

「2022年 『おいしい旅 想い出編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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