アカネヒメ物語 (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198942915

作品紹介・あらすじ

ある日はるひは、風早の西公園で不思議な女の子と出会う。ちょっとだけ偉そうなその子は、古い桜の木をよりしろにする、土地の神様アカネヒメだった。魔法の力を使えても、まだ幼い神ゆえに、誰の目にも見えず声も聞こえない、ひとりぼっちだった神様とはるひは友達になった――。あの懐かしい、ささやかな奇跡の物語がついに文庫化。書下し「人魚姫の夏」を収録。

感想・レビュー・書評

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  • まだ幼い神様と少女の数年間の交流を描いたお話。少し不思議系のSF作品といえるかもしれません。うまく言えませんが、神様のキャラクタの具合がちょうどいい感じ。尊大に過ぎず、我儘に過ぎず、人におもねるわけでもない。ちょうどいいバランスを保ってる。生きる時間の異なる神と人の交流なので、一抹のさみしさが作品全体を貫いているのもいい。

  • 変な言葉遣いになったりもするのだけど、とっても可愛らしい連作小品集だった。

  • 「オルゴールの秘密」
    走って行く先には。
    眠り続けている間も裏切ったことに対する想いがあったからこそ、ずっと探しに生き続けていたのかもしれないな。

    「夢見る木馬」
    無力な自分を呪い。
    失われてしまった命は取り戻すことは出来ないが、独りで嘆き悲しみ続けるより弔いの想いを届けてもいいのでは。

    「たそがれの約束」
    届いたメールには。
    一時の夢のような時間だったとしても、偶然が繋いだ世界は互いにとって一生忘れることが出来ない想い出だろう。

    「人魚姫の夏」
    願いに行ったきり。
    同じような想いを胸に向かったのだろうが、子供一人で行くには天候が良くとも危険な場所に変わりなかっただろ。

    「春色のミュージカル」
    俯いてばかりだと。
    もしものことを考えてしまったとしても、時を戻すことなど出来ないのだから今を見つめながら進むしかないだろ。

    「永遠の子守歌」
    再び芽吹いた時に。
    代々疑うことなく信じ続けて待っていたからこそ、目覚めて直ぐに独りぼっちにならずにすんだのかもしれないな。

  • 疲れた心に沁みるわ~(T0T)桜の木をよりしろにする姫神様、アカネヒメのなんと可愛らしいこと(*^^*)是非ともお友達になりたい!というか妹にしたい!(゜▽゜*)五百歳だけど…そして大人になるまで二百年かかるけれど…(^^;)それでも神様としては幼く、自分の力が足りないことに赤い涙を流すアカネヒメを側にいて見守りたいと思ってしまう(^^)まだ新たな風早の物語に出会えて嬉しい♪

  • 【収録作品】オルゴールの秘密/夢みる木馬/たそがれの約束/人魚姫の夏/春色のミュージカル/永遠の子守歌

  • アカネヒメの一言目のセリフが妙に気に入ってしまい、何度も読み返してしまった。こんなキュートな神様がいるなら友達になりたいよ。
    アカネヒメ、あの風早三郎とも面識あるのかしら、なんて思わず考えてしまった。
    そしてすごくエクレアが食べたい。

    それにしても風早の街、作家(小説家、漫画家など)が多い。すごい街だなあ。

  • 心がほんのり温かくなり、ちょっぴりほろりとする。
    村山早紀さんらしい作品です。
    とても癒されました。

  • 大事に読みたくて取っていたら二ヶ月。やっと読めました。表紙のアカネヒメの愛らしさが、無垢な神さまを思わせ、本当にらしいなぁと思います。主人公のはるひも、とても純粋で可愛らしく愛されているし自分もそれを知っている幸福な子。だからこそアカネヒメを見ることができたのかなと思いました。この年でパソコンかーと思ったり、不思議な異次元のやりとり、どのお話もとても心に残る美しい物語でした。「無垢で擦れていないこども」だからこそ経験できる、貴重なものがたりは、アカネヒメも、いってみれば「子ども」だったからこそ、なんだろうなとも思います。
    宇宙港の火事から抜け出したはるひの子孫は子どもだけれど、普通に自然を信じて神さまを信じたはるひでは決して無いし、銀色の桜を咲かせて大火事を沈めた美しい少女神はもう愛らしい「アカネヒメ」ではない女神で、力を持つ神担った彼女はもう二度と人と関わりを持つことは無いんじゃ無いかなぁとなんとなく感じました。

  • 各話、どれも、小さな宝石のようにきらきらとしています。
    どの登場人物も、誰かを大切に思っていて、そんな人の子たちを、アカネヒメは大好きで。
    こういう思いが神様の力となるのかもしれないですねぇ。

    そうそう、銀泉堂にとても行ってみたくなります!
    マスターは素敵だし、エクレアも美味しそうだし。

  • すぐに読めそうな事と表紙の絵がいかにも児童書という事で読まずにいたシリーズでしたが、書下ろしも含めて一冊の本になっていることを知り手に取りました。

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著者プロフィール

1963年長崎県生まれ。『ちいさいえりちゃん』で毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞。著書に『シェーラ姫の冒険』(童心社)、『コンビニたそがれ堂』『百貨の魔法』(以上、ポプラ社)、『アカネヒメ物語』『花咲家の人々』『竜宮ホテル』(以上、徳間書店)、『桜風堂ものがたり』『星をつなぐ手』『かなりや荘浪漫』(以上、PHP研究所)、げみ氏との共著に『春の旅人』『トロイメライ』(以上、立東舎)、エッセイ『心にいつも猫をかかえて』(エクスナレッジ)などがある。

「2022年 『魔女たちは眠りを守る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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