アキラとあきら (徳間文庫)

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著者 : 池井戸潤
  • 徳間書店 (2017年5月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (720ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198942304

アキラとあきら (徳間文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 池井戸潤ファンとして発売直後に購入していたが、文庫本705頁の厚さに圧倒され、読み始めるのに躊躇もあり、今になってしまった。
    そんな危惧は、数ページ読むほどに、もちろん解消!
    三流レベルの推理小説や冒険小説より、スリリングで面白く、物語世界の中にたちまち取り込まれてしまった。
    こういう作品こそ、エンターテイメントの粋というのだろうか。
    生い立ち境遇が違うが、同じ音を持つ名前の二人の少年期から書き起こされ、同じ銀行に同期入行したこの二人、どのような関わり合いになって行くのか。
    やがて、著者得意の銀行が舞台になる。
    時はバブル崩壊時、企業倒産、企業経営の困難さ、兄弟企業の諍い、銀行の取引先への対応、不良債権への対処、銀行同士の競りあい、次々と眼前に繰り広げられる手に汗握る展開に、読者は皆、本を置く能わずの心境だったろう。
    読み手も、気が付いたらもう最終頁だった。
    これでもかのテーマを盛り込んだこの作品、読み終えたあとでは、もっとそれこそ千ページ以上でもよかったのではとの、贅沢な読後感を持ってしまった。

  • 零細企業の息子の山崎瑛と
    大企業の息子の階堂彬。
    それぞれの育ってきた環境は全く違えど、頭の回転や成績はトップクラス。
    この2人の人生を交差させながら物語は綴られて行く。

    バブル期の銀行や企業が舞台で、半沢直樹と同じ銀行か?と思ってしまうほど、
    時期や環境は類似している。
    しかし、2人のアキラの人生をかき分け、階堂家のお家問題や企業経営が豊富に描かれているので、
    飽きることなく読めた。

    特に、階堂晋、崇の叔父2人の経営者としてのおちょこ並みの器や、それに反してラーメンどんぶりすら足らない無駄なプライドと対抗心。
    とても滑稽で、早く痛い目見ないかなと終始思ってしまうほど。苦笑

    2人のアキラが、それぞれの立場で持てる力を最大限に発揮した時に、
    なんとも言い難い高揚感に襲われた。

  • ブレない理念のないアホな2世が、ムダなプライドに固執すると会社は大変なことになるんだなと思った。
    偉大な人間は、素直に偉大な人間を認められる。
    人の意見に耳を傾けて、孤独な経営業の中でも助けてくれる人が周りにたくさん集まるのかな。
    最後は一気読みだった。

  • 幼少時の田舎の匂いとか懐かしい。

  • 201708/分厚かったけど、長く感じさせないテンポの良い小説でした。2人の生き方が羨ましい。一瞬でも仕事に人生を賭けたことのない私にとっては、ぞくぞくするものがあった。

  • 二人のあきらを巡る話。
    全く境遇の違う二人なのに、
    二人の道が絡んでくるのが面白い。

    「ぶあつっ!!」って思ったけど、
    結構すんなり読めた♪

  • 池井戸潤を初めて読んだ。
    盛り上がったりこれといって記憶に残る場面はないが何となく一気に読んでしまった。
    アキラとあきらが敵同士になると勝手に思い込んでいたけれど、そんな話ではなかった。
    貧乏あきらの方が好みかな。
    会社の経営だったり、資金繰りの話も実際の仕事と重なってのめり込んだ。
    何百何千という従業員の家族のことを考え、会社経営するって本当に心をすり減らす。
    でも、一緒に戦ってくれる仲間だったり家族がいて、最後はトップとしての責任がどこまであるかなんだろうな。

  • ‪池井戸潤の新作。実は連載自体は10年近く前だが書籍化されていなかった作品らしい。ざっくり前半は瑛・後半は彬の話という構成で1冊で2つの小説を読んだ気分。産業中央銀行を舞台にした作品なんだけど不正を犯す悪者はいない。でも無能だとしても人生の限界を思い知って敗れる人々の描写は辛い…‬

  • 池井戸潤のアキラとあきらを読みました。

    山崎瑛と階堂彬の二人のあきらの物語でした。
    山崎瑛は小さな町工場の社長の息子ですが、取引先の策略により町工場は倒産、夜逃げ同然に母親の実家に戻ることになります。
    階堂彬は祖父と父親が育ててきた海運会社の御曹司ですが、無責任な行動で本業を脅かす叔父たちの行動に悩まされ続けることになります。

    二人は同じ銀行に同期行員として採用され、活躍していきます。
    そして、階堂彬の叔父たちがバブル期に建てた不採算のホテル事業により、本業まで破綻に瀕してしまった海運会社の復活に協力することになります。

    池井戸潤は銀行を舞台にした丁々発止のやりとりが魅力ですが、今作ではエピソードが小ぶりだったのでちょっと残念だと思いました。

  • 読みたいと思ってはいながら一冊で705頁という厚さは通勤電車で本を読む身としては持ち運びが大層なので買うのを躊躇していたが、姪の結婚式で博多まで往復する新幹線で読めばと思いつき購入。サクサクと進む話は厚さを感じさせず、往復の旅程で予定通り読了。
    父が経営していた工場が潰れて母の身内のところへ夜逃げを余儀なくされ貧しい暮らしの中で自分の存在意義を考える山崎瑛。
    祖父の代から続く海運会社の社長の御曹司として不自由なく暮らしながらそれに飽きたらず自らの進む道を模索する階堂彬。
    同世代ながら全く境遇の違う二人のアキラの、小学生の頃から高校生の時代のエピソードが語られる前半。人生について彼らの中にどのような思いが沈殿していったのかが描かれる。
    どちらかと言えば、瑛のほうの、周りに支えられながら絶望的な状況から立ち上がり自分の道を見つけていく話が印象深い。東京の大学を中退し地方銀行に就職した行員の話が泣かせる。
    同じ大学を出て、図らずも同じ銀行(産業中央銀行!)に就職し社会人となった二人を描く中盤。今度は、父、叔父、弟が経営する会社のお家騒動の波をかぶり奮闘する彬の活躍が中心となる。
    そして終盤、二人がそれぞれの立場で同じ難事に向かうこととなるが、色々な思惑が入り乱れる中一進一退する事案に聡明な二人が突き進む姿が小気味良く、散りばめられた思わぬ人との間接直接の再会など小味も効いてる。
    それぞれが銀行に入った経緯=決意を基に、『金は人のために貸せ』という入社早々に得た金言の下、不振のリゾート事業の売却を中心にした階堂家の企業グループの立て直しを図る展開は結構スリリング。
    背景となる時代が私の生きてきた時代とも重なり、ある種懐かしく、自分の子供の頃や会社生活について思いを馳せることになったのは思わぬおまけ。

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