暴君竜を飼いならせ (キャラ文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784199007538

作品紹介・あらすじ

動物の心の声が聞こえる能力ゆえに、ベジタリアンとして育った高校生の潤。
その極上の血に目をつけたのは、最強の恐竜──ティラノサウルスの遺伝子を受け継ぐ
恐竜人の竜嵜可畏(りゅうざき・かい)だ。その遺伝子の力で、人間を従わせる能力を持つ可畏は、
潤を餌とするため、恐竜人が集う全寮制の学園に、潤を無理やり転校させて、奴隷として
支配しようとするが……!?

感想・レビュー・書評

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  • 色んな動物の擬人化はよくある話だけれど、この作品は恐竜の血を引く竜人・その中でも最強のTレックスと、本来は非捕食者である人間の男子高校生との恋。よくもまあこんな設定考えたな、と思うけれど、周到に計算された様々な設定のおかげで、まったく陳腐にならずにその世界観に入り込めた。恐竜だけあって、前編に渡って暴力描写が生々しく、人によってはDV受けてる内に依存し始めてしまう関係に見えなくはないんだけど、でも、主人公がちゃんと強い意志と主体性を持っているので、そこはちゃんと愛のある関係に描けているように思った。
    ブライトプリズンでハマった犬飼のの先生だけど、この人の想像力には本当に感心します。これからもこのファンタジー路線でたくさん書いて欲しい。

  • 初・犬飼ののさん作品でした。すごくたくさんの作品があるので迷った中、これに選んで私的には良かったと思います。

    まさかの恐竜BLでした。しかも、なんちゃって設定というか、冒頭にちらりと出てくる感じではなくて、ストーリーに食い込む感じで恐竜が出てきて、それが違和感ないのがすごいなあと。BLっていうジャンルはとても寛容的でもあるのかなと思いました。色んなスパイスを内包できるのかなと。

    Tレックスの遺伝子を持つカイと、生き物の気持ちが「分かる」ベジタリアンの潤。この二人の設定が余すところなく生かされていて、それも素晴らしい…と読みながら何度も唸りました。

    メインはこの2人なので、ほとんどはこの2人がいちゃいちゃべたべた、艱難辛苦を乗り越えて、更にいちゃいちゃといった内容なのですが(内容はシリアスなのに、潤くんが楽観的なのでそう感じる)、脇のヴェロキラプトルにだんだんと情が移って…。

    読後、ヴェロキラプトルを画像検索したら、やっぱり私の好きな恐竜で、更に愛が増しました。続編では、彼らにも幸せが訪れないのだろうか…。

  • 初読み作家さん。

    攻め:竜人・可畏
    受け:沢木潤

    交通事故で死ぬかというほど血を流して大怪我したのにしばらくしたら回復していた。それは轢いた車の中にいた竜人が自分の血を与えてくれたからだと言う。動物の気持ちが流れ込んでくる潤には『一緒にいたい』という感情が流れ込んできて、それは可畏からだったようで?
    可畏に気に入られた潤は竜人が人間社会の中で生きていくための養成学校である高校に転校させられ寮に入れられる。寮では毎日可畏に抱かれ身体だけでなく気持ちも心地よくなってきてしまっていて…。


    ファンタジーは不得手なので購入後積んでいたのですがやっと読みました(笑)読んだら設定もストーリー展開も、ファンタジーにありがちな独りよがりだったり都合の良い展開だったりもなく、ちゃんと納得出来る内容で齟齬もなく、散りばめたカードもちゃんと回収して読み応えがありました。人間の潤が竜人である可畏を好きになって行く過程も、竜人の可畏が潤をちゃんと認めて尊重できるまでの過程も自然でした。

    こういうちゃんと納得出来る設定の話ならファンタジーも良いなぁと思った作品でした。
    (でも、この先生の虫シリーズは以前読んでみたけど序盤で挫折してます。あれは虫がモチーフなのが多分ダメ。擬人化がそもそもダメ)

  • 恐竜BLとか、業界もついにここまできたか、と思わず唸るような設定です。
    分類としてはファンタジーなんですが、現代の普通の高校生で、
    受は生き物の心の声が聞こえる、みたいな特殊能力があるくらい。
    ああ、あとは攻が恐竜ということくらいで、剣と魔法の世界みたいな
    作り込まれた世界観ではないです。

