古い腕時計: きのう逢えたら… (徳間文庫 そ 7-2)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198937522

作品紹介・あらすじ

一日だけ時間を戻せることができる『古い腕時計』を、偶然にも手に入れた人たちの7つの奇跡の物語。「片想いの結末」「四番打者は逆転ホームランを打ったか?」「最後の舞台」「起死回生の大穴」「おばあちゃんとの約束」「明日に架ける橋」「運命の恋」。まちがった時間を正すことは出来るのか……。

感想・レビュー・書評

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  • タイムトラベル物の短編集。
    チャンスに弱い四番打者や、売れない漫才師などが登場。

    彼らが手にする古い腕時計、様々な悩みや苦悩を抱えながら、それを小さな時計屋に持ち込み、翌日その時計を受け取ると、なんと1日、時間が戻っていた...

    未来が分かっているので、上手くやり直せると思いきや、読者の想像を見事に裏切ります。

    決して、ハッピーエンドには、ならないものの、それぞれの短編が見事に絡み合い、各ピースがピタッとはまり、最後に結末を迎えるのは、さすがです。

  • 1日だけ過去に戻れる腕時計を持った7人の物語

    1「片想いの結末」
    片想いの女性と子猫が車に轢かれるのを助けられなかった裕樹は、腕時計で前日に戻り彼女と子猫を助ける。

    2「四番打者は逆転ホームランを打ったか?」
    ケガで入院中のプロ野球選手・大貫が、心臓の手術を嫌がってる少年・智明にホームランを打ったら手術してと約束するが、腕時計の力を使ってもホームランは打てなかった。

    3「最後の舞台」
    漫才大会で優勝出来なかった敏幸と聡太。大会の三ヵ月後ガンで死んだ聡太との約束で、敏幸は小説家を目指すことにした。

    4「起死回生の大穴」
    競馬で借金を返済しようとするも失敗した穂積は、腕時計で前日に戻り、教会に置かれていたお金を盗んで競馬に勝って大金を手に入れた。盗んだお金を返そうと教会に立ち寄ると、そのお金はある少年の手術の一部金だったことが判り、穂積は競馬で当てたお金を全て教会に置いていった。

    5「おばあちゃんとの約束」
    小説の大賞に落選した松橋。賞の結果を聞くために祖母の死に目に会えなかったことを後悔し、腕時計で前日に戻り、松橋は祖母と最後の会話をする。

    6「明日に架ける橋」
    車で老人を轢死させた罪で逃亡中の桐谷は、時効直前で銀行強盗に遭遇した。桐谷は贖罪のため腕時計の力で前日に戻り、銀行強盗から行員を助け、代わりに銃で撃たれた。彼の手には臓器提供意思表示カードが握られていた。

    7「運命の予感」
    囲碁のプロ試験に向かう健助は、腕時計の力を使い途中で妊婦を助けた為に試験に遅刻してしまい、試験に落ちてしまう。でも本来は対戦相手が試験に来れず健助が合格しているはずだった。妊婦は対戦相手の奥さんだったからだ。

    その美談が囲碁雑誌に掲載され、それを読んだ女性は健助に惹かれ、2人は出会い、そして結婚した。
    その夫婦の子供が(1)の裕樹。裕樹は助けた子猫の飼い主と結婚した。

    「エピローグ」
    「その後のふたつの物語」
    (2)の大貫のプレイに感動した智明は、(4)の穂積のお金で、(6)の桐谷の心臓で手術をし、手術は無事成功した。

    一方(3)の敏幸は、(5)で松橋が落選した小説賞の大賞を受賞した。

  • 時間SFもの。短編集。不思議な腕時計の力で1日だけ人生をやり直せすことができる。必ずしもハッピーエンドにはならないがひとつひとつの短編が少しづつ絡み合ってエピローグをむかえる。
    割と淡々としていた印象。

  • ある腕時計を持っている人々が、時計が壊れ、それを直すことでタイムスリップをして、「あの時、◯をしていれば!」という過去を変えるお話。
    読む前は、当然、タイムスリップをするのだから、ハッピーエンドなんだろうな。と思っていたが、一話目から裏切られた。
    え?そうくる?という感じ。

    結局、タイムスリップをしてもハッピーエンドにはならないというような話なのかなー?と読み進めると、ちらほら、良い終わり方(ハッピーエンドではないが)と思われるものも出てくる。

    そして、最後の最後のエピローグ。
    そこで、「え?そうくる?」と思ったものたちのいくつかが救われた。
    それを読んで、やっとホッとし、和んだ。

    でも、文書が時々、読みにくい感じがするところがあったので、この作家さんを再度読むか?と言われたら、少し考えてしまうかもしれない読了感。

  • 時間SFものの連作短編集

    どの話も不思議な腕時計で時間を戻って失敗したところをやり直すパターン

    う~ん、なんとも納得の行かない結末だなぁ
    最後語の最後で無理やりハッピーエンドにするやり方、あまり好きじゃない
    オチをつけるならその一回一回毎にしてほしいなぁ

    小説の賞みたいに作品がつながってたりするところはいいんだけど
    そーゆー絡みがもっと欲しかった

  • 頑張って読み進めましたが途中で断念。蘇部さんって、こんなに文章稚拙でしたっけ?あまりに軽い文章に頭がクラクラきてしまい、耐えられなくなってしまいました。

  • 「もしあの瞬間をやり直せたら・・」という願いが実際に叶う短編が7本。それぞれ、やり直しても一筋縄には行かず、ハッピーエンドと言えなそうなものもあり。

    でも最後のエピローグでちゃんと救われているので安心。

    最後、短編がそれぞれ関わっていたことが示されるけど、互いに密接に関わっているものもあれば、少し関わってる程度でしかないものもあり。「全部綺麗にまとまった」という爽快感は少なかった。

  • 少し混乱したけど、読みやすくてよかった。

  • ほんのり。

    単純で先が読める感じだったけど、暖まる話。
    いくつかのセリフは心に残ったなぁ。

  • 個々の話は展開が同じすぎて
    またこれか…
    となる箇所もあったが
    最後個々の話に繋がりがあり
    最終的な感想は
    なんだか不思議
    もう少し時計屋さんの方にも
    触れてほしかった

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著者プロフィール

1961年、東京都に生まれる。早稲田大学教育学部英語英文学科卒業。1997年、『六枚のとんかつ』にて第三回メフィスト賞を受賞、デビュー。児童向けの「青い鳥文庫」や「YA!ENTERTAINMENT」でも活躍。

「2013年 『古い腕時計 きのう逢えたら…』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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