アキラとあきら (徳間文庫)

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著者 : 池井戸潤
  • 徳間書店 (2017年5月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (720ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198942304

アキラとあきら (徳間文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 大企業の御曹司・階堂彬と、町工場の息子・山崎瑛。それぞれの経験を経て、歩んだ道のりとは。
    賢者と愚者がはっきりしてて、安定の展開。ボリュームのわりに、サクサク読める。後半はお得意の銀行もので、面白かった。
    タイトルのわりに、後半は瑛の影が薄く、彬と東海郵船がメインという印象。

  • 同じ銀行から見た企業経営でもいつも池井戸潤とは視点が違い面白かった。ビジネスの根底にハートがないといけないということを改めて認識。主人公の幼少期のエピソードもよかった。こういう池井戸潤もいいね!

  • 父の経営する町工場の倒産を見て育った山崎瑛(あきら)と、名門海運企業の創業家に生まれ、英才教育を受けて育った御曹司、階堂彬(あきら)。
    同じ名前ながらも対照的な生い立ちの二人は、矛盾や困難を乗り越えてバブル経済期に銀行員となり、互いを認めながらバンカーとしての才能を開花させ、さらなる難題に立ち向かう──。

    二人のあきらの30年の成長を700ページにわたって丁寧に描いたストーリーです。
    小学校を起点として高校から大学、バブル期の就職から中堅社員となるまで、実在の人物の30年を観察しているかのような気持ちになりました。

    金に翻弄される青少年期を送った二人はそれぞれ目的を抱いて銀行に就職するわけですが、その様子をつぶさに描いているので、読者の頭の中に説得力のあるリアルな実像として浮かんできます。

    中盤以降の、取引先との融資交渉や同族企業経営の難しさを描いた劇的な展開には手に汗を握りながら一気読み。
    バブル期に建てたホテル事業の不採算により本業まで不振に陥った企業をどのように復活させるのか、知恵を絞る二人の苦悩と葛藤が見事でした。

    「倒産した町工場」「銀行員としての矜持」など、いつもの池井戸作品と同じ要素が入っていますが、今回は経営者側の苦労が丹念に描かれているので一味違った読み心地でした。

    欲を言えば、思ったほどアキラ二人の会話が無く、接点が薄い気がします。
    あと、終盤は御曹司のアキラのほうの話が中心となるので、もう一人のアキラのエピソードももうちょっと読みたかった。
    二人のアキラの配分が悪い…でも全体のバランスを考えればこれが最良かもしれません。

    配られたカードで勝負するしかない人生の残酷さと、それを乗り越えようとする強い意志の力に圧倒される作品でした。

  • 2人の瑛と彬を主人公とする池井戸作品としては、新しいタイプの作品。
    静岡の小さい工場の息子として生まれた瑛と、海運業の御曹司として生まれた彬の二人の30年に渡る物語。
    池井戸作品は現代を舞台にした作品が多いので、60年代ぐらいの話から始まっていることに気づくまで、若干の違和感。
    そして、半沢が在籍する産業中央銀行、赤字リゾートホテルの再建などなど…一つ一つのエピソードにデジャブを感じる。
    それが池井戸作品のいいところどりとして楽しめると言えば、楽しめるけれど、全体的なプロットが新しい分、細かいところが残念と言うか、微妙な感じで読み終えたが、あとがきを読んで納得。初出は2006年。たくさんのヒット作より前に描かれたとのこと。と言うことは、自分が思い描いている池井戸作品の原点でもあった作品なのだろう。ここから、たくさんの物語が枝分かれしていったと思うと、なかなか興味深い作品。

  • 流行りに乗り手に取った一冊。
    中々ボリュームのある長編だけれども、長さを感じさせずスラスラと読み進められました。

    とても易しく企業と銀行の繋がりについて書いてあるのですが、動く金額の大きさにビックリ。
    会社を経営するにはこんなにもお金がかかるのか。

    バブル期の事はテレビでやっている知識程度しかないのですが、晋と同じ道を辿った企業は多かったのだろうなぁ、と想像してみる。

  • アクロバチックでありながら疑問を差しはさむ隙なく、あるべき必然性を帯びて結びつき、華麗で大胆な結論へと集約されていく。二人の秀才の困苦・課題に取り組む姿勢と機知に興奮した。課題に対する分析は緻密であり解析は創意に富んでいる。ミクロ的な分析からあらゆる方向に論理の矢が放たれ解決へと導く放物線は真に見事。読了後はすこぶる爽涼な風が吹き抜けていくのを感じた。長編なるもあっと言う間の短さであった。

  • 文庫オリジナルの最新作、タイトルもなんだか新鮮味を感じて読んでみましたが、長いという点を除いて、中小企業と銀行を舞台にした王道の池井戸潤小説でした。それもそのはずで、新作と言っても実は2006年〜2009年に雑誌に連載されていた作品で書籍化されたいなかったものを加筆して仕上げた作品とのこと。むしろこの10年の人気を作り出す原点のような作品でした。もちろん、さすが池井戸潤という出来ばえ。池井戸潤の作品として楽しめます。期待を裏切らず、そして期待を超えることはない。安心して読んで楽しめる作品。まさに職人技です。本書の登場人物の2人はいわゆる著者と同じバブル期就職世代。生い立ちの異なる2人のアキラの人生を幼少期から順番に描いて行く様は池井戸潤の他の作品とは若干雰囲気が異なりますが、その辺の大河ドラマちっくなものは正直上手く描けているとは思えなかった。たいした伏線もなく、結局は池井戸潤の他の作品同様の展開で、でもやはりそこが面白いところです。

  • 起死回生

  • ドラマ半沢直樹を彷彿とさせる、バブルという時代背景のせいか、ややギラギラした感じがなんとなく気になりましたが、波に乗り出すとそれも気にならなくなりました。

    おじの二人の欲深さ、傍で見てるからイライラするだけで済むけれど自分の身内がそんなんだったらはらわた煮えくり返って関わりたくないなぁ。。

    とにもかくにも、読み終えるとほっとする作品でした。

  • 「会社を救うのか、銀行の論理を通すのか。なんのためにカネを貸すのか」この稟議で問われるのは、銀行員としての存在意義だ。カネは会社ではなく人に貸す、という信念を貫く瑛と、叔父の会社をも救おうとする彬がかっこいい。700ページ一気読みだった。

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