- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198939717
作品紹介・あらすじ
寛政五年。風紀の取り締まり厳しいご時世。かつて生越(おごせ)の山村で罪を犯し、江戸へ逃れた童が、二十数年の年月を経て銭屋「倉田」の番頭になっていた。その銭屋絡みで殺人事件が起こった。仕舞屋侍こと九十九九十郎に揉め事の内済を頼んでいた旗本の死体が神田川に浮いたのだ。旗本は銭屋「倉田」に大金を預けており、九十郎にも嫌疑がかかる。事件解明に乗り出す九十郎。銭屋の番頭には意外なもうひとつの顔があった…書下し長篇時代小説。
感想・レビュー・書評
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『仕舞屋侍』シリーズ2作目。示談交渉相手の冤罪を晴らすため奔走する九十郎を描く。
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今回は、依頼人である密通侍で後に殺害される鏡之助はもちろん、交渉相手で後に冤罪で捕らえられた秋介にも自業自得の感が強い。
仕事とは言え、その者たちのために骨を折る九十郎のことが少し気の毒になりました。そして九十郎の仕舞相手となる倉屋番頭・欣次こそ同情に値する、という設定でした。
だがこの欣次がよかった。
その魅力が少しずつ明確になっていき、最後は九十郎が探索を諦めることを祈るほど、欣次に感情移入してしまったほどでした。
丹念な探索と推理により欣次を追い詰めていく九十郎。ハラハラしつつ読み進めましたが、さすが人情ミステリー。うまく収めて心地よい読後感でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
九十九九十郎は人間臭くて、キレ者を感じさせないキレ者。
話の途中で犯人は推測できるのに、理由が最後の最後まで判らない展開。 -
仕舞屋商売、儲けになってないですね。
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