    と、なんだかこう書いてみると、剣と魔法よりも更に濃いめの
    ファンタジー臭がするな……と思ったんですが、ホントにかなり
    濃いめです、色々と。
    まず犬飼さんの暴力描写には、今まで散々眉を顰めてきたのですが、
    これがこの作家さんの持ち味だと思うようになってからは、この
    意味不明なDVまがいの行為を普通に読み流せるようなになりました。
    特に今回は相手が恐竜で、理性でどうにもならない面と、色々と
    オコサマな事情があるので特に気になりませんでした。

    心の声が流れ込んでくるために、その気持ちに同調しやすいという
    受の設定も、それがあるから好きになっていく過程に、あまり無理な
    違和感がなかったです。
    DVよりも何よりもしんどいのが、スプラッタばりの流血描写や、
    内蔵だとか食いちぎるだとか、穏やかではない字面……。
    もちろんそこには愛があるゆえの行動で、ふたりが非常に愛し合ってて
    せつない展開ではあるんですが、そこはさらっとお願いしたかった!

    挿絵は神々しいほど美しいです。
    まず、BLの表紙なのに、ひとりしか描かれていないのが新鮮。
    攻はどこに? 
    と思ったら、お口の中にすっぽり受をくわえ込んでました(笑)
    BL界広しといえど、お口に受の身体をまるごと入れちゃった攻は
    いないと思います……。斬新すぎてまじまじ眺めちゃった。
    耽美な絵柄と耽美な話、そして濃厚なエロ成分。
    意外なレーベルからの発行でしたが、非常に楽しく読むことが
    できました。
    続編出るなら絶対買う。

  • 動物の感情がわかる故にラクトベジタリアンの高校生、潤
    恐竜遺伝子を持つT・レックスの可畏
    設定の面白さと好きという感情だけでは済まされない種の違いに翻弄され、さらに可畏にすれば人の感情を開花させる事からの恋なのが凄く良かったです。
    潤の持つ、底無しの受け皿の大きい愛情と感覚に、可畏が奥底に眠らせていた人の感性、情、恋心が触れて開花して育つ。力しかなかった世界に色付けされた可畏の世界を、丸ごと抱きしめ愛する潤。大好きなシリーズの始まりに興奮でした。

  • 面白かったー!潤くん優しいしエロぃ…。最初はどうなることかと思いましたがハピエンでほっとしました!

  • 初読作家さん。

    人気のある作品なのは知ってたけど、暴力的な描写がある等々書いてあったのを見たので敬遠してました。
    が!早く読めばよかったー!
    面白い!!
    確かに暴力的なとこがあったり、怪我の状態を想像すると『痛い』とかいうレベルじゃない怪我だったり。
    でもそれが気にならないくらい面白くて一気読み。
    寝不足になりました。

    うーん、続編もだし、他のシリーズとかも気になってきちゃったな。

  • 犬飼さん、初読み。何から何まで不思議な話。受の人権を無視した、やりたい放題の攻。高校生にして愛人扱い。いつでもセックスできるように、転校までさせる始末。でも、不快さや悲惨さがないのは、受が情に厚く男の子らしいから?
    背景になる竜人がいる世界観は、アウトラインだけの詳細はぼかしたままで話が進み、最後の最後に実体化したものの、身内のごたごたとして収束する。ともすればチープ。でもこの不可思議さ、悪くない。
    不思議設定なのに攻と受の恋愛に絞ったところが勝因なのか。溺愛に近い執着なのに、攻がそれに気づいてないところもいい。とにかくありがちな話ではないので、巻き込まれ攫われていったような読後が強かった。続編が気になる。

  • 恐竜化する人間×ベジタリアン、という数ある獣人ジャンルのなかでもかなり驚きの設定。しかし内容はBL。BLジャンルの懐の深さを感じる。まあリアリティとか求める方が間違ってるよねっていう設定なので問題ないんだけど、それにしても受けの精神性は謎だった。かわいい感じで描かれてるけど、常識的にはサイコパスレベルにありえない強靭かつ寛容すぎるメンタルの持ち主。エロは濃いめです。

  • いや~面白かった!続き出るなら読みたいですね!最近こればっかりですね(笑)

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著者プロフィール

『不夜城のシンデレラ』がホワイトハート初作品。
現代ものからファンタジーまで幅広いジャンルを書き分ける。
竹書房、プランタン出版などで活躍。

「2013年 『料理男子の愛情レシピ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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